そんなわけで
千葉におきましては
土地の皆様に非常に
親切にしていただいた我々です。
まあ基本的に日本はどこでも
人が優しいな、とは思うのですが
そして英国人だって実のところ
かなり親切は親切なんですが、
何かしら、千葉の皆様は
心の温かさにプラスして
人懐っこさみたいなものを
お持ちでいらっしゃるというか。
奥養老に行った際も
我々は最初軽く車で滝を見て回って
終わらせるだけの予定でいたのが
道を尋ねた農産物直売所の奥さんに
「滝はね、今日は足元が悪いわよ」
「奥養老のほうにも見どころはあって
・・・今、写真を見せてあげるわね」
「こう行ってここに車を停めて・・・
ハイキングコースもあるの、
割と歩きやすいの、あら興味ある?
じゃああっちの地図で説明を・・・」
みたいな感じにすっかり柔らかく丸め込まれ
気がつけば半日ハイキングと相成り。
「あ、ハイキングをするならね、トイレ、
今のうちにここのを使っちゃいなさい。
それでね、出かける前に、ここの裏にも
素敵な水のトンネルがあるから、
それを見てから出かけるといいわよ、
すぐだから、もうそこだから、ね、見ていって!」
思い返してみれば私はあの日
朝の一番にわが夫に
「今日は奥養老に行くが間違っても
長距離散歩ができるとは考えるなよ。
冬だし寒いし天気も悪いし、
さっさと車の窓から川を見て撤収だ」
とか宣言していたはずなのに
あの奥さんにすっかり毒気を抜かれたというか。
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なお散歩の途中で道に迷って
無人のバンガロー村なんかに
足を踏み入れちゃったのは
「どうせですから探検しましょ」とか
言い出したわが夫の責任なんですが、
その前に我々は出世観音様でも
道を尋ねておりまして、そしてそこでも
何かこちらが申し訳なくなるくらい
朗らかかつ丁寧に対応されておりまして。
「お土産屋さんにしろ寺務所にしろ
道案内は通常業務の外の仕事だし、
また場所柄あの人たちは
毎日毎日同じような道ばかり
尋ねられているんだろうから
つい応対がぶっきらぼうになっても
全然おかしくないところ、なんか本当・・・
そりゃそういうのもああいう人たちの
サービスのうち、修行のうち、とは
言えるのかもしれないけどさ、
でもこういう人の優しさの存在は
社会の強みというか何というかだよな」
「それより妻ちゃん、今のお寺、
寺務所の中に猫がいましたよ!
きれいなお利口そうな猫でしたよ!
あれはお寺の猫ですかねえ?」
こんなことを言っている夫ではありますが
この日の素敵な遠足はすべて
あの直売所の奥さんのおかげ、ということは
しっかりわかっていたらしく
「帰り道にまたあそこに寄りましょう。
あの奥さんにお礼を言って、で、あのお店、
うどんなんかも売っていましたよね?
あれを食べて地元経済に貢献しましょう」
しかし残念ながら我々が
直売所にたどり着いた時には
すでにうどんの販売は終了しており。
奥養老にお出かけの皆様、
その際は我々のぶんも
あそこのうどんをお楽しみください。
いい匂いがね、していましたよ!
そうですか、うどん、終了ですか、と
肩を落とす我々に
たまたま立ち寄っていたらしい
近所の農家系紳士が
心配そうに近づいてきて
お店の奥さんから話を聞くと
「ここから1キロくらい行った先に
うどん屋さんあるから!今ならまだ
お昼営業しているはずだから!
車ならすぐだから、行きな行きな!」
・・・お薦めうどん屋さんは定休日でした
ともあれ養老渓谷、いいですよ
あそこらへんには何度も行ったけど
特に面白い場所はないね、くらいの
舐めた発言をしていた
わが父(イメージ武将:石田光成)は
我々の撮った写真を見て
「・・・えっ!こんな場所があるの?
これ、どこ?え、あそこにそんな道が?
・・・これ、面白かったろ?へえー、そう、
地元の人に道を聞いて・・・そう・・・
お父さんもあそこらへんには
何度も行ったんだけどね・・・」
やーいやーい
養老渓谷は歩くべし
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