トランプ氏の関税戦略を

身近な事象に落とし込んで

理解しようと努める

わが夫(英国人)が

「・・・世界は米国がカナダに

侵攻したらどうなるか、を

考え始めなくては

いけないかもしれませんね。

英国および欧州の

NATO加盟国は

有事の際にカナダを

軍事支援する気概を

本当に持っているのでしょうか」

 

「いやそれは流石に

心配し過ぎじゃないか?

いくらなんでも

カナダ侵略はないだろう」

 

「でもそれを言ったら

つい数か月前まで我々は

ウクライナ問題で

アメリカがあそこまで

ロシア寄りの姿勢を示すとは

考えていませんでしたし、

トランプ大統領が本気で

こんな関税案を通すとは

思っていなかったじゃないですか」

 

さて賢者は歴史に学び

愚者は経験に学ぶと申しますが

最近のトランプ政権を見ていて

愚かな私が思い出すのは

一時期の某宗教団体です。

 

私は政治家とその支持者を

「カルト宗教っぽい」と

批判するのは

好きじゃないんですが

(なんかその一言で自分が

思考停止してしまう気がして)、

たとえばトランプ政権は

「日本は米国産のコメに

700%の関税をかけている」と

主張しているじゃないですか。

 

私はこの数字は

間違っていると思うし

日本側の政治家も報道も

「その計算はどこから来た」と

疑問を呈し

否定しているじゃないですか。

 

でもその声は

トランプ政権には届いていても

トランプ氏の支持層には

ちょっと届いていないですよね。

 

こうした問題は対日本だけで

起きているわけではなく、

米国のバンス副大統領は

先月ウクライナ問題で、

ロシアとウクライナの

和平合意の一環として

英仏が地上部隊を派遣する

意向であることを踏まえた上で

「(ウクライナが将来的に

米国に経済的利益を与える、

という米国案のほうが)

30年とか40年

戦争をしていない

どっかの国の2万人の軍隊より

はるかに良い安全保障だ」と

宣(のたま)いまして・・・

 

それがいいことか悪いことかの

議論はさておき、英仏軍は

過去40年間、世界各地で

軍事行動を展開しています。

 

怪我人だって

死者だって出ているし、

なんだったら米軍と

ともに戦場で戦っている。

 

バンス副大統領のこの発言は

そうした人々に対する

侮辱ではないか、と

英仏側は一気に噴き上がり

バンス氏は慌てて

「僕は英軍とも仏軍とも

申しておりません!」と

火消しに走ったのですが

・・・英仏の軍関係者および

一般市民がこの件でかなり

感情を害していることを

米国市民はどれだけ

認識しているのか。

 

先日のトランプ氏の演説

私が怖くなったのは

トランプ氏がアメリカを

『被害者』の位置に

置こうとしている点でした。

 

「我々が、米国が、

他国に食い物にされているんだよ、

我々は攻撃されているんだよ」と

いう前提に立っての関税発動。

 

動揺する世界を見て

「これでやっと多くの人に

米国の痛みが伝わった、

我々が犠牲者であることが

ようやく理解された」と

喜んでいる

米国の現政権支持者は

結構な数存在すると思います。

 

そうした人たちは素直に

「だって日本は友好国なのに

我々に700%関税を

課していたし、英仏は

我々にばかり血を流させて

自分たちの軍は温存してきた」と

信じているのだと思う。

 

 

カルト宗教の手口の一つとして

「自分たちは弾圧される

被害者である」と信者に

信じさせる、というものが

あると聞きます。

 

外部の人間は『我々』を

攻撃してくる敵、だから

我々は身を護らねばならない。

 

オウム真理教は

選挙で大敗を喫した後

「これは不正選挙だ」と

外部への不信と敵意を募らせ

後のサリン事件につながった、

でも当時のオウム信者に

「君たちの信じていることは

正しい情報に基づいていないよ」

といっても聞いてもらえなかった、

むしろ「ほら、外部の人は

嘘を信じている、我々だけが

正しい真実を知っている」と

あっち側の結束を

強めさえしてしまった。

 

そういえばトランプ大統領は

最近『フェイクニュース』という

言葉を使わなくなりましたね・・・

 

それでまたオウムにしても

何にしても外部の安全なところから

「彼らが言っていることは

支離滅裂だが指導者のあの

カリスマ性はすごい」とか

言い放っちゃう人も出る。

 

オウム真理教の手元にあった

『使える武器』は

サリンだけでしたが米国は・・・

 

ともあれ己を被害者として

周囲を攻撃するのは

精神的に楽なものです。

 

今後米国が何をするにしても

その根本にあるのは

「我々は被害者である」という

主張であると考えます。

 

でも自称被害者に

「いやそれは違う」というと

相手の被害者意識は

ますます高まる。

 

我々はどうすべきか。

 

前もって考えておくのは

悪い手ではないと思います。

 

 

日本在住のわが友人の一部は

ウクライナ戦争を完全に

対岸の火事ととらえていて、

まあ確かに朝鮮有事とか

欧州にしてみたら

『世界の果てのいざこざ』

だしなあ、とも思い、

地理的距離って

『わがごと・他人事』感に

多分に影響しますよね

 

あとウクライナ侵攻時に

英国が俊敏に反応したのは

過去の大戦の諸々がまだ

『歴史』になって

いなかったからかとも思います

 

いや、逆にそこら辺を

『現代史』としてがっつり

学んでいたからこその成果か?

 

ここで対応を間違えたら

第二次大戦と

同じことが起きちゃうぞ、

この時のために我々は

学校で歴史を

学んだんじゃないか、という

 

我々日本人は・・・

 

最近の義務教育課程では

また違うのかもしれませんけど

私の頃は高校の歴史の授業でも

『第二次大戦』はなんか

「まあまあそれは」な

腫物扱いだった記憶があります

 

私はあれ、

危ないと思っています

 

さてそれで

トランプ大統領の

ウクライナ・ロシアへの対応を見て

ちょっとちょっとこの方は

あそこらへんの歴史から

何も学んでいないのか、と

当初私は愕然としたのですが

・・・これ、学んだうえでの

選択だったらどうしましょう

 

ほら、米国大戦景気って

あったじゃないですか、

まさかあれを狙っている・・・?

 

米国内においては

第二次世界大戦は

『よい戦争』という認識、

という話も聞いたことがあるし・・・

 

でも世の中そんな風には

うまくいかないものだと思う、

それこそそんなのは

歴史の本を少し読んだら

『二匹目のドジョウは

たいてい逃げるか

予期せぬ動きで

噛みついてくる』

みたいな事例がたんと

出てくるじゃないですか

 

愚者の自覚を持ちつつも

可能な限り歴史および

経験から何事かを学びたいと

強く思う近頃の私です

 

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