悪ガキたちも来なくなり、
庭には穏やかな空気が流れていた。
そんな庭に、
ほんの2、3日前から、
今度は近所の小学生が遊びに来るようになっていた。

そろそろ世代交代か?
今度の子たちは、
安心して見ていられるな~。
悪ガキたちのように、
事件は起こらなさそうだな。
ちょっぴり、ほんのちょっぴり、
物足りないのかなって、
そんな風に思っていた。
「あしたの運動会の後、遊びに来ていい?」
そう言い残して昨日帰っていった子ども達。
もうちょっとしたら来るのかな?
そう思っていると、
子どもの話声が近づいてくる。
ひょっこり顔を出したのは、
スネ夫だった。
どうやらボスも一緒らしい。
しかし、一向にボスは顔を出さない。
スネ夫が、あいつどこ行った?
って探しに行くと、
何やら裏でこそこそしている。
はは~ん。
顔出しづらいんだな。
ちょうど一か月前、
うちの自転車をボスが持ち出した。
犬の散歩の途中、
ボスのうちの前で、
黄色いスプレーで色を塗られた自転車を発見した。

さすがにそれはアウトだろうと、
お父さんがボスのうちに行って、
ボスのお父さんと話し、
自転車を回収してきたのだった。
その日から一か月。
ボスはぱったり姿を見せなくなった。
そんなボスが、
どうやら謝らなきゃと思って、
でも、一人じゃ来づらくて、
スネ夫を連れてやってきたらしいのだった。
スネ夫が戻ってくる。
「あいつ、なんか謝りたいことあるんだって。
もういいんじゃない?」
って言うので、、
「そうだろうね。でも、自分で謝らなきゃならないんだよ。」
と言うと、私は庭仕事に戻った。
しばらくすると、
空き地の草むらでボスとスネ夫の影が見える。
なんだかおかしくって、
そんな姿を隠し撮りしようと思って、
カメラを向けた。

そのとたん、顔を上げたボスと目があった。
「なんか言うことないの?」
と、草むらに隠れるボスに声をかける。
「ある」と、ボス。
すっくと立ち上がり、
まっすぐこっちを見ると、
「自転車黄色く塗ってごめんなさい!」
そ、そっち?
それもそうだけど、
持っていってごめんなさいじゃないのか?
そう思ったけど、
まあ、ごめんなさい言いに来ただけで良しとするか。
すると、ボスがもう一言。
「ねえ、聞きたいことあるんだけど。」
「ちょっと悲しい話だよ。」
「・・・おばあちゃん死んだの?」
「そうだよ。死んじゃったんだよ。」と、私。
「なんか、信じられない・・・」と、言うボス。
「あんた達、おばあちゃんにずいぶん世話になったでしょ?
おばあちゃんにお線香上げるか?」
って聞いてみたけど、
首を振って、
草むらの向こうに去っていったボスとスネ夫。
なんか、言いたいこといっぱいあったけど、
もういいかな。
そう思った。
そんなボスが、ちょっとおかしくって、
ちょっとかわいいと思った。
そして、そのまま帰ったかと思いきや、
数十分後、
上半身裸で、ずぶぬれで、
再び二人は姿を現したのでした。
そう、この2人、
このままで終わるはずがなかった。
・・・続く。
