夫(英国人)は温泉好きです。
・・・こう断言できるようになるまで
思えば長い道のりがありました・・・
昔は・・・そう、5年くらい前までは
「僕は他の男の裸を眺めて
リラックスする趣味はありません」
とか奴は言っていてですね。
今?今はもうあれですよ、
「運動の後の温泉、これはもう
愛していると言っても過言ではない」
とか言って放っておくと1時間くらい
お風呂でばちゃばちゃやっていますよ。
しかし振り返ってみるに夫が当初
温泉を苦手としたのは
私が口うるさく銭湯におけるマナーを
言い過ぎたせいでもあるかなあ、と。
「お風呂に入る前はまずかけ湯。
これは絶対です、いいですか。
体全体にざっとお湯をかぶった後
足の間のプライベートパートを良く洗う、
股間を洗わずして湯に入るなかれ!」
「・・・まず股間・・・わかりました、
で、そのとき腋の下はどうすれば?」
「わ、腋の下?腋の下なぞどうでもいいわ」
「でも腋の下も汚いでしょ?」
「・・・とりあえず
股間を洗っておけば問題はないです」
「でも腋の下だって汚いですよ!
僕は大学で微生物学も齧りましたから
そこは見過ごせません、
成人男性の腋の下は
股間と同じ程度に汚れているものです!」
「じゃあ勝手に洗えー!」
とにかく何とか
「体を洗うときは立って洗わない、
姿勢を低くして
隣の人にお湯がかからないように」
「湯船に手ぬぐいを浸けてはいけない」
「脱衣所に出てくる前に手ぬぐいで体を拭く」
の基本は教え込んだんですけど
いかんせん男湯と女湯は別々ですから
夫がちゃんと
私の教えを守れているかは謎のまま。
本人申告では問題ないらしいのですが・・・
「わからないことが生じたら無理はせず
隣の人のお作法を
目で盗んでその通りするように」
との極意も伝えてはあるんですが
「隣の人を盗み見ろだなんて・・・
どうして見知らぬ男の裸を積極的に
目に入れなくちゃいけないんですか!」
とか言っているので、
もうここらへんは平行線な気もします。
苗場プリンスにも情緒は無いものの
一応温泉設備はございます。
で、あそこは最近
外国人観光客の利用が多くてですね。
お風呂場で緊張した面持ちで
中国語で話し合っている女の子の
集団とかがいて見ていて面白かったです。
彼女達はたぶん来日前に
「日本の温泉の入り方」を
真面目に勉強したのだろうな、と。
かけ湯をするときとか、声を掛け合って
すごく姿勢を低くして頑張っていました。
湯船に入るときも波を立てないよう、
静かに静かにお湯に浸かろうとしていて、
いや、私も見習わなくてはと思ったものです。
で、その三人組の女の子のうちひとりが
手ぬぐいを湯船に入れちゃったら
残るふたりが怒る怒る。
中国語の叱責って
意味はわからないけど響きが峻烈だね!
いや、それはね、日本でも時々
テレビの温泉紹介番組の演出
(体に手ぬぐいを巻いて裸を隠すアレ)を
そのまま信じて
同じことをしてしまう愚かな人はいるから、
だからそんな、
涙ぐむまで気にしないでいいよ!
うん、マナー違反ではあるけれど!
しかしこの子達、お風呂の使い方は
ある意味完璧だったんですが、そのうち
「日本の温泉をちゃんと使えている自分」
に興奮してしまったのでしょうか、
だんだんと会話の端々に
「アイヤー!」という感嘆が混じるようになり、
その「アイヤー!」がそのうち
叫び声に近いまでのボリュームになってしまい・・・
お風呂って音が反響するのよね・・・
彼女らの使ったテキストに
「お風呂場では静かにすること」
という一文はきっと書かれていなかったんだな、と。
で、このあと私は
洗い場に移動したのですが、
そこにいた日本人の女の子の集団がその・・・
猿山の猿だってもう少し静かだわ
という勢いで喚きあっておりまして。
「お風呂では静かに」って
もしかして一般常識ではないんですか?
なお私がここ数年で目にして
もっともダメージを受けたお風呂マナーの持ち主は
数年前、北海道はニセコの
某プリンスホテルで見かけたお嬢さん。
露天風呂のふちに
腰掛けているのはいいのですが
それがこれでもか!とばかりに大股開きで・・・
露天風呂に使っている人は皆
羊蹄山の景色を眺めたいのに
そちらに目をやると必ず見たくもない
毛もじゃ観音を見てしまう羽目に陥る、という・・・
けっこうきれいな女性だったんですけどね。
あまりのことに一瞬
「き、きっとこの人、日本人に見えるけど
実は外国の人なのよ!彼女の国ではきっと
人前で陰部を隠すのは失礼に当たるのよ!」
とか自分を納得させようとしたんですけど
・・・残念ながらばっちり日本の方であった模様
(少なくとも10年以上は
日本に滞在している人の日本語でした)。
私も人の事をどうこう言えるほど
正しい礼儀作法が身についた人間ではないので、
なんかこう・・・
自分も気をつけなくちゃな、と
心から思えた経験でした・・・
そして夫が常々口にしていた
「同性の裸なんて見たくない」
の意味がやっと理解できた瞬間でした・・・
お風呂は人に迷惑をかけないよう
楽しく静かに入りたいものです。
夫は今もお風呂では最初に
足の間と腋の下を洗っているそうです
きれい好きな夫で一安心です
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ああ、こんなことを書いていたら
たまらなく温泉に入りたい気持ちに
アイスランドかドイツあたりで
欧州温泉デビューを果たすべきでしょうか