かつて我が家の台所は
煙草臭と獣臭の悪臭二重奏を奏でる
まさに魔窟と言えました。
地道な清掃を続けたおかげか
まあその後はそれなりに
台所的匂いがするというか、
とりあえず煙草のにおいと
獣のにおいは遠くなりました。
が、時々、大雨の日の翌日など、
室内に嫌な臭気がこもってしまう・・・
古い水の臭い、というのでしょうか。
前の晩に余った白いご飯に
ラップをかけるのを忘れて
棚に1日入れちゃうと
お米がその臭いを吸ってしまって
なんかもう絶望的な味になってしまう、という。
そんな状態になったお米を見て
わが夫(英国人)は迷うことなく
「これはもう捨てましょう」と言いました・・・
でも私は捨てられなかった・・・
だってそれは異臭を放つとはいえ
お米なんですもの、白米なんですもの、
ええ、食べました、
ひどい臭いでした、でも食べました・・・!
閑話休題。
そうした古い水の臭いが
特に集まった一角が台所にはありまして、
ちょうどそこに使いでの良さそうな引き出しが
作り付けの状態で存在してはいたのですが
「ちょっとこの引き出しは使いたくないな。
食器や食べ物にこの臭いが移っちゃったら嫌だし。
なんかここは雨の降っていない晴れの日でも
下水の臭いがするんだよね、何なんだろう」
そんなわけで我が家の台所には
開かずの引き出しが存在していたのです・・・!
ここが『存在していた』と
過去形なのには理由があります。
先日、特に理由もきっかけもなく、突然夫が
「台所のあの謎の悪臭の元をたどりましょう」
「・・・えっ?どうやって?」
「一番怖いのは台所の下、
この建物の基礎部分に水が溜まって
そこから臭いがあがってきている、
という可能性です。万が一にも
そんなことになっていたら
早急に手を打たないといけないので、
とりあえず現状を勇気をもって確認しましょう」
工具を持って台所に乗り込む夫、
その背中を見送る私、
数分後、台所から聞こえてくる
打撃音と摩擦音、そして
「・・・妻ちゃーん、ちょっと君、
『怖いもの』が見たくないですかー?」
何その能天気な声。
しかし私は知っている、
わが夫がこういう声を出す時、
それは彼が本当に恐ろしいものを
見てしまった時であることを。
台所に足を踏み入れた私が見たものは
シンクの下の棚の一番下の部分
(棚と床がくっついているところの板)が
引き剥された情景と、その前で
床に横たわる夫の姿でありました。
「・・・怖いもの、とは何かね?」
「ちょっと僕の隣に横たわってみてください、
そしてこの棚の下に存在した空間を見てください、
僕は以前言ったでしょう?この国の大工さんは
作業で出たゴミや瓦礫なんかをすべて
作り付けの棚の下に押し込んで
そこをふさいで涼しい顔で仕事を終える、と。
君はその時僕の言葉を信じませんでしたね?
でもここにその証拠があります、ご覧じろ」
おわかりいただけるだろうか・・・
堆積物を検分するに、たぶんこの台所で
最後に作業をした大工さんは
配管などから漏れた水を
キッチンペーパー的な紙で拭いて
それを丸めて瓦礫の間に押し込んで
「はい、作業完了です!」
ってやりやがられたのだと思われる・・・
「・・・よくわからないんだけど、
日本だと大工さんはその場合
瓦礫もゴミも持ち返ると思うんですが」
「理想を言えばこの国でも
それはそうであるべきです」
夫曰く、発見されたゴミの中に
『食べ残しのサンドイッチ』的なものが
なかっただけでもこれは僥倖であるらしく。
「こ、この国にはゴから名前の始まる
凶悪な虫が存在しないからな!
だから水回りの処理が
ちょっと緩くなりがちなところはあるよね!」
「そういう問題ではもはやない、と
僕は思いますけどね」
「でもあれかな!
