ロシアのプーチン大統領がもう謝ったようですが、先日、イスラエルが ラブロフ外務大臣がイタリアのメディアに出演してヒトラーにユダヤ人の血が入っている可能性について言及したことで大激怒した というニュースがあります。

 

まずは イタリアのメディアで、英語で行われたラブロフ外務大臣の発言を取り上げてみます。↓

 

Adolf Hitler may have had some Jewish blood, and that the “most ardent” anti-Semites are Jews themselves.

ヒトラーにはいくらかユダヤ人の血がはいっていたかもしれない。そして”最も熱心な” 反ユダヤ主義者はユダヤ人彼ら自身である。

 

不用意な発言だったかもしれませんが、ラブロフ外務大臣の発言は「ヒトラーにユダヤ人の血が入っている。」と断定したのではなくて、「かもしれない」と言ったのです。

 

そして、イスラエルの新聞のJerusalem Post も 2019年8月に このような記事を発表しているのです。

Study suggests Adolf Hitler’s paternal grandfather was Jewish

 

以下、新聞記事を和訳してみます。

 

(和訳開始)

 

研究が示唆、アドルフ・ヒトラーの父方の祖父がユダヤ人

 

ヒトラーの右腕ハンス・フランクは、総統の祖父が実際にユダヤ人であったことを発見したと主張している。

アドルフ・ヒトラーの父方の祖父はユダヤ人だったのか?
この物議を醸す説は、歴史家たちの間で何十年にもわたって議論されてきた。この主張を立証する証拠がなかったため、多くの人が「(ユダヤ)民族」の一員ではなかったという意見で一致していた。
しかし、心理学者で医師のレナード・サックスによる研究が、ヒトラーの父親のルーツがユダヤ人であるという主張を裏付ける新たな光を放った。
Aus den Gemeinden von Burgenland "と題されたこの研究は、ヒトラーの父親の父親が ユダヤ人のルーツを持つという主張を裏付ける新たな光明をもたらした。

 

その研究の「アドルフ・ヒトラーの父方の祖父に関する問題の再検討」は、真実を発見したとされるヒトラーの弁護士ハンス・フランクの主張を検証するもので『Journal of European Studies』誌の最新号に掲載された。


ヒトラーは1930年、甥のウィリアム・パトリック・ヒトラーがヒトラーの祖父がユダヤ人であることを暴露する と脅した後、フランクにこの主張について調べるよう依頼した。

ニュルンベルク裁判で処刑された7年後に出版された1946年の回顧録で、「フランクは1930年にヒトラーの父方の祖父がユダヤ人で、ヒトラーの祖母が働いていたオーストリア・グラーツに住んでいたという証拠を発見したと主張している」そしてヒトラーの祖母マリア・アンナ・シックルグルーバーが妊娠したのは1836年だったとサックス氏は解説している。

フランクはヒトラーの要請に応じて調査を行い、ヒトラーの祖母であるマリア・アンナ・シックルグルーバーとグラーツに住むフランケンベルガーというユダヤ人との間に文通があることを発見したと回顧録に書いている」。フランクによれば、その手紙はフランケンベルガーの19歳の息子が、フランケンベルガー家で働いていたマリア・アンナを妊娠させたことをほのめかしていた。その隠し子にはフランケンベルガーが養育費を支払うこと を要求した状況で妊娠した。

サックスは、フランクの手記にある手紙によると、"フランケンベルガー・シニアは、幼児期から14歳の誕生日までその子を養うためにお金を送っていた "と研究書に書いています。
 

"フランクによれば、支払いの動機は慈善事業ではなく、当局が関与することへの懸念が主だった。"そのユダヤ人は裁判所の命令なしに支払ったが、それは裁判の結果やそれに関連した世間体を気にしたからだ。"と手紙には書かれている。

しかし、サックスは、フランクの主張と彼の手記の正確さには "疑問がある "と指摘した。
さらに、"現代の学問は、アドルフ・ヒトラーの祖父がユダヤ人である可能性に関するフランクの主張をほとんど否定している。"と付け加えた。

50年代には、ドイツの作家ニコラウス・フォン・プレラドヴィッチが「1856年以前にグラーツにユダヤ人はいなかった」ことを証明したと述べ、フランクの記述を否定した。
 

