今から書くことは当事者の方々から許可を貰っているから書くことです


クリニックにお昼過ぎにいらっしゃた若いイギリス人のHちゃん


入ってくるなり


今日

わたしはぶっ壊れてる!

全部がダメダメネガティブだから



そう言って大きなため息をつく


あらあらどうしたの?


彼女は若き芸術家

昨日は某ギャラリーで自分のアートの発表があった。チケットはソールドアウト。カメラが入り満員御礼のゲストの前で話さなければならない


彼女は非常に内気でおとなしい人

自分から進んで人前に出ていくタイプではない

仕事でこの様なイベントに過去数回出ているがどうしても毎回プレッシャーに負けてしまう


当然、イベント前の数日は寝れないし終わった後は一人でクヨクヨと思い悩んで穴に籠りたくなるタイプ


昨日は田舎からママも応援に駆けつけてくれた

イベントは大盛況のうちに終わった

ただやはり主役の彼女は苦手なアフターパーティーに顔を出したり、大いに神経をすり減らさなければならない


どれぐらい神経を擦り減らしていたかというと...

パーティー会場で彼女のファンだという人に

(次回のイベントはいつですか?)

と話しかけられて


こっちはギリギリ自分を

追いつめやってるんだよ!

次回なんて考えられんよ!

舐めんなよ!


って思わずドスの効いた声で怒鳴りそうになったんだとか....

そして、

そんな怒鳴りそうな自分を瞬時に客観的に見て

(ああわたし壊れそうだな...)って思い冷静になってニッコリ笑って誤魔化したそう


夜遅くまで興奮のうちいたら....

ママが自宅に帰る電車の時間を乗り過ごしているのに気がついた


ママには事前に主役の自分がさっさと帰れないこと

プレゼンの後の妙な高揚感で終わるとドット疲れ果てるので(ママのケア)は出来ないこと

は事前に話していた


ママはニッコリ笑って気にしないで...

華やかな場で嬉しくって飲み過ぎただけよ!

今から、適当にホテル取るからって歩き出そうとするのを


流石に(大病から回復したばかりの母親を一人で夜中のロンドンの喧騒に放り出すわけにはいかない)

と急に罪悪感に襲われ...

ママを自分の狭い部屋に連れて帰る事に決めて二人でタクシーに乗り込んだ


シートに身体を沈ませたら

一気に全身から力が抜け

脱力し切った抜け殻になった


隣に座ってるママは正反対

たまに会う娘と夜の街をタクシーで走るという非日常にワクワクしてるのか...,


一気に目をキラキラさせてはしゃいで

Hちゃんにひっきりなしにぺちゃくちゃ話しかけてくる


ねえあのパーティーにいたブルーのジャケットのイケメンは誰?とかあなたに友達のXちゃんがどーした〜とか本当にどうでも良いお喋り


ママ

イベントの後は気が立ってて気持ちを落ち着けるのが難しいの..,,

ちょっとだけほっておいて.,,,

小さな声でママに言ったけれどママのお喋りは止まらない


結局のところ

自宅にたどり着いた後に

ずっと我慢してた自分がブチ切れママに八つ当たり


二人で一睡もできず

明け方に無言でコーヒーを飲み

ママを駅まで送って行き....

お互いちっちゃい声でごめんをぼそっと言い合って別れた


無意味に自分の母を傷つけたこと

ママが涙目で黙って改札を潜ったこと

それが怒涛の様に押し寄せ

のたうち回るほどの大後悔




とこんな彼女のストーリーを聞いていた


数日後

この彼女のイベントに関する記事をSNSで読んだ

とっても素敵なドレスを着て美しくお化粧したHちゃんは女神の様に神々しい


この記事をチラッと見た人は

彼女のことを才能と自信に溢れた物凄く強気な若い女性だと思うのだろうな..,,


他人の外側とその人の内面で起こっているドラマはいつも必ずリンクしていないんだけれど.,,ね


これを読んだ人はなんとなくHちゃんの経験したアップ/ダウンが理解できるのでは?


ちょっと頑張りモードに入る時というのは自分にとても負荷が掛かるからね


敢えて勢いよくエネルギーをぶっ放す日があるなら、反転してゾンビ化する日があって一つのセットです




この辺での自分基準が理解できる様になると色々スムーズになるんだよね!


そして!

母は多分、娘のこのアップダウンをなんとなくわかって受け入れている

そういう形の愛情の示し方もあるってことに多分Hちゃんも気づくのではないかな