日本からバレエ留学している若い友人Aちゃんが言う


さっちゃん!

大変です

X先生!彼は本物の王子様です

兎に角、彼の人間性にノックダウンされました!

さっちゃんも絶対にやられます!

踊りの素晴らしさは当然

兎に角、全てが超弩級

一緒に彼のスタジオに顔を出しましょう


と誘われた


わたしの大好きなマダムにもコッソリX先生のことを伺ったら




彼女ったら目にぱっと涙を浮かべて...


彼はすごい!本当にすごい!


そう言うの


一体、何が凄いんですか?って聞き返したら


そのお答えが


残り香


なっんでも彼の後ろ姿からすっごく高貴な香りが漂ってきて一瞬でノックアウトされたんですって


あんな香水使いできる男

世界広しといえど....そうはいないわよ!

本物の美学の持ち主

360度美しいのが素晴らしい!


と蕩ける様なお顔でそう言った

ちなみにマダムは自分の香りは自分で調合する強者

その彼女を残り香だけでノックダウンするなんて!

平安貴族なのか?

お主は....


ということで興味津々で行ってきたX先生のスタジオ

レッスンの前に(日本のおばちゃん)根性でバーを運んだりピアニストの椅子をわたしはいつも運んで設定のお手伝いをするの


いつものようにスタジオの準備をお手伝いしていたら

X先生ったらスタジオの入り口でそれを見るや猛ダッシュでわたしの所に飛んできて..,


君はそんな事をしなくていいんだよ!

ストレッチして気持ちを落ち着けて...

僕がやるから!


そう言ってニッコリ笑った

その瞬間にマダムも言ってた高貴な香りがバーンと立ち上り

わたしはその瞬間に鼻血を逆噴射しそうになったわよ!

今まで全てのスタジオでお手伝いしてきて、生徒がやるのが当たり前とスルーする先生多いのに

大スター(まだ現役で踊ってる)の彼が僕がやるからって言うのでビックリしちゃったワン


クラッシックバレエの基本は背中の筋肉を使って腕を常に引き上げて肘から下を下げないというルールがある

でも疲れてきたり足に意識がいくと上半身が疎かになってしまう


わたしの肘が下がってきたタイミングで

X先生が側に来て耳元でこう囁いた


ダメだよ!お姫様

お姫様は肘を下げちゃ絶対にダメ

常に目に見えない王子様の手に自分の手をあづけている

そのビジョンを持ち続けているんだよ


わたし思わずマジマジと彼の顔を見つめ返してしまったわよ


まさか、リアルな世界で

50を超えて誰かに

真顔でお姫様って呼ばれる日が来るとは想像すらしてなかったわよん!


その瞬間にわたしの気持ちが一瞬にして夢見る少女時代にワープよワープ

リアル丘の上の王子様に遭遇した様な気持ちになったわよ!うっとり


その彼が言う


あのね美しいもの!自分が憧れる誰かに遭遇した時

自分の中に(嫉妬心)(自分はダメだから)みたいな

ドス黒い物が瞬時に湧き上がる

これが人間の本能なんだ

でもね

せっかく綺麗な憧れに出会えたんだから

ドス黒い物が湧いたらその瞬間に

蓋をして封じ込める!


綺麗な憧れを素直な気持ちで全身の毛穴から吸収してやる!そんな気持ちでただ憧れをひたすらに楽しむんだよ

素直な気持ちで綺麗!可愛い!美しい!って堪能するの


そしてね

一晩寝て気持ちが落ち着いてから

コッソリと蓋をしたドス黒い物に対峙してみる

コーヒーでも飲みながら一人でノートに書き出してみるんだよ


どこに嫉妬したのか

自分のどこが反応するのか

なぜそれが美しいと思うのか?

どうすれば自分をよく変えられるのか?

きちんと分析する


毛穴で吸収

後から冷静な分析で理解する


この二本立てで僕は憧れてる人の何かを自分の中に全部ダウンロードしてきたんだよ


何か心が動くものを見た時

この二本立てできちんと自分に取り入れて

自分をきちんと磨いていくんだよ


そう言い切った王子様をわたしはマジマジと見惚れてしまったわよん