片付けは、
「心地よい暮らし」を
目指すことから
始まるのではありません。
探し物をする。
戻すのが面倒。
床のモノが気になる。
そんな毎日の困りごとから、
「どうして、そうなっているんだろう?」
と原因を見つけていく。
なぜ今まで片付かなかったのかを
一緒に見つけ、
その方にできる方法を考えていく。
そんな片付けをお伝えしている、
整理収納コンサルタントの須藤昌子です。
「子どもが頑張った証だから捨てられない」そんなお母さんに聞くこと
「これは子どもが
頑張ってきた証なので、
捨てられないんです」
片付けのレッスンで、
そんなお話をお聞きすることがあります。
幼稚園や学校で作った作品。
一生懸命描いた絵。
小さな頃に書いた文字や、
学校で使っていたノート。
習い事で
進級してきた作品。
どれも、お子さんが成長してきた
思い出が詰まったモノです。
だから、使うことはなくても、
簡単には手放せない。
そう思うのも自然なことだと思います。
でも、作品が増え続け、
収納に収まらなくなってくると、
「そろそろ減らしたほうがいいのかな」
「でも、捨てるのはかわいそう」
と、悩むようになります。
そんなとき、私は少し違う角度から
質問をします。
「頑張ってきた証は、モノでないとダメでしょうか?」
お子さんの作品を
残したいとおっしゃる方に、
「それは、どうして残しておきたいのですか?」
とお聞きすると、
「子どもが頑張ってきた証だからです」
というお返事をいただくことがあります。
そこで、
「その証は、モノでないとダメでしょうか?」
と、もう一つ質問します。
すると、
「でも、捨てるのは気が引けるんです」
とおっしゃる方も少なくありません。
このようなお返事をいただいたとき、
私は必ずお伝えすることがあります。
「捨てろと言っているんでは
ありませんよ。
ちゃんと考えて選んでほしいから、
お聞きしています。」
なぜなら、
私はお客様の持ち物を
減らすことが目的ではないからです。
どうして残したいのか。
何を大切にしたくて、
そのモノを持っているのか。
そこを考えないままでは、
作品が増えるたびに、
また同じことで
悩んでしまうかもしれません。
だからこそ、
今、考えてみてほしいんです。
「その作品を残したいのは、誰ですか?」
もう一つ、
よくお聞きする質問があります。
「その作品を残したいのは、誰ですか?」
お子さん自身が
残したいと思っているのでしょうか。
それとも、お母さんが
残しておきたいのでしょうか。
この質問をすると、
「あ、私ですね」
と気づかれる方が多いんです。
子どものために
残していると思っていたけれど、
実は、自分が
子どもの小さかった頃を忘れたくない。
頑張ってきた姿を覚えていたい。
そんな気持ちがあったことに気づかれます。
もちろん、お母さん自身が
残したいと思うことも、
立派な理由です。
お子さんが
もう必要としていなくても、
自分にとって大切な思い出なら、
残しておいていいと思います。
ただ、ここで
考えてみてほしいことがあります。
その思い出を大切にするためには、
作品をすべて残しておく必要が
あるのでしょうか?
お子さんが頑張ってきたこと。
一つずつできることが増えてきたこと。
成長してきたこと。
その積み重ねは、
作品だけに残されているわけではありません。
今のお子さんの姿にも、
これまでの成長が
表れているのではないでしょうか。
そんなお話をすると、
「確かに、そうですね」
と、今までとは違う見方が
できるようになる方も
いらっしゃいます。
残すか、捨てるか。それだけではありません
ここで大切なのは、
選択肢を増やすことです。
思い出のモノを前にすると、
「捨てる」
「全部残す」
この二つだけで
考えてしまうことがあります。
でも、本当に
その二つしかないのでしょうか。
例えば、たくさんある作品の中から、
特に思い出深いモノを選んで残す。
作品を写真に撮って、
形を変えて残す。
今まで箱に
しまい込んでいた作品の中から、
お気に入りの一枚を
選んで額に入れて飾る。
そんな方法もあります。
実際に、レッスンを通して考えた結果、
「これだけ残してみます」
と、ご自身で
数を選ばれる方もいらっしゃいます。
また、
「この一枚を飾ってみます」
と、しまい込むのではなく、
毎日目にする場所に
飾ることを選ばれる方もいます。
もちろん、
考えた結果、
全部残したい
という答えになってもいいんです。
大切なのは、
何となく手放せないから
残すのではなく、
自分が残したい理由を
理解して選ぶこと。
そこに違いがあると思っています。
片付けで、同じ悩みを繰り返さないために
私は、片付けのレッスンで、
いろいろな質問をします。
ときには、
「どうして、そんなことを聞くんだろう?」
と思われることもあるかもしれません。
でも、それは、
お客様を説得してモノを
減らしたいからではありません。
自分では当たり前だと
思っていた考え方に、
別の見方があることを
知ってほしいからです。
「子どもの作品は、
頑張った証だから全部残すもの」
そう思っていた方が、
「証は、作品だけに
あるわけではないんだ」
と気づく。
「捨てるか、全部残すかしかない」
と思っていた方が、
「自分が大切にしたい作品を
選んでもいいんだ」
と気づく。
そうやって選択肢が増えると、
自分で考えて、
納得して決められることも
増えていきます。
今回、作品をどうするか
決められたとしても、
これから先、
また別の思い出のモノが
増えるかもしれません。
そのたびに、捨てるか残すかで
苦しまないためにも、
自分が何を大切にしたくて、
そのモノを持っているのかを
考えることが
必要なのだと思います。
片付けは、
モノを減らすことが
目的ではありません。
自分が納得して、
持ち物を選べるようになること。
そして、これからも
モノが増えたり、
暮らしが変わったりしたときに、
自分で考えて選べるようになること。
私は、そこまでを
大切にしたいと思っています。
もし、ご自宅に
お子さんの作品が
たくさん残っているなら、
一度考えてみませんか?
その作品を残したいのは、
誰でしょうか?
そして、何を大切にしたくて、
残しているのでしょうか?
答えは、必ずしも
「捨てる」でなくていいんです。
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