jボクは今でも覚えてる。
かぁちゃんと出会ったあの日のことシュナウザー



それまでのボクは
『人間』に優しくされた事がなかったんだ。

ただ。。
いつもお腹がすいていた。。

ボクには兄弟がいた。

でも兄弟たちはある日突然
いっぺんに居なくなった。

それからのことはよく覚えてない。。

ボクの体には兄弟とは違うところが
たくさんあったんだ。

耳は片方だけいつも立ってて
倒れるときは後ろに倒れちゃう。
鼻の頭からはいつも血が出た。
あばらには変形があって
横に飛び出す小さいけど尖った骨がある。
お腹はいつも痒くて痛かった。。。


お腹がすいて
あっちこっち痒くて痛くて
ボクはもう疲れちゃってた。。
でも気がついた時にはもうそんな毎日だったからそれが普通のことだと思ってた。

そもそも幸せとか不幸って
何なのかすら分からなかったんだ。

そんな時。。

ひとりぼっちで車に乗せられて
知らない所に連れていかれた。

ボクは怖かった。

知らない人が僕の顔をのぞきこんで
ボクを触らずに黙ってドアを閉めた。
そして車の外で大きな声で
ボクが今まで同じ屋根の下で暮らしていた
『人間に』怒鳴ってたんだ。

その声が凄く怖かった。。

次に車のドアが空いたとき
『その人』はぼくに『おいで』と言ったけど
『おいで』の意味も分からないし
ボクにはその人のそばに行く
勇気も力も無かったんだ。

『その人』はボクを抱っこして
『大丈夫だよ。元気になろうね』と言った。

ボクは初めて会った『その人』に抱えられて
何だか嫌な臭いがする場所に連れていかれた。

そこでボクは沢山の針を射されて
鼻から変なものを突っ込まれて
ただ怖かった。

『いやだ!なんでそんな酷いことするの?』

『ボクはただ静かに生きていただけなのに』


でもボクには抵抗する気力も
逃げ出す体力も無かったんだ。。

針を刺されたまま
鼻に何かを突っ込まれたまま
何日そこにいたんだろう。。

ひとりぼっちで心細かったけど
『その人』は何度もボクに会いに来た。

『大丈夫だよ。元気になろうね』

『がんばれ!がんばれ!』

『その人』はボクの顔をのぞきこんで
何度も何度もそう言った。


ボクがそこから出られたのは
白いものが空から落ちてくる寒い日だった

何だか体も軽くて
力が湧いてきて
ワクワクしたのを覚えてる。

その日
『その人』は泣いてた。。。

『どうして泣いてるの?』

ボクは『その人』の涙を
なめてあげたんだ。


ボクはその夜
生まれて初めて名前をもらった。

『君の名前は「カイ」だよ』

『海のように大きく強く逞しくなるように私が考えました』

『私を君のお母さんにしてくれますか?』

『良ければ今日から私を
かぁちゃんと呼んでくださいね。』


ボクはその日いっぺんに
かぁちゃんとお兄ちゃんとお姉ちゃんが出来ました。


お兄ちゃんはおっきくてマッチョでカッコ良かったんだ。


お姉ちゃんは優しくてちょっとぽっちゃりで凄く美人だった。

夜はお兄ちゃん達は『かぁちゃん』と一緒に寝てたけどボクはケージってとこに布団を置いて貰ってそこに寝てた。

何日かそこで寝たけど
でもそこでひとりぼっちで寝るのも
段々寂しくなって。
ある日勇気を出して
みんなが寝てるところに行ってみたんだ。

そしたら『かぁちゃん』が
『おいで』って布団をあげてくれた。

『おいで』ってくっついていいってことなんだ。。。

ボクはその日初めて『おいで』の意味を知ったよ。


毎日ご飯をたべた。
毎日あそんだ。
毎日暖かい布団で寝た。

ボクにとっては全部が
生まれて初めてのことだった。

お薬や注射も頑張ったよ。
ご飯の食べ方も上手になったよ。
チッコもあんよをあげて出来るようになった。
遠吠えも蹴り蹴りも兄ちゃんが教えてくれた。



ボクは立派な大人になったよ

大人になってからも
具合が悪くなって入院したり
ギックリ腰で歩けなくなったり
おっきな手術をしたり
みんなにはいっぱい心配かけてるけど

でも。。

ボクは元気だよダンス



ボクはずっと忘れない。。。

今までボクに優しくしてくれた人達のこと。

いつもこの場所で僕たちの元気を応援してくれるみんなのことを。。

みなしゃん。いつも本当にありがとう嬉



あの時。
『あと3日遅かったらこの子は助からなかった』と必死に海の命を繋いでくれた主治医には今も感謝の気持ちでいっぱいです。

当時。
ブリーダー紛いの事をしていた知り合いが
状態が悪く商品価値が無かった子を
見殺しにするように世話を怠り
なかなか死なない子犬を保健所に連れていく直前で私の所に連れてきました。
それにどんな意図があったのかは私には分かりません。

でも私は『大切な命』を
お金儲けにしか考えてない
愚かな彼女のことを
今もこれからも許すことはありません。


今日もお付き合い頂きまして

ありがとうございましたぺこり