師は人をとまどわせるような、そして楽しくもある、教えを説いていた。


その中に、「神は、聖人たちよりもむしろ罪人の近くにおられる」という教えがあった。


師はそれを次のように説明した。


天におわす神は、すべての人間とおのおの見えない糸で結ばれている。


人が罪をおかすとき、自らその糸を断ち切るのである。


すると神はそれを再びつなぎとめる。


そこには、結び目ができる。


それによって、人は神にほんの少しだけ引き寄せられる。


繰り返し繰り返し人は罪をおかすことによってその糸を断ち切る。


そして、そのたびに神は結び目をこしらえて、人を近く、さらに近くへと引き寄せるのである。

 

著書「沈黙の泉」より抜粋

 



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