しかし、サックスは研究の中で、オーストリアの公文書館から1850年以前にオーストリアの町にユダヤ人社会があったという反対の証拠を見つけたと説明し、プレラドビッチがナチスのシンパで、"アドルフ・ヒトラーが「ヴィアテルジューデ(ユダヤ人のクオーター)」だと指摘されて気分を害していた "と強調したのである。

サックスの論文によると、"1850年以前にグラーツにユダヤ人の「小さな、今は定住したコミュニティ」が実際に存在した証拠が提示されている "という。
 

サックスはまた、1861年にウィーン市議会議員に選出されたエマニュエル・メンデル・バウムガルテンについても言及し、「その名誉を得た最初のユダヤ人の一人である」と述べている。

1884年、彼は『シュタイアーマルクのユダヤ人』という本を書きました。その中で彼は、「1856年9月、彼と数人のユダヤ人の同僚は、当時シュタイアーマルク州知事の地位にあったミヒャエル・グラーフ・フォン・ストラソルドに面会した」と述べています。
「バウムガルテンらはストラソルドにシュタイアーマルク州のユダヤ人居住制限を解除するよう請願した」とサックスは説明する。バウムガルテンは、"ユダヤ人が地方地区に長期滞在し、住居を構えている "ことを指摘したシュタイアーマルク州の地方市長宛の手紙を引用している。
サックスはさらに、グラーツのユダヤ人の公式登録は「この会議の後に開始されたようだ」と述べている。

したがって、1856年にグラーツにおけるユダヤ人の共同体登録が行われたことは、ニコラウス・フォン・プレラドヴィッチが想定したように、16グラーツにおけるユダヤ人共同体の設立の第一歩ではなく、すでに存在していた共同体を認知したものと思われます」と指摘している。

この研究に付随する声明によると、「サックスは、プレラドヴィッチがナチスのシンパであったという圧倒的な証拠を示している。
"サックスの論文は、現在のコンセンサスが嘘に基づいていることを示す "と書かれている。「プレラドビッチではなく、フランクが真実を語っていたのだ。アドルフ・ヒトラーの祖父はユダヤ人であった。
 

さらに、"プレラドビッチの推測を確認した独立した研究はない "と付け加えている。
 

(和訳終了)

 

要するに、ヒトラーにユダヤ人の血が入っているかどうか というのは 何十年も争われてきた論争であって、未だに結論が出ていないが、確たる証拠がない為に、それが公には否定されている。ということのようです。

 

イスラエルの新聞が「可能性」ということで、このように過去に報道したわけですから、ロシアのラブロフ外務大臣の「かもしれない」というのは ユダヤ人にとっては、不信感を持つ発言かもしれませんが、そう不適切極まりない というものでもないかと思います。

 

イスラエルにしてみれば、ユダヤ人大虐殺をやったような政治的指導者が ユダヤ人との混血のはずがない! と言いたいのでしょうけど、イスラエルは ラブロフ露外務大臣に激怒する前に、説明すべき自己矛盾を抱えていると私は思います。

 

1つはアゾフ連隊のようなネオナチを「ナチではない。一緒にしないでほしい。」とイスラエルは言っているようですが、彼らの身につけているもの、旗、どう見てもナチですよね。

 

 

 

 

 

ナチのシンボルに似たものが衣装等についているだけで、過去に日本のバンドなどもユダヤ人のロビイスト団体からクレーム付けられたりしていますが、日本のロックバンドは駄目なのに、アゾフならば、ナチスのシンボル付けてもOKなのでしょうか?

 

2つめの疑問、このアゾフ連隊に資金を出しているのがイスラエル国籍も持つユダヤ人、イーホル・コロモイスキー氏ですよね。

 

このアゾフ連隊は2014年にできた団体のようですから、ユダヤ人を殺していないとしても、この戦争が始まる前から、ウクライナでロシア人やロマ人を殺していたり、少なくとも、レイシスト団体であることは間違いないですよね。

そのレイシスト団体にイスラエル国籍も持つユダヤ人が資金を出している というその事実は コロモイスキー氏ご本人、またはウクライナ政府、またはイスラエル政府のいずれかから、説明があってしかるべきでは。

 

3つ目、イスラエルがパレスチナ人に対し行っている武力を使っての暴力的な入植地拡大 これは虐殺でもあり、レイシズムそのものですよね。

 

 

だから、今回のイスラエルの、ラブロフ露外務大臣への激しいお怒り、これは完全な自己矛盾を抱えてしまっている と私は思います。