昨日のブログ記事で告知した通り、本日は Covid感染によって獲得した免疫がワクチン2~3回接種による免疫と比較し、どれくらい再感染を防止する効果があるか ということについて、研究内容が発表されていますので、それをご紹介します。

 

元のビデオは↓で、医療従事者向けの有料講座を配信している免疫学の博士のようですが、無料のビデオでもたくさん、ワクチン関連で興味深い内容を発信して下さっています。Drが手書きで描いた画面をキャプチャしたものを今回の私のブログで使わせていただきますので、グラフが手書きでちょっと見にくいかもしれませんが、ご容赦下さい。

 

 

 

 

ビデオの内容は 2回または3回以上のCovidワクチン接種した群と、ワクチン接種しないで一度Covidに感染した群で比較し、それぞれCovidへの再感染への防止効果がどの程度あったか という比較になります。中東のカタールで実施された調査です。

 

 

上のグラフの縦軸は有効性(症候性のCovid発症を防いだ率)で、横軸は時間(月単位) になります。

そこに上から、グレーの丸と線、青い丸と線、緑の丸と線で描かれた3本のグラフがあります。

このうち、46.6%から始まる青い折れ線グラフは2回ワクチン接種した後、症候性Covid発症(オミクロンの前の株 α、β、γ等)をどの程度防いだか ということを示しています。

上のグラフはファイザーのデータですが、2回接種した直後の時点で46.6%の有効性を示しています。

それが3ヶ月経過後、わずか8.8%の有効性へと落ちています。たった3ヶ月で、です。

その後、2回目接種から7ヶ月経過した時点では有効性は なんとマイナス17.8%へと落ちてしまいました。

その後、3回目の接種(ブースター)で再び有効性が59.9%へアップしたものの、わずか1ヶ月後に40.5%になっています。

これを見れば分かる通り、ワクチン接種で症候性のCovid発症を防ぐ効果があるのは わずか3ヶ月ということになり、ワクチン接種直後の有効性を保とうと思えば、3~4ヶ月ごとにブースターショットを繰り返さなければならなくなります。

 

グラフに出ていないモデルナの場合はどうかと言うと、ファイザーよりも有効性が急激に落ちるのが酷く、もしグラフに表すならば、ファイザーよりも もっと急カーブの右肩下がりのグラフになります。(3ヶ月でほぼ有効性ゼロになる)

 

次に、グラフの一番上にあるグレーの線と丸を見て下さい。これはCovidに一度かかった場合の免疫の有効性です。オミクロンの前の株(α、β、γ等)に一度感染した方が オミクロンの前の株(α、β、γ等)にどれほど発症しにくくなったか という有効性を見ています。将来予測も含めたものになりますが、ワクチンに比較すると、段違いに高く、長期に安定して高い有効性を維持していることが分かります。

 

 

 

 

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(上記の論文の和訳↓)

結果:オミクロンの前の株への感染がオミクロンの前の株への再感染を防いだのは85.5%(95%信頼区間:84.8-86.2%)だった。(一次感染による)有効率は一次感染後7カ月目に90.5%(95%信頼区間:88.4~92.3%)でピークに達したが,16カ月目には70%程度まで低下した。この減少傾向をゴンペルツ曲線に挿入すると、22ヶ月目には50%、32ヶ月目には10%未満になることが示唆された。オミクロン初感染前の再感染に対する有効率は38.1%(95%信頼区間:36.3-39.8%)で,初感染からの経過時間とともに減少した。ゴンペルツ曲線によると,15カ月目までの有効率は10%未満であった。COVID-19の重度,重症,致命的な再感染に対する一次感染の有効性は,一次感染や再感染のバリエーションにかかわらず97.3%(95%信頼区間:94.9~98.6%)であり,減少を示す証拠はなかった。50歳以上のサブグループ解析でも同様の結果が得られた。
結論:再感染に対する自然感染の防御は衰え、減少する可能性がある。

↓

上記の論文画像のコメントは何を言っているかというと、Covid感染による症候性感染の再発(オミクロンの前の株)に対する有効率は 最初は85.5%、その後なだらかに右肩上がりに有効性が上がっていき、7ヶ月後にピークの90.5%に達し、その後はなだらかに減少はしていく。22ヶ月後に50%の有効率となり、32ヶ月目で10%未満になる。重度,重症,致命的な再感染(オミクロンの前の株)に対する効果ならば、97.3%もの有効性を持ち、減少もしない ということです。しかし、オミクロン株に対しては、オミクロンの前の株に一次感染したというのは 当初から38.1%の有効率しか持っておらず、再感染を防ぐ効果はあまり期待しないほうがよいということになります。

 

 

 

そして上のグラフの一番最後の緑の丸と線のグラフになりますが、これはオミクロンの前の株(α、β、γ等)に一度感染した方が現在流行しているオミクロン株に対してどれほど発症を防ぐ効果があったか ということを示しています。

これは上の論文のスクショの和訳で書いた通り、オミクロンの前の株(α、β、γ等)に一度感染したというのは オミクロンに対しては30~40%の保護効果しかないことが分かりますが(上の論文のコメントによれば38.1%の有効性)それでも、少しばかりは効果があり、その効果もなだらかにしか減弱しないので、ワクチン接種で作った免疫効果がアップ・ダウンが激しく、短期間でマイナスにまで落ち込むことと比べると、マシなのではないでしょうか。

 

このワクチンによる効果がマイナスにまでなってしまう値の処理方法が 数理的な統計処理の方法の「ゴンペルツ曲線」の計算で得られたものです。数学が得意でない私にはよく計算方法が分かりませんが、ゴンペルツ曲線の計算方法について知りたい方はこちらのサイト等を確認して下さい。「95%信頼区間」とは、簡単に言うと、「値が分散していてもその区間の中に95%の確率で含まれている」という統計処理のことです。詳しくはこちらのサイト等を確認して下さい。

ワクチン接種の効果がこれほど短期間に減少して統計処理上、マイナスにまでなってしまうというのは 接種された方々にとっては 衝撃的なものではないでしょうか?

 

では、次に ワクチン接種のオミクロン株に対しての有効性はどうでしょうか?オミクロンのBA.1, BA.2に対してのワクチン2回、3回接種の有効性のグラフを載せておきます。

 

 

PCでは左(スマホでは上)側の写真がファイザー、PCで右(スマホでは下)側の写真がモデルナで、グラフはどちらも縦軸が有効性(%)、横軸が時間(月)です。

 

ファイザーの2回接種直後ではオミクロンのBA.1に対して46.6%、BA.2に対して51.7%ほどの有効性(症候性のCovid発症を防いだ)となっていますが、それが4~6ヶ月でそれぞれ8.8%,12.4%にまで落ちてしまっています。そして7ヶ月になるとマイナスにまでなってしまったので、赤い点線の右側は3回目を打ったら2回目を打った直後のレベルにまで有効性が再び上がったということを示しています。

モデルナも同じような状態ですが、ファイザーに比べ、有効性%が接種直後でもバラツキがかなり大きく95%信頼区間が幅広くなっています。


以上のことで分かるように、ワクチンでの免疫の有効性は3~4ヶ月以内に急速に衰える為、3~4ヶ月毎に「ブースターショット」を繰り返さなければならなくなる ということです。(ビデオの中でもDrがそのようにおっしゃています。)

 

むしろ 健康や体力に自信が有る方ならば、一度感染して強力な免疫を作っておいたほうが 一次感染した後は 長く持続する強力な免疫ができる ということです。