悪ガキ物語~第5章 悪ガキ達の事件簿~その③悪ガキたちのけんか | 子ども達と自然に暮らそ!

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3.悪ガキ達のけんか

うちにやってくる悪ガキ達、

言うことちっとも聞かなくて、

口は悪くて、乱暴で、

けんかすると、手がつけられなくなるんです。


ある日、「お母さん、今度鍋パーティしよう!」と

ジャイアンが計画して、週末、鍋パーティをしました。

「おれ、米持ってくるから」とボス。

「何時からいいの?」と言うので、

「十時からね」と話して帰した翌朝。

9時にやってきたジャイアンとスネ夫。

楽しみすぎて、早く来てしまったようです。

「十時って言ったじゃない!早すぎ!」と言うと、

「じゃあ、買い物行ってくる!お母さんついてきて!

子どもだけで買い物行っちゃだめだからさ。」

「十時まではお母さんの時間なの!

おうちを片付けたり、やることいっぱいあるんだから!」と私。

「わかった、じゃあ、なんていうんだっけ?

あ、そうそう、おつかい行ってきます!」

と、2人で買い物に出かけました。


しばらくして帰ってくると、

買い込んだ材料は、はまぐり、チカ、帆立の稚貝。

なんと魚介鍋!

あとは、焼き肉するんだと、肉も買ってきていました。

小学生の買い物じゃない!

「お母さん、まな板と包丁ちょうだい」

「お母さん、鍋と味噌お願いね!」って。

味噌、またうちの使うの~?


その後も「ネギある?」と、畑から食材を引っこ抜き、

「おれの父ちゃんから教わったんだ」と、

チカをさばき、はまぐりをさばくジャイアン。






スネ夫は火の番。

ボスは持ってきたお米をといで、




鍋でごはんを炊きます。「もういい?」と、

何度もふたを取るボス。

「お米は炊きあがるまでフタ取ったらダメなんだよ」

と言うものの、明らかに水が少ない。

様子を見て、

「もうちょっと水足して、もう一回火にかけよう」と私。

そうしてなんとかお昼頃にご飯も炊きあがり、

鍋もできました。

ところが、スネ夫が帰ってしまいました。

お昼に一旦うちに帰らなければならなかったらい。



スネ夫が帰ってくるまで、

ジャイアンは食べていいとは絶対に言わないのです。

お腹すいてそうなので、

「ホットケーキでも焼けば食べる?」

と聞くと、「食う食う!!」というので、

ホットケーキを作ってあげると、

あっという間に平らげました。

しばらくして、スネ夫が戻ると、

初めてご飯や味噌汁をみんなの分盛ってあげて、

「足りないやついないか?」と、

ちゃんとみんなに配られているか確認。

そして、みんな揃ったところで

「いただきます!」


そして、その鍋のおいしかったこと!

ご飯も、ちゃんと食べられるくらいに炊けてるし、

魚もおいしい。

なべ底のくっついたご飯を

無心にかき集めて食べる晃。



お肉は、間違ってふつうのバラ肉を買ってしまったので、

網焼きできないからと、

「お母さん、これ、うちで炒めてきてちょうだい!」と、

私に任されました。

でも、そうやって、

みんなが食べられるようにしきるジャイアン。

いや~、ジャイアン、いいところあるじゃないか。


はじめこそ乱暴なところもあったけど、

近頃のジャイアンはやさしくなったのです。

「力が強いだけじゃ、だれもついてこないよ。

優しい男じゃなきゃ、女の子だってついてこないよ。

あんたに優しさがあれば最高なのにね」って、

何度も話していました。


それ以来、だんだん弱い者には優しくなり、

男らしくなってきたジャイアンにほれぼれします。


みんなお腹も一杯になり、

満足して遊んでいましたが、

そのうちちょっとしたことで

ボスとスネ夫がケンカをし始めました。

はじめは、

いつものことだから放っておこうと思っていました。

ところが、だんだんエスカレートして、

怒りが納まらないスネ夫がみんなに殴りかかってくるように!

怖がる晃。


まだボスが本気じゃないから大事になってないけど、

ボスが本気になったらこれじゃ済まない!

