千代田化工の命運握るカタール、LNG首位死守へ攻勢 | 【ヒト・モノ・カネをテキサスへ】

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世界最大の算出量となるサビンパスLNG
その対岸にカタールがLNG生産に乗り出す話題
 

千代田化工の命運握るカタール、LNG首位死守へ攻勢 (2019/3/15 日本経済新聞 松尾博文)

 
中東産油国のカタールが液化天然ガス(LNG)の拡大路線へ戦略のかじを切った。米国で生産事業に投資し、自国でも巨大設備の増設計画を進める。狙いは生産国ナンバー1の死守。その動きは千代田化工建設の経営再建の行方も左右する。
 
米国南部を流れるサビン川は、ルイジアナ州とテキサス州を分ける州境である。メキシコ湾に注ぐ河口近くのルイジアナ側に、米シェニエール・エナジー社のサビンパスLNGがある。2016年にLNGの輸出を開始したこの工場は、シェール革命を追い風に米国がLNG輸出国に加わる第一歩となった象徴的な場所だ。

その対岸のテキサス側に別のLNGタンク群がある。海外からLNGを輸入するためのゴールデンパス受け入れ基地だ。カタール国営石油(QP)と米エクソンモービルは2月、この施設をLNGを生産・輸出する施設に変えるための最終投資決定を下した。

カタールは米国でLNG生産に乗り出す(ゴールデンパスLNG基地、テキサス州)

ゴールデンパスはカタールにとって、初めてとなる海外でのLNG生産事業だ。首都ワシントンで実施された調印式で、QPの最高経営責任者(CEO)でもあるサアド・アルカービ・エネルギー担当相は「これで終わりではない。QPは米国のエネルギー分野に200億ドル(2兆2200億円)を投資する」とぶち上げた。
 
カタールのLNG生産能力は年7700万トン。10年にこの拡張工事が完了した時には他を圧倒したが、LNG需要の拡大に伴う生産国の多様化がカタールの地位を脅かしつつある。すでにオーストラリアに抜かれた可能性があり、多数の計画が進行する米国にもいずれ追い抜かれる。
 
カタールは1月に石油輸出国機構(OPEC)から脱退した。石油に背を向け、天然ガスに懸ける同国がこだわるのはLNGの王者であり続けること。そのための反転攻勢の一つが米国上陸だ。シェールガスと競うのでなく、自ら取り込み利用する戦略だ。
 
カタールのアルカービ・エネルギー担当相は米国に200億ドルを投資すると意気込む
 
もう一つがカタール国内の増産だ。カタール政府は7700万トン到達後、新規開発を長らく凍結してきたが、ここに来て1億1000万トンへ引き上げる計画に着手した。24年ごろをめどに、合計3300万トンを一気に上乗せする強気の増産だ。
 
QPは4系列を計画する生産設備ごとに海外のパートナーと合弁会社を設立する方向だ。エクソンモービル、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、米シェブロン、仏トタルのメジャー(国際石油資本)が名乗りを上げているとされる。
 
ここに千代田化工が登場する。カタールがLNGの生産を開始したのは1996年。それから10年あまりで7700万トンへ駆け上がる急拡大を支えたのは同社だった。
 
カタールの首都ドーハから北へ60キロメートルの場所に、国家運営の心臓部であるラスラファン工業地区がある。千代田化工はここに建設された14系列のLNG生産設備すべてに関与し、そのうち12系列については設計から資機材の調達、建設まですべての業務を担った。
 
最盛期には80カ国、7万5000人の労働者を動かし、単一設備では世界最大となる年産780万トンのプラントを6系列連続して建設した実績は、エンジニアリングビジネスの歴史に輝き、千代田化工はLNGプラントの世界4強の一角の地位を不動のものとした。

その千代田化工がつまずいたのもLNGだった。

ゴールデンパスLNGから東に60キロにあるキャメロンLNG(ルイジアナ州)は完工間近にある。三菱商事三井物産が液化事業に加わるこのプロジェクトなどで、プラント建設を請け負った千代田化工は大幅赤字を出し、18年4~12月期の連結最終損益は1281億円の赤字になった。

カタールはLNG生産の首位維持へ強気の増産を計画する(ラスラファン工業地区)=AP
 
カタールでキャメロンの何倍も大きい案件を手掛けた千代田化工が米国で失敗したのはなぜか。突き詰めると米国でのプロジェクト慣行への不慣れがある。千代田化工幹部は「中東では技術者や作業員を協力会社(サブコントラクター)を通じて集めるが、米国では元請けが自前で抱える」と言う。

中東案件の場合、千代田化工はコンソリデイテッド・コントラクターズ(CCC)など現地事情に通じたエンジ会社と長年組み、自社では必要以上の人員を持たない。自前でそろえる必要がある米国では、シェールブームの下で奪い合いになっている良質な熟練工確保に出遅れた。

千代田化工は筆頭株主である三菱商事に支援を要請済み。3月末をめどに再建策をまとめる予定だが、三菱商事単独での支援には限界がある。一方、LNGプラントは日本が誇る得意分野だ。中国や韓国のプラント会社もこの技術が欲しい。

政府系金融機関首脳は「千代田化工のエンジニアリング力が落ちたわけではない」と指摘する。LNGプラントの技術をどう残すのか。千代田化工の再建は日本政府が掲げるインフラ輸出戦略にも影響する。

千代田化工にとって追い風はカタールも同社を必要としていることだろう。カタールの増産に使う液化プラントは1系列あたりの大きさが世界最大級になる可能性がある。熱交換器やガスタービンなどひとつひとつの機器も大型化する。この規模を手掛けた経験があるのは千代田化工だけだ。

ゴールデンパスLNGは米社と組んだ千代田化工の連合が設計・調達・建設を受注した。LNGプラントの雄であり続けるためには、QPが19年中にも発注する巨大案件も逃すわけにいかない。

  

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