国際政治アナリストでアメリカ在住の伊藤貫氏のビデオはとても面白く、私のブログで過去に何度か紹介したり、内容について言及したりしてきました。
米露関係破綻の原因は何か?ー伊藤貫氏の見解が素晴らしすぎる!
6/25にチャンネル桜の「伊藤貫の真剣な雑談」という番組で伊藤貫氏の新しいビデオがアップされており、またこのビデオの内容が面白かったので、ご覧になられていない方には是非Youtubeビデオをチェックしていただきたいです。
この中で現在のウクライナ戦争の停戦の可能性について、9~11月に停戦が行われる可能性が50%くらい あるのではないか ということをお話されています。
というのは このままでいくと、11月の米中間選挙で民主党は大敗して30~40%位議席を失ってもおかしくない状態であると。
だから、そうならないように9~11月の間に アメリカがゼレンスキー政権に圧力をかけて、停戦に持ち込む可能性が(伊藤貫氏の見立てでは)50%くらいではないか とのこと。
あと、個人的に面白いと思ったのは プーチン氏の経歴です。
貧しい家庭で生まれ父が中卒、母が小卒という両親、地元の公立高校では学業ではトップの成績、ロシアではモスクワ大学に次ぐ第二の名門大学、当時のレニングラード大学(今のサンプロペテルブルク大学)法学部に40倍もの倍率を勝ち抜いて入ってからは 常に勉強か柔道のどちらかしか、していないというほど、勉学と柔道だけに打ち込み、卒業後はKGBに就職し、東ドイツで諜報活動。ベルリンの壁崩壊後は元々成績も優秀だったのでロシアに戻って母校のレニングラード大学で大学教授になるべく博士論文を書いており、法学部の教授になる予定の、元々学者タイプの人だった。プーチン大統領と何度も合って話をした元駐露アメリカ大使が言うには プーチン氏はとても思慮深く落ち着いた人物で、西側に作られたイメージである、短気な”荒くれ者”の独裁者ではないとのこと。プーチン氏が師事していた法学部の教授がレニングラード市長になったのに伴い、有能な部下が欲しいということで、副市長として迎え入れられて手腕を発揮。「ペテルスブルクにプーチンあり」といわれるほど行政能力が高く、その噂がモスクワのエリツィン政権にも届いて、エリツィンから引き抜かれてモスクワに連れてこられ、その1~2年後にはKGB(その後FSBに名前を変更)の長官になり、その次の年には大統領代行、そして次の年に大統領になった。学者になるのをやめて副市長になってからわずか3年後に大統領という、日本人からしたら考えられないような、おとぎ話のようなスピード出世をしたのがプーチン氏。
プーチン大統領は3つのレベルで物事を考えなければならないと言っている。
1つは価値判断や世界観 というもの→philosophical(哲学的な)レベル、
2つめがparadigm(パラダイム:構造的な)レベル
3つめがpolicy (ポリシー:政策)レベル
この3つのレベルに分けて考える能力が必要で、プーチン大統領はこの3つのレベルで物事を考えられる稀有な能力の持ち主。
共産党体制が失敗してソ連崩壊後は、ユダヤ系オリガルヒに国営企業を盗まれ、国民のほとんどが極貧状態に突き落とされて平均寿命は大幅に縮まり餓死者も出るという状況の中で、プーチン大統領は 国民がどういう政治思想を持つべきか、どういう道徳思想が正しいか、どういう文化を持つべきか、どういう歴史解釈を持つべきか、哲学や宗教で どういう立場をとるべきかという観点から、ロシア国民をもう一度立て直す必要がある と考えた。(日本の政治家には絶対に無理なことをできる能力がある)
つまり、プーチン大統領は独裁者であるのは事実だけれども、博学でもあり、単なる政治家ではなく、「ロシア国民の教育者」として、国を立て直した。
アメリカで流行っているポストモダン、フェミニズム、LGBTQ等の問題、またネオリベラリズムで金儲けこそが大事、「今だけ、金だけ、自分だけ」という拝金主義は良くないし、そんなことをしていたら、ロシア国民がバラバラになってしまう。ロシア国民にはそういうリベラリズムを受け入れる体制が出来ていないし、ロシア正教のキリスト教道徳にも反する というふうに言っているのがプーチン大統領だ。
とのことです。
===========
ここからは 上のビデオを見た私の感想ですが、たしかに、今バイデン政権は深刻なインフレによる支持率低下に苦しんでいます。だから、この調子で行くと、11月の選挙で民主党が負けそうなのはその通りでしょうね。
ただ、ウクライナに対する60億ドルの支援に反対したのは ランド・ポール上院議員を含めて、共和党でもたった11人しかいなくて、アメリカの政治家の大半が反ロシアであって、プーチン政権の失脚を狙って長年活動してきた というのは間違いないので、戦争を年単位で長引かせて、「ウクライナ人を最後の1人になるまで戦わせる」という、今の強硬姿勢が変わらない可能性も大いにあるかな、と私は思います。伊藤氏の言う「50%の停戦可能性」というのは所詮半々ということなので、どっちに転んでもおかしくはないということかな、と見ています。
欧州の方は正直、ロシアからガスが買えないとなると、冬が心配でたまらないでしょう。先日、ドイツのショルツ首相、フランスのマクロン大統領、イタリアのドラギ首相がキエフに行ってゼレンスキー大統領に合っていますが、「EUの加盟候補にする」というのを手土産に、水面下ではロシアとの停戦交渉の再開を促した可能性も高いのかな、と私は見ています。
伊藤寛氏の話でひとつ、本来学者になろうとしていたプーチン大統領が 90年代のズタボロにされてしまったロシアとロシア国民を 哲学や思想的な部分から教育もして、立て直そうとした というところが素晴らしいと思いました。もちろん、プーチン大統領が ロシアの国営企業をタダ同然で盗んだオリガルヒの何人かを捕まえて、シベリア送りにしたり、国外追放処分にしたということは私も知っていましたが、貧困にあえぎボロボロになったロシア国民の教育者としての役割もしていた という部分には 非常に感銘を受けました。
日本も第二次世界大戦での敗戦によってズタボロにされてしまったわけですが、7年間もGHQに占領され、教育内容やテレビやラジオでの放送内容が 米国の都合の良いように徹底的に変えられ、人々が自虐史観に染められてしまって、未だにそこから脱却ができていない ということが日本の不幸だと私は思っています。
もし当時の日本に 「日本版のプーチン」のような比類なき政治家が現れて、国民の思想から立て直してくれていれば、違ったかもしれませんが、もし仮に、戦後すぐの日本人の中に、彼のような政治家が現れていたとしても、米国のエージェントに暗殺されてしまっていたでしょう。(あの日本一発行部数が多い新聞社の創業者も米CIAのエージェントだったと言われています。)
ロシアはソ連崩壊後、またエリツィン時代に 外国勢力によってボロボロにはなったけど、アメリカやユダヤ勢力に国土の占領まではされなかったのに対し、日本は 本土は7年間、沖縄は27年間もの長きに渡り、米国に占領されてしまったわけです。
この違いが大きい。
日本は まだ真の独立国にはなっていない という意見を私は持っていますが、やはり真の独立国にならなければ、経済的にも、また軍事的にも、日本人による日本人のための、国益を追求した政策はできないのです。