令和7年度 決算特別委員会
今回の決算特別委員会では、第一子保育料無償化による保育需要の変化、待機児童対策、保育士の人材確保などについて質問しました。
保育料の無償化は、子育て世帯の経済的負担を軽減する大切な施策です。
一方で、保育を希望する家庭が増えたとき、自治体が十分な受入体制を確保できるのかという課題もあります。
そこで今回の質疑では、待機児童対策、今後の保育計画について質疑を行いました。
・6年ぶりに待機児童が発生。需要予測は十分だったのか?
練馬区では待機児童ゼロを継続してきましたが、今年4月、6年ぶりに21人(令和8年4月1日時点)の待機児童が発生しました。
全員が1歳児(大泉地区17人、石神井地区2人、光が丘地区2人)となっています。
東京都全体でも待機児童が増加しており、令和7年9月から始まった第一子保育料無償化によって、保育需要が変化したことが背景の一つと考えられます。
私は、無償化によって保育を希望する家庭が増えることは、ある程度想定できたのではないかと考え、区の需要予測について質問しました。
区の答弁では、保育園の申込者は前年より363人増加し、その約9割が0~2歳児だったとのことです。
また、現在の第三期事業計画は無償化の公表前に策定したため、その影響を見込めなかったと説明がありました。
区は今年度、計画を前倒しで見直し、保育需要を改めて見極めていくとしています。
重要なのは、単に区全体の定員を増やすことではありません。年齢や地域によって需要が異なるため、必要な場所に必要な受入枠を確保することが求められていると考えます。
・保育料無償化で増える自治体の負担は
無償化は保護者にとって大きな負担軽減となりますが、保育需要が増えれば、自治体側には施設整備や利用調整、保育人材の確保といった新たな負担が発生します。
区に財政面・事務面への影響を確認したところ、保育料の徴収事務は不要になった一方で、受入枠の確保などに新たな負担が生じているとの答弁でした。
また、東京都の「緊急一歳児等受入事業」は、私立認可保育所などを対象としており、区立園は補助対象外です。
区からは、補助対象の拡大や施設整備費への支援拡充を東京都に要望しているとの説明がありました。
保育料を無償化するだけでなく、増加する需要に対応するための財源や人材についても、制度を実施する東京都と受入体制を整える区が連携していく必要があると考えています。
・保育士不足について
待機児童対策として施設を増やしても、実際に働く保育士が確保できなければ、子どもを受け入れることはできません。
特に小規模な保育事業者では、新たな保育士の採用そのものが大きな負担となります。
今回の質疑では、見なし保育士制度の活用状況について質問しました。
保育士不足から、従来の保健師・看護師に加え新たに理学療法士も可能となります。
保育士の処遇改善は図られてきていますが、それでも保育士給与はいまだに産業内でも決して高くありません。
みなし保育士として採用できる人材も保育士採用となりますので、それぞれの資格の業界年収と比べると低くなります。
それでも保育士として働区現状があるのか。
区からは、理学療法士に関する新たな制度の活用実績はまだ把握していないとのことですが、
保育士の適正配置の確認などで保育士の状況を把握していると言うことですので
この制度がどの程度現場でみなし保育士として制度が活かされているのか、確認していきたいとおもます。
・人材派遣紹介手数料に助成を
就職お祝い金の実施状況、人材紹介会社を利用した場合の紹介手数料への支援について質問しました。
かつて就職お祝い金によって、保育士の職場定着率の低下、手数料への価格転嫁による手数料高騰化が指摘されていました。
現在では、人材紹介業界での就職祝い金は原則として廃止されていますが、
廃止になった今も、紹介手数料は高額なままとなっています。
江戸川区では、人材紹介会社等を利用した際の手数料への支援にも取り組んでいます。
練馬区でも、既存の宿舎借上げ支援などに加え、採用に直接かかる経費への支援も検討する必要があると考えます。
まずは、各保育施設が採用にどれほどの費用を負担しているのか、どのような理由で離職が生じているのかなど、実態を把握することが重要であると考えます。
・施設整備は複数の検討を
今回、私が特に取り上げたかったのが、急激な需要増加に対して、民間保育施設だけに負担を求めない仕組みです。
第一子無償化により保育利用者が急増しましたが、少子化が進む中、今後も保育需要が増え続けるとは限りません。
今年度の待機児童発生を受け、新規施設整備を計画しています。
3〜5歳児には区内全体を見ても空きがある中、0〜5歳に対応した保育所を整備する計画です。
新しい保育所を整備することは必要な対策の一つですが、将来的に需要が減少した場合には、既存園の経営にも影響する可能性があります。
そこで、既存の区立施設などを活用した、時限的な公設公営保育所の整備について質問しました。
(以前にも質問しています:令和8年度予算特別委員会~こども家庭費~倉田れいか質疑編 | 練馬区議会議員 倉田れいかオフィシャルブログ「人に優しい練馬を」Powered by Ameba )
区からは、施設基準を満たす施設や職員の確保といった課題があるものの、公設公営という選択肢を除外せず、保育ニーズに応えられるよう取り組むとの答弁がありました。
一時的な需要増加への対応と、長期的に安定した保育環境の維持と、その両方を考えながら、柔軟な対策を講じていくことが必要です。
第一子保育料無償化は、子育て世帯の経済的負担を軽減する一方、保育の受入体制にも大きな影響を与えています。
だからこそ、新設園の整備だけでなく、既存園の施設改修、練馬こども園低年齢型、一年保育事業、必要に応じた時限的な公設公営など、複数の方法を組み合わせることが重要だと考えています。
また、保育士の人材確保についても、各事業者の努力だけに頼るのではなく、行政がどのような支援を行えるのか、引き続き確認していきます。
子育て世帯の経済的負担の軽減と、必要なときに安心して保育を利用できる環境の整備。この二つを両立できるよう、今後も取り組んでいきます。