異臭の原因はこれだったのかな!」
「いえ、こうやって見る限り、ここらの
床部分はそれほど湿っていません。
問題の引き出しを取り外し
その裏側を点検したいと思います」
台所をめぐる冒険話、続く。
それとも私がこれまで気付かなかっただけで
日本の大工さんも実はこんな感じなのかしら
でも日本で食べ残しを棚の下に隠したら
すぐに虫が大繁殖して事が露見すると思うの
どうなのかしら
虫がお得意な貴方も不得意な貴方も
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煙草臭と獣臭の悪臭二重奏を奏でる
まさに魔窟と言えました。
地道な清掃を続けたおかげか
まあその後はそれなりに
台所的匂いがするというか、
とりあえず煙草のにおいと
獣のにおいは遠くなりました。
が、時々、大雨の日の翌日など、
室内に嫌な臭気がこもってしまう・・・
古い水の臭い、というのでしょうか。
前の晩に余った白いご飯に
ラップをかけるのを忘れて
棚に1日入れちゃうと
お米がその臭いを吸ってしまって
なんかもう絶望的な味になってしまう、という。
そんな状態になったお米を見て
わが夫(英国人)は迷うことなく
「これはもう捨てましょう」と言いました・・・
でも私は捨てられなかった・・・
だってそれは異臭を放つとはいえ
お米なんですもの、白米なんですもの、
ええ、食べました、
ひどい臭いでした、でも食べました・・・!
閑話休題。
そうした古い水の臭いが
特に集まった一角が台所にはありまして、
ちょうどそこに使いでの良さそうな引き出しが
作り付けの状態で存在してはいたのですが
「ちょっとこの引き出しは使いたくないな。
食器や食べ物にこの臭いが移っちゃったら嫌だし。
なんかここは雨の降っていない晴れの日でも
下水の臭いがするんだよね、何なんだろう」
そんなわけで我が家の台所には
開かずの引き出しが存在していたのです・・・!
ここが『存在していた』と
過去形なのには理由があります。
先日、特に理由もきっかけもなく、突然夫が
「台所のあの謎の悪臭の元をたどりましょう」
「・・・えっ?どうやって?」
「一番怖いのは台所の下、
この建物の基礎部分に水が溜まって
そこから臭いがあがってきている、
という可能性です。万が一にも
そんなことになっていたら
早急に手を打たないといけないので、
とりあえず現状を勇気をもって確認しましょう」
工具を持って台所に乗り込む夫、
その背中を見送る私、
数分後、台所から聞こえてくる
打撃音と摩擦音、そして
「・・・妻ちゃーん、ちょっと君、
『怖いもの』が見たくないですかー?」
何その能天気な声。
しかし私は知っている、
わが夫がこういう声を出す時、
それは彼が本当に恐ろしいものを
見てしまった時であることを。
台所に足を踏み入れた私が見たものは
シンクの下の棚の一番下の部分
(棚と床がくっついているところの板)が
引き剥された情景と、その前で
床に横たわる夫の姿でありました。
「・・・怖いもの、とは何かね?」
「ちょっと僕の隣に横たわってみてください、
そしてこの棚の下に存在した空間を見てください、
僕は以前言ったでしょう?この国の大工さんは
作業で出たゴミや瓦礫なんかをすべて
作り付けの棚の下に押し込んで
そこをふさいで涼しい顔で仕事を終える、と。
君はその時僕の言葉を信じませんでしたね?
でもここにその証拠があります、ご覧じろ」
おわかりいただけるだろうか・・・
堆積物を検分するに、たぶんこの台所で
最後に作業をした大工さんは
配管などから漏れた水を
キッチンペーパー的な紙で拭いて
それを丸めて瓦礫の間に押し込んで
「はい、作業完了です!」
ってやりやがられたのだと思われる・・・
「・・・よくわからないんだけど、
日本だと大工さんはその場合
瓦礫もゴミも持ち返ると思うんですが」
「理想を言えばこの国でも
それはそうであるべきです」
夫曰く、発見されたゴミの中に
『食べ残しのサンドイッチ』的なものが
なかっただけでもこれは僥倖であるらしく。
「こ、この国にはゴから名前の始まる
凶悪な虫が存在しないからな!
だから水回りの処理が
ちょっと緩くなりがちなところはあるよね!」
「そういう問題ではもはやない、と
僕は思いますけどね」
「でもあれかな!
異臭の原因はこれだったのかな!」
「いえ、こうやって見る限り、ここらの
床部分はそれほど湿っていません。
問題の引き出しを取り外し
その裏側を点検したいと思います」
台所をめぐる冒険話、続く。
それとも私がこれまで気付かなかっただけで
日本の大工さんも実はこんな感じなのかしら
でも日本で食べ残しを棚の下に隠したら
すぐに虫が大繁殖して事が露見すると思うの
どうなのかしら
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