馬肉ネタが何故か続くことに


「カナダ産の馬肉を『熊本産』と偽ったとして

農水省が食品会社に改善を指示した」

というニュースが先日ありました

(記事はこちらなど をご覧ください)。


熊本県で食肉処理される馬の6割が

カナダから輸入されたものなのだそうです。


で、この農水省の

「それは『カナダ馬肉』だろ」

という指摘に対して、熊本の食肉業者は

「カナダから輸入した馬に穀物を与え

肉を霜降りにする技術こそが熊本の売り!

これは『熊本ブランド馬肉』です!」

と主張しているそうです

(自主ルールでは『熊本産馬刺し』と

『熊本馬刺し/原産地カナダ』と

表示を分けることになっていたらしい)。


私はこういう職人の意地が嫌いじゃありません。


それはともかく、この話を

夫(英国人)の実家でしましたら

「そうか、じゃああの馬肉の味は

日本の技術に裏打ちされた美味なのか」

「日本は牛肉の質も劇的に変えたしね、

牛にビールを飲ませて

マッサージまでするというんだからなあ」

と納得する夫と義父の間で

義母が少し眉を顰めておりまして、

あ、馬肉がタブーの英国の家庭で

こんな話題を口にするのはよくなかったか?

と私が少し反省した次の瞬間。


「それって、カナダから日本に

馬を生きたまま運ぶんでしょう?

きっと船で移送するのよね?

それって馬にとっては

過酷な生存環境だったんじゃないかしら・・・」


義母の指摘を感傷的だという人もいるでしょう。


でもね、私はこういう彼女の発想を

今後見習いたいと心から思ったのですよ。


ちなみにこうした

「最終的に人間が食べることになる動物の

生きている間の飼育環境にもっと注意を払おうぜ!」

という考え方は、最近英国で人気です。


ジェイミー・オリバーとかあそこらへんの

有名シェフたちが音頭を取って

「スーパーで安売りされている鶏肉は、

生まれてから食肉加工されるまで

身動き一つ自由にならない劣悪な環境で

育て上げられたニワトリの肉だ。

多少値は張るけれども、皆で

『放し飼い飼育』された

ニワトリの肉を食べるようにしよう!

食材としてもそっちのほうが美味しいし!」

ということを主張しているのです。


同種の主張は日本にもありますよね。

私が面白いなと思うのは、日本だとこれを

「養鶏場のケージの中で

すし詰め飼育されるニワトリは

抗生物質や成長ホルモンを

過剰投与される場合が多い、

そんな肉を人間が口にするのは危険だ」

という論旨にもっていくのが一般的ではないですか。

英国ではこの同じ問題点をですね、

「本来投与される必要の無い薬を

強制摂取させられるのは、

ニワトリからすれば虐待だ。

ニワトリの立場になってみてくれ、

一生を狭苦しい暗いケージの中で過ごすのと

青空の下仲間と遊びながら暮らすのと

君がニワトリならどっちが幸せだい?」

と、なんと動物愛護的観点から

消費者の情に訴える作戦に出たのです。


で、これが功を奏しているんですよ。


一時期近所のスーパーの鶏肉の棚からは

安売り鶏肉がすべて消えまして

「動物愛護の観点から

なるべく多くのニワトリに

幸せな生活を送ってもらうため

当店は仕入先の変更に踏み切りました、

供給が安定するまでしばらくお待ちください」

とかいうお知らせが書いてあってですね、

で、確かにその後、そのスーパーは

「この鶏肉は

『放し飼い飼育』をされていた

ニワトリのお肉です!」

との表示のある鶏肉を

多く置くようになったんです。


こうした運動に反発する声もあります。

良心的なケージ飼育を

行っている業者だってたくさんいる、

『放し飼い飼育』のみが正義、

とする風潮はおかしい


まあ最終的な判断は

消費者それぞれが下すべきことですよね。

消費者の選択肢を広げる、という意味で

こうした運動には大きな意味があると思うのです。


ただ・・・一度ね、

夫の知人の家に夕食に招かれたとき、

食卓には鶏肉料理が出たんですが、

同席していた知人の娘さん(大学生)が

お皿を前にして

「ママ、この鶏肉はいくらしたの?

ちゃんと『放し飼い飼育』の高い鶏肉?

私は動物愛護的観点から

安い鶏肉は口にしないことにしているの」


動物を愛する気持ちはわかるけどさ・・・

お客がいるときこそ両親を教育する良い機会!

と思ったのかもしれないけどさ・・・

ちょっとはお客である私と夫の気持ちとか

身の置き所とかにも

配慮してもらえればありがたかったよ・・・!


お肉が好きな貴方も嫌いな貴方も

食事は人間生活の基本だ、の1クリックを


お願いします


動物愛護の観点からも

安全な食材を求める心情からも

この運動は理に適ってはいるわけですね


しかし安売り野菜やお肉は

購入するのに最近は勇気がいりますよね

難しい時代です