最初に確認しておきたい、
気温2度の曇天の中
早足に山の中を歩き回るって
それは本当に娯楽なのか。
というわけで夫に連れられて
行って来ました
『お散歩』という名の山登り。
登山口で夫は地図を見ながら
「30分コース・・・
いや最短ルートの
20分コースにしておきましょう、
もう遅いですし!」
・・・なあ・・・
2時間歩くつもりなら最初からそう言えよ・・・
夫婦がお互いを信頼できなくなったら
それはもう色々な意味で終わりだろっ!
「でも僕は見直しましたよ、
君は最近健脚になりましたよね!
休憩をほとんど必要とせず
いい速度を保ち続けたじゃないですか!」
・・・それはね・・・
迂闊に立ち止まったら
凍死しそうな予感がしたからだよ・・・?
だいたい午後3時半に登山開始で
2時間そこらをうろうろしていたら
そりゃ当然日は落ちるんです、
スコットランドですから!
「・・・なあ、こういう状態になってから
ぎゃあぎゃあ文句を言う真似は
私も大人として避けたいんだが・・・
いくらなんでもこりゃないだろ?
素人に夜間登山は荷が重過ぎないか?」
「大丈夫です、こんなこともあろうかと!
ほら、僕はちゃんと
懐中電灯も準備していたんですよー!」
あそこで夫を
蹴り飛ばさなかった自分を
私は褒めたい。
日頃運動不足な私としては
山登りそれ自体に
文句があるわけではないんですが
でも『山歩き』そのものに
ヨロコビを見出す域はまだ遠いなあ、と。
夫は山を眺めながら傾斜面を歩くだけで
震えるような充足感を胸に抱ける様子なので。
・・・自然愛好家といったら聞こえはいいが
それって単なるレベルの高い変態なのでは・・・
「ねえねえ、
日本人観光客向けのパッケージで
『スコットランドの山林を歩く』ツアーってどうかな、
今は円が強くてポンドが弱いから
お手軽価格でいい宿に泊まれると思うし!」
「うん、わかったからとっとと歩け」
「古来日本人は
自然を愛でることで知られているでしょ?
山林ガイドつきで2、3時間歩いたあと
バーベキューとかやったら面白いと思うの!」
「うんそうだね、で、
この分かれ道はどっちが近道なんだ?」
「・・・この小川のせせらぎを見てよ!
なんて透明度が高いんでしょう、
これはこのまま飲んできっと大丈夫ですよ、
まるで夢のように美しい場所ですね!」
「・・・同じようなことを言って
そのあと腸チフスにかかった人間 を
約一名存じ上げておりましてね、
私はその意見には首肯しかねますなあ!」
下山道からはダムが見えました。
「あのダムはなかなか
風情のある佇まいですな」
「あっ君もそう思う?
僕もああいうダムのそばに
家を買えたらいいなあって今思っていたの」
「ああ、わかります。家の窓から毎日
ダムの中にある小島を眺められるんですね」
「そうそう、で、夏の暑い日には
泳いで小島まで渡ったりするんです」
・・・待って下さい、ダムというのは
一律遊泳禁止だったり
するものじゃないんですか・・・?
「何を言っているんですか、
あんな素敵な湖を前にして
泳いじゃいけないなんて、それは変ですよ!」
「・・・いやいやいや、
それは駄目だと思うな、危険すぎる」
「リスクを取らないで何の人生ですか!」
「どうしてもダムで泳ぎたいなら
私と離縁する覚悟でしろって話だー!」
夫は『君は都会に毒され過ぎている』と
ぶつぶつ文句を言っていたんですが
・・・これは都会だ田舎だの話でなく
世間の一般常識の問題ですよね・・・?
というか、ダムで泳ぎたいとか
その発想が私には信じられない
の1クリックを
↓
ダムだけじゃなく湖とか池とかで
あまり泳ぎたいとは思わないんですよね
「湖底に古い木々が沈んでいて危険だ
万一溺れるとその体は
二度と水面に浮き上がることはない」
とか子供の頃さんざん母親に
脅してもらったおかげで、ええ
母は海育ちだったので
淡水に対し多少偏見があったのだと思われます



