片付けは、
「心地よい暮らし」を
目指すことから
始まるのではありません。
探し物をする。
戻すのが面倒。
床のモノが気になる。
そんな毎日の困りごとから、
「どうして、そうなっているんだろう?」
と原因を見つけていく。
なぜ今まで片付かなかったのかを
一緒に見つけ、
その方にできる方法を考えていく。
そんな片付けをお伝えしている、
整理収納コンサルタントの須藤昌子です。
今日は、あるお客様とのやりとりと
お客様の変化のお話をしていきますね。
「どこにしまえばいいですか?」に、すぐ答えなかった理由
先日、レッスンに参加された、
ゆかさん。
ダイニングテーブルの上に、
郵便物や書類が
いつもたまってしまうことに
悩んでいました。
片付けても、また置いてしまう。
食事のたびに端へ寄せて、
時間があるときにまとめて片付ける。
でも、また数日すると同じ状態になる。
そこで、ゆかさんから、
「書類を入れる場所を
作った方がいいですよね。
どこに作ったらいいですか?」
と聞かれました。
ここで、
「この辺りにボックスを
置いたらどうですか?」
とお答えすることもできます。
でも、その前に、
私はゆかさんに聞いてみました。
「そもそも、どうして
テーブルに置くんでしょうね?」
すると、
「すぐ確認しよう
と思って置くんです。
でも、そのままになっちゃうんですよね」
とのことでした。
だったら、収納場所を作れば解決する?
そこで、もう少し聞いてみました。
「テーブルにある書類って、
どんなモノですか?」
公共料金などのお知らせ。
学校から届いた書類。
あとで申し込もうと思っている案内。
すぐには判断できない郵便物。
いろいろありました。
そして、
「これを全部、
書類用のボックスに入れたら、
困っていることはなくなりそうですか?」
と聞いてみました。
すると、ゆかさん。
少し考えて、
「いや……多分、
今度はボックスの中にたまりますね」
と。
そうなんですよね。
テーブルの上からはなくなる。
見た目もきれいになる。
でも、
置く場所が
テーブルからボックスに変わっただけ。
これでは、
ゆかさんが困っていることそのものは、
なくならないかもしれません。
「私、しまう場所に困っていたんじゃないんですね」
そこで、
「じゃあ、どうして
たまってしまうんでしょう?」
と聞いてみました。
すると、
「あとでやろうと
思っているモノが多いからですかね」
とのこと。
「どうして、
あとでになるんでしょう?」
「その場でどうしたらいいか、
決められないからかもしれません」
さらに話していくと、
ゆかさんがポツリと、
こんなことをおっしゃいました。
「私、書類をしまう場所に
困っていたんじゃないんですね」
「どうするか決めていないモノを、
とりあえずテーブルに
置いていたんだと思います」
ここが分かると、
考えることも変わります。
「どこに収納する?」
ではなく、
「その場で決められないのは、なぜ?」
になったんです。
「じゃあ、私が決められるようにすればいいんですね」
例えば、
家族に確認しなければ
決められないモノ。
期限まで保管しておくモノ。
申し込みをするモノ。
読んだら役目が終わるモノ。
ゆかさん自身が、
「私は、ここが曖昧だったから、
とりあえず全部置いていたんですね」
と気づきました。
そして、
「だったら、
まずは私が迷わないように
分け方を決めた方がいいですよね」
と。
最初にゆかさんが知りたかったのは、
「どこにしまえばいい?」
でした。
でも、話していくうちに、
本当に必要だったのは、
収納場所を
教えてもらうことではなかったことに、
ご自身で気づかれたんです。
すぐに答えが分かることが、一番親切とは限らない
片付けに困っていると、
早く答えが欲しくなります。
「これはどこに置けばいい?」
「どう収納すればいい?」
「何を買えばいい?」
もちろん、
具体的な方法が必要なこともあります。
でも、
その答えで今日きれいになっても、
困っている理由がそのままなら、
また同じことが起こるかもしれません。
ゆかさんの場合も、
「ここに書類ボックスを置きましょう」
だけだったら、
その日はテーブルが
きれいになったと思います。
でも数か月後、
今度は、
「書類ボックスが
いっぱいになりました。
どうしたらいいですか?」
と悩んでいたかもしれません。
だから私は、
今あるモノを
どこにしまうかだけではなく、
この先、同じことで
困らないためには何を変えればいいのか
まで考えることが大事だと思っています。
片付け方を覚えるより、自分で考えられること
暮らしはずっと同じではありません。
家族も変わる。
仕事も変わる。
年齢とともに、
今まで平気だったことを
面倒に感じることもあります。
そのたびに、
誰かから新しい片付け方を
教えてもらわなければ
困るのではなく、
「今、私は何に困っている?」
「どうして、こうなった?」
「だったら、何を変えたらいい?」
と自分で考えられたら、
暮らしが変わっても、
また自分で選び直すことができます。
ゆかさんも最後に、
「収納方法を聞けば解決すると
思っていました。
でも、聞いていたら、
また違うところで
困っていたかもしれませんね」
とお話しされました。
今、片付くことと、
この先、片付けに
困らなくなることは、
同じではない。
片付けに困ったとき、
すぐに、
「どうしたらいい?」
と方法を探す前に、
一度こんなふうに考えてみてください。
「私は、本当は
何に困っているんだろう?」
その答えが見つかると、
必要だと思っていた
片付け方そのものが、
変わることもあると思います。
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