英国運河を船で行く
極上のリラクゼーション旅行、
それがナローボート・・・
そう信じていらっしゃる
あなたに伝えたい
ナローボートの真実その1。
あれはね・・・
操船に力が要りますよ・・・!
この場合の『力』は
技術とか頭脳とかの比喩ではなく
『腕力』とか『馬力』みたいな・・・
ほら、ナローボートって
横幅は狭いんですけど
縦幅、全長は結構長いんですよ。
だから風向きによっては
船が簡単に
風に負けてしまうんです。
そしてそういう強風に
対抗できるほど
そもそもエンジンは強くなく、
勿論ベテラン総舵手ならば
そうした際の切り抜け術を
いくつも隠し持って
いるのかもしれませんが、
またナローボートを
個人所有している方なら
「風の強い日は船を動かさない」
という究極的に贅沢な選択を
とることも可能なのですが、
やっぱり期限が1週間だと
動かせるときは
船を動かしたいのが
我々凡人の
切なる希望じゃないですか。
また風がそれほど強くなくても
一部の運河はかなり水路幅が狭く、
いや勿論そうした狭さに
対応するためのナローボートの
幅の狭さではあるんですが。
場所によってはもう明らかに
「素人がここを舵だけで
進むのは難しいです!」みたいな
運河設計なんですよ。
または「水路幅はありますけど
あっちに他のボートが
停船しているので
こっちの運河縁ギリギリで
船を動かさないと
接触しちゃいます!」的な
事態も起きる時は起きるのです。
ではそういう時どうするか。
舵を取っていない人間が
船から陸に降りて、
もやい綱を引いて
船を先導するんです・・・!
いやこれ冗談じゃありませんから。
それでナローボートの
重さというのは一説によると
長さ1メートルあたり
1トンあるらしく、
でもそれだけ重い物体でも
水の上に浮いていると
最初の勢いさえつければ
人力で動かせるんですから
物理の世界は
謎に満ちているのです。
それでほら・・・
我々の船の乗船者は
『このたび引退します』な夫婦と
『そろそろ引退しても
いい年です』な夫婦と
『・・・まだ現役です』な夫婦の3組、
合計6人なわけでしょう?
するとやっぱりこういう
力の必要な・・・船と陸の間を
ひょいひょい移動する
小回りが求められる役目は
どうしたって私と夫の仕事に・・・
いや、それはそれで
楽しいんですけどね!
わが両親も義両親も
2、3回、いや、1、2回は
もやい綱を引いて
「きゃー!やっぱり結構重い!」
「でも引っ張れば動くもんだね!」
とか嬉しそうな声を
上げていましたけどね?
万が一そのまま綱に引っ張られて
60過ぎの人間が運河にドボンとか
想像するだけで怖いじゃないですか!
だから私はかつてなく
機敏にそこらを駆け回り
船を必要ならば押し、
必要ならば曳き・・・
でもそんな、動いている船に
飛び移ったりそこから飛び降りたり、
綱を引っ張ったり船べりを押したり、
それって危なくないですか?と
不安になったそこのアナタ、
ええ、船のそばで迂闊に
歩き回るのは危ないですよ!
一番怖いのは動いている船の
そばに落ちてしまうことで、
落ちた人間がそこから
抜け出せないでいるところに
船がすーっと近づいてきた場合、
生身の人間対鉄の塊では
人間側に勝ち目があるはずもなく、
運河の縁にきゅっと押し付けられて
はいサヨウナラ、という・・・
ええ、私は一度水に落ちました。
それも運河の縁に向かって
斜めに前進している
ナローボートの真横に。
つまり疑いの余地なく
『運河の縁できゅっ』コース。
水深は浅くて水に浸かったのは
腿から下、くらいの
感じだったのですが
・・・私はあの瞬間、自分が
なんのかんので自分の脚を
すごく好きだったことを実感しました。
そんな大事な脚2本が
腿のところで『きゅっ』となる直前、
私はいつの間にか私の背後にいた
義父(白色シュレック)によって
ずぽっと水から引き上げられました。
大きなカブを抜く時の要領で。
あの時の私は絶対に
総重量60キロ以上は
あったはずなのですが
流石普段から子牛を抱えて
草原を疾駆している方は違う・・・!
そんなわけで
ナローボートを借り上げて
運河を行きたいあなたに一言、
悪いことは言いませんから
その時はひとりかふたり
小回りの利く力持ちを
同行したほうがいいですよ!
衷心からの助言でございます。
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田舎だから
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