あわててストップをかけにいく私。

スネ夫がボスを突き飛ばして転がしたところで、

ひとまずスネ夫を抱きかかえて小屋の裏へ。


訳をきくと、

4歳の晃が自転車乗ってるところに、

スネ夫がちょっとふざけて足をかけてたらしい。

意地悪したつもりじゃないのに、

ボスにおまえのせいだと責められ、

かっとなったのが始まりらしい。

ボスは、スネ夫が怒っても、おちゃらけてあおって、

怒りを増長させていたらしい。

関係のないジャイアンやチビジャイアンまでがあおるので、

もう、怒りが収まらなくなっていた。

抱きとめてた手をゆるめると、

まだ殴りかかりに行こうとするので、

がっしり抱きとめて、ゆっくり話しました。

「わけはわかった。そんなつもりじゃないのに、

おまえのせいだって言われて腹が立ったんだね。

口げんかしてるうちはいいよ。

でも、殴る蹴るはやめようよ。

晃も怖がってるよ。」

「でもさ、じゃあ、かっとなったら殴っていいの?

ここにはトンカチもあるし、

のこぎりだってある。例えば、かっとなって、

そんなので傷つけたり

傷つけられたりするようなことになってほしくないんだよ。

あんたのことが大切だし、

ここに来る子達、みんなに傷ついて欲しくないんだよ。

殴る以外にも、怒りを収める方法はあるんだよ。

まずは、怒りが収まるまで、そばに行かないで距離を置いて、

離れてればいいよ。

4歳の晃にとって、あんたたちは先生なんだよ。

あんた達のまねして大きくなるんだよ。

あんた達が、うんこ、おなら、おっぱい言ってるの、

うちでまねして言ってるよ。

頭にきたら殴ったらいいなんて、

晃に教えて欲しくない。

みんな大事なんだよ。ほんとに大事なんだよ。」


本気で話しました。

それから手をゆるめると、

一人、小屋の中に閉じこもってゲームをし始めました。

ひとまず、ほっ。

木の上にいるボスに、

「ちょっと来なさい」と言うと、

「いやだ。ホントのお母さんじゃないから

ギュッて抱っこされたくない」と、ボス。


あら、お母さんには抱っこして欲しいのね。


「抱っこしないよ!話があるから、ちょっと来なさい」

「やだ、じゃあ、ここで聞く」

と言うので、私が木に登って、同じように話しました。


かっとなったからって殴る蹴るをしないように、

みんなにケガして欲しくないんだし、

晃のお手本になってるんだから、先生、頼むよ、と。



ボスとジャイアンは、

近頃わりと晃にも優しくなり、

だんだんに言うことを聞いてくれるようになってきていたので、

そんな感じで、軽く言い聞かせておきました。

しかし、それで終わったかと思うと、

わざわざ小屋で一人怒りをしずめているスネ夫に、

再び挑発しに行くボスとジャイアン。

「やめなさい!今は一人にしてあげなさい!」


実は、彼らも、仲直りがしたくって、

わざと変なこと言って笑わせようとしてたらしい。

不器用な彼らなりの仲直りの仕方なんだと思う。

でもね、もうちょっと時間おいてあげなよ。

彼らを小屋から追い出して、スネ夫には、

「あいつらも、ほんとは仲直りしたくて、

さっきまでみたいに一緒に遊びたいんだよ。

わざとおちゃらけて、笑わせたいんだよ。

わかってやってね」と話しておいたら、

だんだん小屋から出てきて、

ちょっとふてくされた感じでブランコ乗ってたけど、

しばらくすると、

「一緒に自転車乗り回そうぜ!お母さん、

この自転車貸して!」

ボスとスネ夫で自転車を乗り回し始めました。


春休みだから、学校ではまだ自転車禁止なんだけど、

「この辺だけだよ。車来たら気を付けなさいよ」と、

見て見ぬふり。


ようやく一段落。

ボスもひと言

「考えてみたらさ、俺ら、

あんなことでケンカしてたのばっかみたいだな」


こうして、ぶつかり合いながら成長していくんだろうな。


夕暮れ空に、

カラスが2羽じゃれながら飛んでいくのを眺め、

こんなの、毎日じゃたまらんな~と思う私でした。


その他にも、書ききれない事件はたくさんあります。

けんかしてプレイハウスの小屋のドアを壊したり、

百均に売ってる、よういドン!で使うピストルを

ぱんぱん鳴らしながらやってきたりとか、

私がいない留守中、

おばあちゃんしか居ないときに勝手にうちに上がり込み、

二階のクローゼットの中で

きったない足のまま隠れんぼしてたり、

晃のラジコン、壊れてるから直してやるよ!と、

これまた留守中に勝手に持って行き、

未だに返ってこないとか、

おばあちゃんの部屋に砂をまき散らしたりだとか、


とにかく、次から次へと何かしらやらかしてくれる悪ガキ達。


彼らに常識は通用しない。

上っ面のお説教も通じない。

体当たりあるのみ。

本気の言葉しか、彼らには通用しないのです。