宇宙ステーションでの事故。
宇宙空間に漂う破壊された断片のなかという絶体絶命の密室。
そこで生き残った人々はいかにして生き伸びるのか?
・・・という、サバイバル(大好物!)
宇宙ものなので「真空」が大きな障害になります。
この問題をどうクリアすべきか、と。
ネタバレになるのであんまり触れられませんが、「真空」についてはラスト近くにそんなのアリ?っていうネタがぶっ込まれてます。
SFファン的にはあれはアリなんですか?
宇宙もので一番好きな作品が「銀英伝」ていう、思考が重力に支配されたわたしにはそのへんの判断がつかないんですが。
それはそうと、たいへんおもしろく読めました。
登場人物の個性のとんがりっぷりがハンパなくてね!
どいつもこいつも・・・協調性ないわ―
出てくるキャラの誰とも友だちにはなりたくない。
だけどキャラとしては魅力がある。
功や甘海はいそうだな。そこらじゅうにいそう。
功はようするにお子様(ガキ)なのよね。
キトゥンはエキセントリックすぎるけど、神田うのとか梅宮アンナのようないけすかないエセセレブの我儘で自己チューな部分を抽出したと考えると、こんな人間がいてもおかしくない気はする。ちょっと憎めない。かわいいは正義かー!
田窪とその愛犬ペテルギウス号は一番好感がもてた。
兄妹は子どもらしいこども。
門前と久我山はどっちもどっち。
二ノ瀬は、まあ、主人公よね。うん、主人公だわー
読後感も爽やかでした。
SFが好きな中学生や高校生ならきっとすごくハマるんじゃないかな?
書きようによっては読書感想文も書きやすいんじゃないかと思う。
後味も悪くないし、胸糞悪くなるようなこともない。
小難しい用語は斜め読みでもオッケーです。
軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。その残骸と月往還船からなる構造体は、無数の死体とともに漂流を始める。だが、隔離された気密区画には数名の生存者がいた。空気ダクトによる声だけの接触を通じて生存への道を探る彼らであったが、やがて構造体は大気圏内への突入軌道にあることが判明する…。真空との絶望的な闘いの果てに待ち受けているものとは?―小川一水作品史上、最も苛酷なサバイバル。
