浅田次郎編
『見上げれば星は天に満ちて
-心に残る物語 日本文学秀作選』を
祖父に朗読するの巻、続き
(前回の話はこちら です)。
中島敦『山月記』。
告白には常に恥がつきまとうものですが
私ったら三十過ぎのいい大人ですのに
『山月記』をこれまで読んだことがなかったのです。
人として・・・人としてどうか。
話の内容は聞いていたんですけどね。
読んでみてなるほどこれは
高校の国語の教科書に載りまくるはずだと
心から納得しました。
色々な意味で。ええ。
ところで戦前・戦中の教育水準は
今と比べて高かったと一部では言われます。
この『山月記』、途中に
漢詩が出てくる場面があるのですが
わが祖父(94歳)ったらどうやら
その詩を今でも覚えている模様です・・・
私の朗読に合わせて暗礁できるんですよ。
これが暗記教育の真髄というものか?
お次は同じく中島敦の『狐憑』。
素直に面白いが
病人に読み聞かせたい小説か、というと
返答に窮してしまうかもしれません。
しかし二作品続けて読んで
しみじみ驚嘆したのですが
中島敦って本当に日本語がきれいですね!
磨き上げられて
塵一つついていない文章です。
次に読んだのが
山本周五郎『ひとごろし』。
祖父母に小説を朗読している
全国のお仲間(いるのか)に伝えたい、
これはいい話だ!
読みやすいし面白いし
洒落もきいているしオチもいい、
技術点芸術点ともに満点、
文句なしのおすすめです!
思うところあって次に収録されていた
永井龍男は飛ばし
井上靖の『補陀落渡海記』を
途中まで読んだところで時間切れとなり
私は英国に戻ってきました。
残りは叔母が読んでくれていることでしょう。
- 見上げれば星は天に満ちて―心に残る物語
- 日本文学秀作選 (文春文庫)

最後に載っていた小泉八雲の
『耳なし芳一のはなし』を読みそこなったのが
悔やまれてならない今日この頃