さて、昨日の記事で名前を出しました
ダンケルド(Dunkeld)の町には
有名な聖堂がございます。
一部は倒壊していて現在補修中、
しかし教会部分は今も使用されていて、
礼拝室の隣にある小部屋には
町の歴史などが展示されておりまして、
そこで私見知らぬ女性に話しかけられ
「この小部屋の下にはね、棺があるのよ」
「・・・パードゥン?」
「貴方が今立っているその床の下には
棺、死者の眠る箱が置かれているのよ」
私はてっきり自分が気付かないうちに
立ち入り禁止区域に入り込んでしまったのかと
「えっ!すみません、気づきませんでした、
この部屋からすぐに出たほうがいいですか?」
「違うわ違う、そうじゃないのよ、ほら、
そこに床の隙間を埋めた跡があるでしょ。
昔、教会に貢献をした人が亡くなった時に
そこに棺を納めたのよ。数年前に
中の様子が調査されたんだけど、
床石の継ぎ目を剥して地下に降りたら、
棺はすごくいい状態で残っていたんですって」
で、この女性が私に
何を伝えたかったのかと申しますと、
その棺が何故長いあいだ腐食せずに
地下の空間に存在できたのか、という点で
「棺のそばにね、溶けたロウソクがあってね、
つまり昔の人は棺をそこに収めるために
床石を上げるでしょ?棺を下ろすでしょ?
そしてまた床石をはめる時に、中で
ロウソクを焚いたのよ。するとロウソクは
酸素がある間は燃え続け、酸素が
なくなったら消えるわね、そうやって
無酸素状態を作り出し、その結果
微生物の増加が抑えられて
棺はいい状態で残ることになったのよ」
「・・・それは素晴らしい技術・着眼点ですね!」
「そうなの、私はこんなときいつも思うの、
昔の人には知恵があったって。
今は生活がすっかり便利になっているけど、
でもこんなロウソクの使い方ひとつにしても
昔の人のほうが
私たちより色々知っていたわよね」
「本当ですね、いや、勉強になりました。
興味深いお話、ありがとうございました」
「オホホ、いいのよ、ところで貴方は
どちらからいらしたの?この町に」
ここでいつの間にか私の隣に立っていた夫が
「スコットランドからです」
「・・・えっ?地元民なの?」
「この町には住んでいませんけど、
まあ今日は日帰りドライブという感じで・・・」
夫よ、この奥様が
望んでいる答えはそうじゃないだろ!
「とはいえ私は元々は日本から参りました。
日本人です。極東出身です。スコットランド、
とても遠いデース(効果を考えつい片言に)」
「あら、そんな遠くからいらした方に
この教会を見ていただけてとても嬉しいわ!」
というわけで、ダンケルドの町には
異邦人へのおもてなし精神に満ちた方々も
森や大聖堂とともに存在しているのでございます。
いいところです。
夏のドライブ旅行に、ぜひ。
ダンケルドの町の川沿いには
フリーメイソン支部がありました
同行したポーランド淑女が
「・・・うちの国ではフリーメイソンは
『秘密結社』であることが売りなんだけど
スコットランドでは
堂々と表札が出ているのねえ」
そんな貴方にはロンドンにある
フリーメイソン本部観光、お薦めです
スコットランドに行く時間はないけれど
ロンドンならば少しは、という貴方、
是非一度あの建物内の白々とした明るさと
「フリーメイソンへ、ようこそっ!」
みたいな関係者の愉快なノリをお楽しみください
なんで美しきダンケルド観光情報のオチが
楽しいフリーメイソン紹介ネタになっちゃうのか
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