新宿のある寺で法話を聞く機会があった。

 

その時の話が、「菩提心の靴」という題であった。

 

どの宗教も、自分の教えを世界中に弘めて、人々を回心させ、救いに導こう、ほんとうの幸福をみいださせようと力を尽くして宣教している。

 

そうなれば戦争もなくなり、人類は平和に生きられるようなると説得しようとしている。

 

だが、こうした考えは、地球全部をなめし皮で覆ってしまえば、誰でもその上を、はだしで楽しく走りまわれるようになる、と言っているようなものだ。

 

そんな願いはかなえられようがない。

 

しかし、みんなが小さい自分の靴をはきかえすれば結果は同じことになる。

 

肝腎なのは、他人を回心させようとすることではなく、自分が回心することだ。

 

お前が変われば世界は変わる。

 

このような話を聞いて、若き無文(むもん)老師は禅門に入られることを決意し、後に、現代のすぐれた学僧となられた。

 

茶道の祖、千利休はいう、「伝わるはよし、伝えんとするはわろし」と。

 

奥村一郎選集より抜粋

 

 

自分がキリスト信仰に生きていないで、他人をキリスト教に導くことはできないものです。

 

 

 

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