高山陣屋の話は
昨日で打ち止めのつもりだったのですが、
まあ追記という感じで。
陣屋内の『御役所』の間に
火鉢がいくつか置かれていました。
夫(英国人)はそれをしばらく眺めると
「・・・あの、あれは何でしょうか」
え?
「何って君。いや、でもわからんものか。
じゃあ逆に聞くけど、
君にはあれは何に見えるんだ?」
「うーん・・・机の隣に
置かれているってことは
文具的な何かですか?」
ああ、なるほど、お役所では
たくさん書類を書くから
硯みたいなものも
あれくらい大きくないと
役に立たない、とそういう連想?
「惜しい気もするがズバリ大外れ。
あれは『ヒバチ』です。ですよね、お姉さん」
ここで案内係のお姉さんが
「そうです、火鉢です。
日本の伝統的な暖房器具です」
「暖房器具?陶器ですよね?
畳の上に陶器を置いてそこで火をたいたら
もれなく火事まっしぐらじゃないですか?」
「火鉢の底に灰を敷いて、
その上で炭を燃すため大丈夫なんですよ」
夫の疑問、これにて一件落着、と
その場はそれで収まったのですが。
陣屋からの帰り道
「さっきのヒバチですけど」
「うん」
「何も知らない僕には
あれが文具に見えるって言ったでしょ」
「うん、言ったな」
「正直に申し上げますと、
あれは文具には見えなかったです」
「え、そうなのか?」
「本当は、その・・・
ポータブル便器に見えたんです」
ああ、つまり、おまる 。
「日本人が古来より
いくらワーカホリックだからってなあ」
「下水道が完備する前の欧州では
ああいう陶器をトイレにしていたわけで」
仕事机の隣にポータブルトイレ。
まあ不可能ではないとは思うのですが
夫の脳内における『江戸時代のお役所』は
いったいどんな状況になっていたのか。
勘違いというのは面白いと思うわけです。
しかし火鉢はいいですよね
私もいつか自前の火鉢を持ちたいな、と
まあ暖炉もいいんですけどね
炭派の貴方も薪派の貴方も
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