去りゆく夏の

後姿を見ながら

怖い話を一つ。

 

あれは本年

初夏のことでした・・・

 

朝、とある部屋の

ドアを開けましたら

朝日の差し込む

カーペット張りの床の上に

何かこう小さく丸まっちい

フワフワしたものが・・・

 

一瞬どこかから巨大な

埃のかたまりでも

落ちて来たのかと

思ったのですが

(この家はそれくらいの

ことは『起きる』家です)

それにしては造形から

妙な可愛らしさを感じる、と

そばに寄ってよく見てみたら

これが奥さん!

 

ネズミで!

 

よかった、埃と思って

足で払いのけたりしなくて

本当に良かった・・・

 

でもまあ私は室内で

野良ネズミを飼育する

趣味はないので

園芸手袋を用意して

ネズミを屋外へ移動。

 

 

「・・・それにしても

人の姿を見て逃げ出さない

ネズミってのも何なんだ」

 

私の言葉にわが夫(英国人)は

「生まれたばかりのネズミで

そこらへんの常識が

まだ身について

いなかったんですかね?」

 

「でもそれにしては

ちゃんと体は大きかったぞ」

 

「うーん、病身ネズミ

だったんですかねえ」

 

 

「病気ってのは嫌だな、

私は手袋ごしとはいえ

触ってしまったからな」

 

でもまあ犬がネズミを

舐めたり齧ったり

呑み込んだり

しないでよかった、と

胸を撫でおろしたその翌々日。

 

今度はお風呂場(我が家に

お風呂場は二つあり、

そのうちのいつも使って

いないほうのお風呂場)の

床でネズミが一匹

絶命しているのを

発見しちゃって・・・

 

 

これはいよいよ

疫病説が有力・・・?

 

またこういう時に限って

私がデフォー作『ペスト』とか

読んじゃっていて・・・!

 

 

 

本は面白かったです

 

ともあれそんな

恐怖のネズミ出現から

このたび無事に

3か月が経過しまして

どうやら我が家から

怪しい奇病

発生してはいないようですし

あれは不運なネズミが

ただ相次いで屋内で

命を落としただけ、

というふうに

我々は理解しております。

 

しかし何故あんな連続で。

 

でもここは

こういう家なのです・・・!

 

 

むしろ昨今怪奇現象の

発生率が落ち気味だったことが

よく考えたらおかしいのです

 

化け物屋敷の化け物生活に

すっかり順応してしまった

可哀そうな元都会っ子に

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