わが前庭の鶏劇場。

 

集団を率いる

ウェルサマー雄鶏

(通称『ルイ』)と

その息子の若雄鶏

(通称『王子殿下』)を

ここからどうすべきか

(雄鶏2羽は騒乱の元)に

頭を悩ませつつ

わが夫(英国人)は

「それはそれ、これはこれ、で

僕は雌鶏をもう2羽ほど

手に入れたいんです」

 

ウェルサマー種雌鶏を

もう1羽と、抱卵の得意な

雌鶏をもう1羽手に入れて

この夏はウェルサマー種の

繁殖に取り組みたいのだそうな。

 

こと家禽に関しては

わが夫は割と夢見がちというか、

でもまあ配偶者の趣味には

寛容でありたいところ。

 

夫の好きなようにするがいい、

と達観を決め込んでおりましたら

「雌鶏を売りたいという人と

連絡がつきました、

受け取りに行きましょう」

 

購入が決定したのは

ウェルサマー種雌鶏と

クレムレグバー種雌鶏と

コッパーミラン種雌鶏の

3羽だそうで・・・3羽?

 

「購入希望数は2羽って

話じゃなかったか?」

 

「クレムレグバーは

きれいな青いたまごを

産みますし、

コッパーミラン種の

たまごも色が濃くて

きれいって話ですし・・・」

 

まあ配偶者の

趣味には(以下略)。

 

そんなわけで新顔雌鶏

3羽がこの冬

我が家にやってきました。

 

去年の夏生まれって

話だったのですが

3羽とも

妙に貫禄があるというか

揃って体格のいい子達で、

病気などが怖いので

しばらくは他の鶏には

接触させず、まあこれは

大丈夫か、となったところで

はい、今まで我が家にいた

鶏たちとご対面です。

 

 

しかし新顔3羽のうち2羽は

照れ屋というか怖がりというかで

小屋の戸を開けても

しばらくは外に出ようとはせず、

その一方で残る1羽の

コッパーメラン種雌鶏嬢は

堂々とした足取りで

我が前庭に登場。

 

 

「なんか・・・この雌鶏、

自信満々というか・・・

すでに風格があるな」

 

迎えに出てきたのは

我が家の雄鶏2羽と

サセックス種雌鶏

(通称『9号』)と

ウェルサマー種雌鶏

(通称『ウェリー』)。

 

見知らぬ雌鶏の登場に

足を止め動きを止め、

それは雌鶏側も同じことで

わが前庭の芝生の上には突然

彫像芸に挑む5羽の鶏が出現。

 

 

もうお互いぴたりと動きを止めて

じっと相手の出方を伺う感じ。

 

人間の感覚からして

30秒ほど経ったところで

鶏たちはまた体を動かし始め、

新顔コッパーメラン嬢は

まず隣にいた9号と軽く挨拶。

 

 

それから雄鶏2羽を見て

明らかに品定めを開始。

 

 

つまり「どちらの雄鶏が

この場の支配者で

いらっしゃるのかしら?」的な・・・

 

「・・・この雌鶏、いわゆる

悪女の素質がありますね」と

わが夫が呟くくらいに

それはもう見事な所作で・・・

 

「わたくしは最高位の殿方と

お近づきになりとうございます」

という雌鶏の意思表示に

ここで気づいたらしい雄鶏2羽は

双方がさりげなく胸を膨らませ

『強く美しい雄鶏』の姿をとり

・・・そんな雄鶏2羽の後ろで

じっと控えるウェリー夫人。

 

緊張する場の空気。

 

「・・・これ、もしかして

とうとう雄鶏2羽が

血を血で洗う喧嘩を

開始しちゃいますかね」と

わが夫は慌てていましたが、

私はこの緊張の源を

夫よりも正しく

把握しておりました。

 

「いや、夫よ、

喧嘩をするなら

これは雌鶏同士だ」

 

次の瞬間、

古参雌鶏ウェリー嬢と

新顔悪女コッパー嬢が

芝を蹴って宙に舞い

空中戦を開始。

 

 

つまり「うちの陛下に

馴れ馴れしいぞよ小娘」対

「引っ込んでなババア」。

 

・・・このウェリー嬢は

我が家のこれまでの

雌鶏序列では最下位で、

他の雄鶏に対しても

雌鶏に対しても

常に腰が低く控えめで

喧嘩なんてしたことがない

箱入り雌鶏だった

はずなのですが・・・

 

体格的に一回り大きい

コッパー嬢にまったく怯まず

見事な互角の戦いを披露。

 

途中で雄鶏陛下が

喧嘩の仲裁を目指すも

「女同士の揉め事に

口出しはご無用!」とばかりに

ぴしゃりと締め出され、

 

 

これは対面早々本当に

血が流れてしまうか、と

私が心配を始めたところで

決闘の場に文字通り

鼻を突っ込んだのが

わが愛犬アーシー(黄色雌犬)。

 

 

「なんかわからないけど

皆さん大盛り上がりー!

私のことも混ぜて混ぜてー!

それでこれ何のパーティー?」

 

ありがとうアーシー、

君のおかげで

流血の事態は

避けられたよ・・・!

 

 

そんなわけで我が家に

新顔雌鶏が

参入したのでございます。

 

 

喧嘩がお得意なあなたも

仲裁には自信のあるアナタも

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