
久々に,この曲を聴きました.
シンセの音が懐かしい感じです.
小室哲哉,好きでした.よく聴いたのは90年代前半くらいまで.
同じメロディを重ねていくやり方とか,楽器の重なりとか,とんでもない転調とか.
ところで,以前にこの本を読んだのですが
- ミーツへの道 「街的雑誌」の時代/江 弘毅

- ¥1,680
『本の雑誌』の連載記事のまとめで,『Meets Regional』通称「ミーツ」創刊時の編集者による,その周辺と当時の風景との記録です.
正直,最初に読んだ時は,独特の時間の行き来,文体に戸惑い,当時(1980年代の終わり)の街中の雰囲気なども体感していないこともあって,読みにくいなーという印象でした.
しかし,読み終わった後に,何となく,1980年代終わりってこんなんだったのかな,というようなものを感じました.
内容は,基本的には
オモロイことはかっこいい.そして,それはすぐ側の,街の中でおこっている
というのが著者のテーマになっていて,それらを追い求め,その過程で「オモロイ」人と出会い,記事の書き手になってもらったりしてミーツができ,売れに売れていく,その過程でまた…というような流れです.
しかしその中に,ある風が吹いているようでした.
それは,
ロンドンのCoolさ(への憧れ)
です.
かっこいい,オモロイことは現実にはいまロンドンで起こっているそれで,そいつを日本に持ち込んでやりたい
という気配を感じたのでした.
一番象徴的だったのが,創刊号の表紙のデザインのくだりだったかと.Meets創刊号の表紙はこの本の表紙にもなっていますが,確かロンドンのデザイナーに,シャンパンを1本ばーんと描いてもらって,編集部からはそれまでの売れるデザインと何の共通性もないと総スカンを食らったが,「いや,このセンスだ」といって通した,というような話でした.(そんでめっちゃ売れたらしい)
そしてさらにさらに,何度か読むうちに,「DIVE INTO YOUR BODY」「Come on Everybody」「C'mon Let's Dance」あたりの,「CAROL」以後の曲が浮かんできて,回りだしたのです.
あーもしかして小室哲哉が当時感じていた空気や,音楽で実現したかったことも,同じことなのかな,と.
調べてみたら,ミーツ創刊の年と「DIVE INTO YOUR BODY」のリリースは同じ1989年ですね.
そういえばCAROLも,ストーリーこそクラシックだったものの,舞台はロンドンだったなあとか,
Get Wild のPVは香港かどっかで撮ってたなあとか.
妙に浮遊した空気.いつまでも暗くならない夜の気配.ごちゃまぜの中でそれでも確かに自分がいて,オモロイことをやってやるという確信.
何というか,小室哲哉の音楽で,私がそれまであまりわかっていなかった部分を理解するピースのひとつが,確かにこの本にあったのでした.
不思議な,時代性という風を感じつつ.