時節柄滅茶苦茶
気が立っている雄ガチョウに
恐ろしい目に遭わされた
我が家の客分スパニエル嬢。
身体的には特に怪我もなく
一安心ではあったのですが
精神的には相当の深手を
負ってしまったらしく、
室内に入ってよく見ると
顔つきが普段とは
変わってしまっていました。
言葉で説明するのは
難しいのですが・・・
まず目つきがおかしくて
目のふちに妙に力が入って
目玉がぎょろりとしつつ
目尻が吊り上がり気味で、
顔全体も上下にひきつれていて
元々長い顔がますます・・・
刺々しい細づくりに
なっているというか・・・
そんな顔をして時々突然
体を震わせるのですが、
窓越しにニワトリを見ての
武者震いとは異なり、こう・・・
脚の関節が硬いままに
ほとんど痙攣みたいな
震えが断続的に起きている。
名前を呼ぶと
こちらを見るものの
いつもの茶目っ気に満ちた
いたずらっ子風の表情はなく
口元も強張っている。
撫でても反応らしい反応はない。
あれっ、これはもしかすると
この子は今何かの拍子に
反射的に私の手とかを
噛んでしまうくらいの
精神状態かもしれない、
これは困ったどうしよう、と
静かに考えこんでおりましたら、
それまで少し離れたところから
こちらの様子をうかがっていた
わが愛犬アーシー
(黄色大犬30キロ)が突然
「うわう!」と大きく吠えまして。
その吠え声がやはり
私がこれまで
聞いたことのない声音で。
アーシーはあまり
無駄吠えをしない犬で、
吠えるのは敷地内に
見慣れぬ車が入って来た時や
自分が車に乗っている時に
他の犬とすれ違った時くらい。
そういう時の声は
大きいものの、
なんというか澄んでいる。
今回の声は妙に濁っていて
聞いていて不快というか・・・
音量自体は
多少控えめなんですが・・・
ただ不快な音ではあるものの
そこに敵意はない感じ。
そしてアーシーは
その奇妙な吠え声を
規則正しくあげながら
同時に頭を落として
前脚を伸ばして
子犬がよくやる
「さあ、遊ぼう!」の
姿勢を取る。
アーシーとスパニエル嬢は
以前はよくこうやって
お互いを遊びに誘っていたのですが
今回は滅多にそんなことはせず
「我々はもうお互い大人ですし」
みたいな態度だったんです。
それが突然のこの仔犬返り。
当初スパニエル嬢の反応は鈍く
ただじっとアーシーの奇態を
観察している様子で、
しかしアーシーはめげずに
ずっとその奇妙な吠え声と
子犬らしい仕草を繰り返し・・・
すると、ある一点で突然
スパニエル嬢の体が跳ね、
アーシーが頭を下げて
「遊ぼう!」の姿勢を取るのに
「よし、遊ぼう!」と
やはりこちらも頭を下げ、
次の瞬間2頭はすごい勢いで
取っ組み合いごっこを開始。
体の出来上がった成犬2匹が
恐れ知らずの仔犬のような
はしゃぎまわりぶり。
屋内小型台風発生、
みたいな・・・
家が・・・
壊れるかと思いました・・・
呆然なすすべもなく
立ちすくんでいた私でしたが
犬2匹が暴れまわっていたのは
時間にすれば
1分ちょっとくらい
だったでしょうか、
やはりそこは成犬、
「はーい、お遊び終了でーす」と
すぱっと狼藉を止め、見ると
スパニエル嬢の顔つきは
いつものそれに戻っていました。
・・・われらがアーシーは・・・
もしかすると生まれついての
心理療法犬なのかもしれないです・・・
あれですよね、これは
『ストレス・リリーフ』ですよね?
最初の吠え声が
妙に不快だったのも
強制的に反応を
引き出すための作戦・・・?
ともあれ以来スパニエル嬢は
ガチョウ小屋から常に
距離をとる犬となっています。
犬も人も経験から学ぶのは
大事なのでございます。
スパニエル嬢が
普段の状態に戻ったら
それ以上の干渉はせず
さらっといつも通りの
距離をとり始めたあたりも
プロの心理療法士っぽくて
飼い主である私は
惚れ惚れしました
今回少し私の欲目も
入っているかもしれません
えへへ
でも記述に嘘はなし、
なんでございますよ
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