緩和ケアというのは名前に難があります。
もちろん末期だと思われているという重大な誤解は一つあります。
しかしもう一つあるのです。
それは「症状緩和」=緩和ケアであると思われていること。
実は緩和ケアの働きは、症状がある人の症状を緩和するだけではないのです。
むしろ私が診療している人は無症状の人も多いのです。
では何をしているのか?
はい。それは・・・
「正しい意思決定支援」です。
医療においては、選択が今後を左右することがあります。
あまり正しくない選択をすることが、苦痛を増やしたり、あるいは命に影響してしまったりということがあるのです。
それを一人で為すのは大変です。
そしてこれまでの経験や情報から、気が付かずに「より危険な」選択に引き寄せられてしまっていることもあります。
正しい選択をすることができて、あるいはこれまで知らなかった治療を知ることができて、命が助かりました、そういう声はよく寄せられています。
そのような「より優れた」選択をするための支援が緩和ケアには含まれるのですが、必ずしもそれが知られているとは言い難いです。
なぜ症状もないのに、早期からの緩和ケアに定期的に通う意味があるのか?
症状もないし、早期からの緩和ケア外来に通う意味があるのか?そういう疑問もあるかもしれません。
それは有事の際に、このような支援が働き機能し、苦痛を遠ざけ、命を救うことにつながるからなのです。
緩和ケアは定義に「予防」とあります。それはこういうことを意味もしているのです。