約束の時間にオーナーはやってきた。


ジーンズにネルシャツ姿で使い捨てのボロ布にバケツとやる気満々状態でやってきた。


さっそくシンク下のパイプのつなぎ目を緩める。

外したパイプにたまっていた水がどっと落ちる。


取れたパイプを覗き、あれっ?という声を出すオーナー。


ここに何かが詰まってるというオーナーの予想が大きく外れた。

こことちゃうのか、とがっかりするオーナー。できれば、自分で修理をしたい人なのだ。修理費を出さないで済むのならそれにこしたことはない、というオーナーの考え。以前洗濯機がぶっ壊れた時も、自分で直せるのではないかと思っていたくらいだ。


これは、長引くコースかもしれん、と不安がよぎる。週末全部外食はきつい。安く上げようとアメリカンフードで腹を満たすと胃がもたれるし、間おいしい和食挟むと完全予算オーバー。頼む、何とか直してくれ、と切に願う。


オーナー苦笑いしながら、いったんパイプを戻してみようという。そりゃ、そうするしかないわな。先ほどの位置よりパイプを深めにはめ、少し上でとめた。


よし、水を流してみよう。

なんと、水が漏れない。オーナー、理由は分からないがなんとなくうまくいったという事実に、オレ、やったぜ、という表情を浮かべる。


そこからオーナー、そのほかのパイプも調べ始める。


パイプのうねりに手を添えて目を閉じながら、微々たる水滴を全身全霊で感じ取ろうとする。なんちゅう原始的な方法。


よし、どこも濡れてへん、と嬉しそうに言うオーナー。


もしかしたら、プラスティック製のパイプ自体が劣化してきてるんとちゃいますか?と聞く私にやや食い気味に、それはない。絶対それはないハズや、と言い切る。


劣化を認めると、シンク下のパイプ、総とっかえになるからして、住人にそれを要求されることを恐れたに違いない。


オーナー、勘ぐりすぎやで。あたしら日本人、そこまでグイグイ要求しませんがな。


こうして、パイプの劣化という限りなく正解に近い理由をもみ消しにし、何が理由だったのかもわからない、というぼんやりとした結論を支持し、我が家の水道は復活した。


私には、今よければそれでよし、の微笑みランドでの生活経験がある。このぼんやりした結論を主張し支持することに何の違和感もない。わたしもこれで良しとしたのである。






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アップおかげで和食にありつけた、今日。 ポチっとおおきに。