ここ数日間、英国は

新生児7人殺害事件に関する

報道が熱を帯びています。

 

事件は2015年から

2016年にかけて起き、

容疑者が逮捕されたのが

2018年、そしてこのたび

被告に有罪判決が下り

『仮釈放のない終身刑』が

言い渡されました。

 

犯人の名はルーシー・

レトビー、元看護師。

 

BBCの日本語記事はこちら

 

殺人は犯人が務める

英国中部チェスターの病院の

新生児病棟で行われました。

 

この元看護師が、

なんというか一見

『とてもいい看護師』風で

あることや(ルッキズムと

言われたらそれまでですが、

美人とかそういうことじゃなく

患者に安心感を与える

有能そうな見た目なんです)、

被害者がすべて

新生児であったこと、

殺害した7人の赤ちゃんの他に

6人の赤ちゃんも

彼女に襲われていたことから、

まさに社会は

慄(おのの)いている感じです。

 

被害者の遺族の発言とか

読んでいるだけで辛いですし、

新生児病棟にいる赤ちゃんなんて

もうこれ以上ないくらい

無防備で庇護を必要としている

存在を看護師が加害するとか

ちょっと言葉がない。

 

さてレトビー元看護師に

課せられたのは

死刑のない英国では

最も重い刑事罰なのですが、

この量刑言い渡しの日に

被告が裁判所に

出廷しなかったことが

現在問題になっています。

 

現行の法律では

被告人は量刑言い渡しに

出廷しなくても

許されるのだそうです。

 

これを今後は

義務化すべきでは、という声が

あがっております。

 

同時に今熱く

議論されているのが、

今回の殺人事件のうち

最初の何件かが起きた時点で、

犯人の働いていた

病院の同僚たちは

「何かが変だ」と

気が付いていたんですよ。

 

新生児の容態が急変する時、

必ずルーシーが勤務している。

 

一番最初の事件が起きたのが

2015年の6月で、

その同じ年の10月の時点で

医師の一人は疑いを

抱き始めたと言っているのです。

 

で、この医師はその疑惑を

ちゃんと『上の人』に報告している。

 

他の人たちも異常に気付き、

上層部に声をあげている。

 

「警察に連絡しましょう」

まで言っている。

 

しかしそう言われて

病院はどうしたか。

 

何もしなかったのです。

 

それどころか勇気ある告発者に

「もう黙れ」的態度を取り、

そんな告発をして

申し訳なかった、と

ルーシーに謝罪するよう求め、

おかげさまでルーシーは

その後も新生児病棟で

看護師として働き

さらに多くの新生児を

死に至らしめた。

 

最終的に警察が事件に介入し

ルーシーは逮捕されるのですが、

彼女に対する最初の疑念の声が

あげられてから3年間が

その時点で経過していました。

 

組織というのは基本的に

内部告発をした側とされた側では

『された側』を

かばいがちなものですが、

そもそも同僚を告発するのって

とても勇気が

いることじゃないですか。

 

自分と同じ部署で働く

いつも笑顔のあの人が

資金を横領していたとか

取引相手にハラスメントを

かましていたとか

ケチな軽犯罪に

手を染めていたとか、

上司・あるいは人事に

その旨告げるのって

なかなかに

思い切りが必要ですよ。

 

事が大きければ大きい程

「あとあと恨まれそうだし、

恨まれたら怖そうだから

見なかった振りをしよう」と

なりがちなところ、今回の

告発内容は『新生児殺し』。

 

まず信じたくないし、

逆恨みの恐怖度が桁違いだし、

万一自分の勘違いだったら

それこそ名誉棄損でこちらが

訴えられる可能性があるくらい

大きな話だし、それでも

義を見てせざるは勇無きなり、で

必死になって声を上げたら

「警察には言うな、

病院を破滅させる気か。

もう黙れ。黙る前に相手に謝れ」

 

病院上層部は警察の捜査を

受けるべきでは、という声が

現在上がっております。

 

これ、殺人のほう助の罪に

問われてもいいくらいですよね。

 

せめて即座に警察に

連絡を入れておけば・・・

 

なお元看護師は一貫して

罪を否認しております。

 

暗い事件です。

 

 

 

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