夫の母は、生まれつき病弱だったそうです。
7、8年前に肺炎をこじらせて亡くなりました。
夫は多分、小さい時から病弱のお母さんを手伝っていたんでしょう。
家事全般、私より出来ます。
おまけに年の離れた妹弟がいましたので、育児まで出来ました。
子供のおむつ替えもお風呂も最初から上手でした。
夫は、自分で気づいた家事をぱぱっとやっちゃいます。
エアコンの中の掃除とか、排水溝の掃除とか、お風呂のカビ取りとか、
便座の裏の汚れ落しとか、その他もろもろ、知りもしなかった私。
そんな夫を持った専業主婦の私は、かなりのプレッシャーを勝手に
感じていました。だって、私の存在価値がないじゃないですかっ!
だんだん、そんな行動をする夫が、当てつけがましい嫌味なやつに
思えてきました。家事をする夫の背中を見て、「こんなことも
気付かないのかよっ。」と言われているように勝手に感じて、落ち込んだり
腹を立てていました。
夫の母が亡くなった時、夫の実家で昔のアルバムを皆で見ていました。
そのなかの1枚の写真には、夫の両親と姉とまだ2歳くらいの法被を着た夫が
写っていました。お祭りの時の写真です。みんな嬉しそうに笑ってます。
なんてことはないよくある家族写真に、私には見えました。
夫はその写真を見て、「こんな元気なお母さんと話してみたかった」と、ぽつりと
言いました。
私の知っている夫の母は、大体いつも寝込んでいました。私たちが訪ねると、
上体だけ起こして少し話するくらいでした。
夫のこの言葉を聞いたとき、夫がひゅーと小さい2歳のかわいい男の子に
見えました。ちょうど、下の子の年齢です。かわいい盛りです。
私は、夫とお母さんがかわいそうでかわいそうで席を外して
泣いてしまいました。
夫が、妻や母というものに求めているのは、「元気でいること」なんだと
気付きました。
ハードル低っ!
直接夫に確認したことはないんですが、まあ、そう考えると、私も気が
楽なんで、そう思うことにしています。
私の父は、商売をしていましたが、あまり商売上手ではないと思います。
借金もあって、母が毎月の支払いに苦労しているのを見て育ちました。
私の夫はサラリーマンで、毎月お給料が入ります。そのおかげで私は、
月々の支払いを気にせずに生きられています。夫には本当に感謝しています。
私も大学出てすぐ、正社員で働いたことがあるのですが、1年ちょっとしか
もちませんでした。だから、もう20年以上、働き続けている夫をめっちゃ
尊敬しています。私にはそんなこと一生出来そうにありません。
上の子が生まれる前に、私は2度流産しました。それまでの人生で
一番辛い出来事でした。
不思議ですね。それまで、気にならなかった親子連れやおむつのCMが
私の心をグサグサ刺します。家に一人でいると、意味もなく涙が流れます。
まあ、意味はあったんでしょう。でも、そのときは気付きませんでした。
そんなことがあったので、私は妊娠期間を全く楽しめませんでした。
また、流産するのではないかと、いつもビクビクしてました。
上の子が生まれた時、「生まれてきてくれて、ありがとう。よく、がんばったね。」
と、言いました。
私も人の親ですから、子供に常日頃、ついつい口うるさく言ってしまうことは
よくあります。でも究極、子供に求めていたのは、「生まれてきて。」ということだけ
だったので、まあ、後は楽しいおまけみたいなものだと思っています。
子供が思うようにならなくてイライラした時は、生まれてきてくれた瞬間の
自分の気持ちに帰るようにしています。
「生まれてくる」って、うちの子にはとても難しいハードルでした。3回目で
やっと成功です。下の子の時は、妊娠中大出血して、私は、3週間
病院で絶対安静。
ベッドの上で排便するように言われたのですが、恥ずかしいとか
そういうのじゃなくて、なぜかどうしても出来ない。
看護婦さんが、そういうふうに(ベッドで排便してはダメ、トイレで
排便しましょうねということ)育てられているので、出来ない方は
多いですとおっしゃっていましたが、そんなもんですかね。
結局、部屋に簡易便器を置いてもらって、普通に座ってしました。
退院後も、出産するまで自宅でなるべく安静にと言われてました。
とまあ、結構苦労したので、生まれてきてくれただけで親としては
大満足。うちの子は、「生まれてくる」という親のハードルをもう
飛び越えちゃってます。
子供といつまで一緒に暮らすか分からないけど、元気で楽しく暮らして、
その後は、自分の人生を生きてってほしいと思っています。
ですので、いつも元気で笑っていられるように、あんまりがんばらずに
のんびり生きようと思っていたのですが、最近、下の娘に
「ママ、私より長生きして。」って言われました。
ハードル高すぎやろっ!
でも、この年末見たテレビで、長寿のお年寄りにインタビューしていたんですが、
長寿の秘訣は何ですかという質問に、
・いっぱい笑うこと
・のんびり生きること
・趣味を持つこと
と答えていた人が多かったので、まあ、特にがんばらなくてもこのままでも
結構いけるんかなと思いました。
ママに長生きしてほしい理由は、ご飯が食べられなくなるからだそうです。
娘よ、最近はコンビニもあるので食事くらいどうにでもなるで。
安心してね。
めんどくさがりのまだ9歳の娘に
「ママよりは生きれば」と言っときました。