日本は「悪夢の選択」を迫られることになる…「専守防衛」を変質させた安保法10年 防衛のプロが見た問題点
2025年9月19日 06時00分
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<柳沢協二さんのウオッチ安全保障>
安全保障関連法の成立から10年間で展開された防衛政策の問題点について、柳沢協二・元内閣官房副長官補に聞いた。
◆「台湾有事は日本有事」という言葉に見える政治意志
日本が戦後、少なくとも安全保障関連法成立まで70年にわたって平和を保ってこれたのは、「専守防衛」に徹して自ら戦争をせず、米国の戦争にも巻き込まれないというb姿勢だったからだ。米軍と共に戦う方向へかじを切り、巻き込まれることを受け入れたのは、安保政策の大転換だった。
1997年の日米防衛協力の指針(ガイドライン)の見直しを担当した当時、日本防衛以外での米軍協力がテーマだった。よりどころは、憲法に基づき「米軍の戦闘行為とは一体化しない」ことだった。
2000年代の自衛隊のイラク派遣も抑制的に対応し、全員無事に帰ってくることができた。「米軍の戦闘行為とは一体化しない」という一線を取り払ったのが安保関連法だ。集団的自衛権行使を含め、自衛隊の武力行使の枠組みを大きく変えた。
岸田文雄政権が閣議決定した安保関連3文書の改定では、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有まで盛り込んだ。「抑止力強化」という説明だが、抑止の本質は「攻めてきたら報復する」という脅しだ。相手が脅しに屈しなければ抑止は破綻する。日米が一体化する中では、相手に日本攻撃の動機がなくても巻き込まれる可能性はある。
