皆様ご存知の通り

英国では2001年に

口蹄疫が流行しました。


そのとき処分された家畜の数は

400万頭を超えました。


政府方針で

ひとつの牧場で感染が確認されると

その周辺の牧場で飼われていた家畜も

問答無用で処分対象とされました。


義父の牧場もあともう少しで

そうした殺処分ラインに

含まれるところだったのですが、

なんとかギリギリのところで

事態が収束した、とのことです。


当時の英国全体の

被害総額は80億ポンド。


その一部は

家畜を処分した畜産家たちに

補償費として支払われました。


しかしそれでも一部の牧場主は

自殺の衝動を押しとどめることが

出来ませんでした。


「キリスト教圏で自殺とは・・・

相当追い詰められたんだなあ」

そう言った私に夫(英国人)はきっぱりと

「だって、そういう人たちは

より優秀な牛を育てること、

よりよい種牛を生み出すことに

それまでの人生を

注ぎ込んできたわけじゃないですか。

いわば彼らにとって自分の牛は

人生と仕事の証であり、

夢の結晶であり、

子に等しいものであり・・・

その人のすべてだったんですよ。

それらが突然

全部無に帰したんですから

・・・僕はその絶望がわかりますよ」


お金しか出していない私でさえ

今回投資対象とした

(くわしくは

昨日の記事 をご参照ください)

61頭の自分の羊たち

食用にまわされることなく

殺処分されたら

それは悲しいと思うんです。


たとえ投資額が補償されても、

そういう問題じゃないんですよね、

と呟いてしまうと思うんです。


実際に羊の世話をしてくれていた

義妹の場合、

きっともっと悲しいと思うんです。


当時の英国の、

そして今の宮崎県の

畜産家の皆様の悲しさは、

そんな比じゃないと思うのです。


悲しみと絶望の共有は

どこまで可能なのか。


羊や牛の姿を目にするたび、

それらのお肉をスーパーで見かけるたび、

私は私の羊たちと

宮崎県の牛たちのことを考えています。


最後に、義妹が現在世話をしている

子羊の画像と映像を載せたいと思います。


義妹は雌羊の群を所有していて、

毎年冬に種羊をどこかから招き

繁殖させてはお小遣いを稼いでいます。


春になると雌羊たちは

ぽこぽこと子羊を産むのですが、

今年は一頭の雌羊が

産後の肥立ちが悪く

死んでしまったのだそうです。


後に残された子を義妹は引き取り

手ずからミルクを与え育てています。


スコットランドひきこもり日記-この手は私の手です

「義妹ちゃん、義妹ちゃん。

君の義理のお姉さんは

そういう仕事が嫌いじゃないよ!」


私のとてもわかりやすい

遠まわしな要求に義妹は

「・・・じゃ、じゃあ

しばらくの間、羊の世話を

お願いできるかしら・・・」


ええ、喜んでー!


ミルクやりは朝と夕方の2回。


初日は見慣れぬ私の姿に怯え

なかなか寄って来なかった子羊ですが

3日目にもなると私の姿を

地平線に認めただけで

この勢いで駆け寄ってきてくれます。




いいなあ!


家畜、最高!


皆様もこのビデオクリップを

ご覧になってみてください。




可愛いでしょ?


たまらないでしょ?


この子を

殺処分しろって言われたら

心底でしょ?


スコットランドひきこもり日記-私でさえ泣く、それは


それでも宮崎県の畜産家の皆様は

自分たちが

これまで大事に育ててきた

牛や豚を連日殺処分してくれている。


これ以上

感染を拡大させないために。


悲しみと絶望を

そこで食い止めようとするために。


家畜のオーナーも、

実際に殺処分の処置を

施さなくちゃいけない

獣医さんも関係者も、

胸の潰れる思いを

しているに違いないのに。


我々はその事実を

忘れてはいけないと思うのです。



ビデオクリップは

あえて短めに編集してみました


長いと再生状態になるまでに

非常に時間がかかるんですよ


でも羊の可愛らしさは伝わるはず!


口蹄疫の一刻も早い終息を願って

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