ながらく積ん読だった『虹のナターシャ』をやっと読んだ。
原作付きだけど大和和紀らしい怒涛の波乱万丈。
『はいからさんが通る』『NY小町』『ヨコハマ物語』あたりの、ちょっと昔の日本。西洋の文化への憧れと大和魂がせめぎ合っている時代の大波にもみくちゃにされながら、押し流されない強い女性の美しさと可憐さがあった。
主人公のナターシャが可愛い!!
ロシア人と日本人の合いの子(合いの子って表現久しぶりに見た。そういや昔はハーフのこと合いの子って言ってたよね。今はダブルっていうのがトレンドだっけ?)。
上海育ちで男言葉を話す美少女。
涙もろくて明るくて生命力が強い。
大和和紀のヒロインだね〜
ロマノフ王朝の終焉の描写は『はいからさんが通る』を思い出した。ラリサ、再読するほどに憎めなくなってくる。
だけど冒頭は読みにくかった。
パパ男爵のことがムカついてムカついて!
なんだこいつ……
いい話風に語ってるけどクズやん。
日本の妻子がいるのに黙ってアナスタシア(ロマノフ皇女と同じ名前の侍女)とイチャイチャして、庶子を産ませて引き離したあげくにやっぱ日本に連れてくのやーめた!って中国に置きっ放しにして、死の床で呼び寄せたと思いきや、割り切れない気持ちだから冷たく当たるって…!
あー腹たつ!
おぼっちゃん貴族サンジョーも好きになれない。
そりゃハンサムだけどさ!
ナターシャに会う前は仲よさげだった婚約者梅子への態度、ひどくない?
梅子が鬼になったのは完全にサンジョーのせいだ。
ちょっとトンチンカンなとこはあるけど、腹違いのナターシャにも優しくしてあげようって思ってた淑やかな令嬢だったのに。
ピアノ演奏の才能はないけど下手の横好きな梅子が可愛くて好きだった。悪役っぽいかんじになっちゃってたけど、わたしはホントは良い子だって知ってるからーっ
松子ママもいじわるな継母扱いされてかわいそう。
そんなん、そうなるよー!
さほどイジワルはしてない方だよ!
幼馴染のタケシにしとけばいいのに。
タケシほどいいオトコはそうそういないよ?
好きな音楽へも真摯に向き合ってるし、器はでかいし、たくましくて人に好かれるし、サンジョーに負けてるのなんて家柄くらいよ。
パトロンがいなくなって音楽の道に逆風が吹いたからってあっさり左翼活動に没頭しちゃうサンジョーでいいの?もう〜
桐山もナターシャに惚れてたけどそんなの言わないし、男気あったよね。
ヒロインが強くて魅力的な分、大和和紀漫画のヒーロー枠は頼りない優男になっちゃうのかなあ。
いつも脇役当て馬男子の方がいいのに!っておもってしまう。
(とはいえ、サンジョーも見せ場がないわけではない)
ナターシャをとりまく人々の中で一番魅惑の人だったのは川島芳子だけどね〜
川島閣下、かっこいいし色っぽいし怖いし可愛いしかっこいいしおいしいとこさらってくし素敵だった。
そしてなにより、昭和初期の混沌ていい。
愛新覚羅家が出てくるだけでワクワクする。
(ちょっとしか出てこないけど)
満州国、魔都上海、みるくほうる、帝国陸軍……
わくわく。
ラストは駆け足だった。
風呂敷畳み出した?って急展開。
御都合主義ではあるけど、ラストがきれいにまとまってて読後感がいい。
大和和紀はきっちりまとめてくれる安心感がある。
ヅカ版は観てない。
華やかだし歌うシーンが多いからヅカに合いそう。
大和和紀版大河ドラマな漫画たち
来月に発売予定の画業55周年本
絶対に買う……!!
