第一子保育料無償化で何が起きているのか

先日の予算特別委員会(こども家庭費)において、
第一子保育料無償化による保育需要の急増について質疑を行いました。

 

   0~2歳児を中心に、想定を超える申込み増

 

令和8年度4月入園の一次申込みでは、
0~5歳全体で前年比345人増、
特に 0歳児・1歳児・2歳児で317人増と、低年齢児の需要が顕著に増えています。

区はこれまで、待機児童ゼロを5年連続で達成してきましたが、
今回の無償化は、過去の無償化時の経験を踏まえた推計をも上回る影響となりました。

 

  少子化なのに、なぜ保育需要が増えるのか

 

練馬区の出生数は平成28年以降、一貫して減少しています。
それにもかかわらず、保育園申込みが急増している背景には、

  • 共働き世帯・女性就業率の上昇

  • 第一子保育料無償化による経済的ハードルの低下

  • これまで「在宅等」で子育てをしていた層が、保育利用へ動き出したこと

があると考えられます。

実際、幼稚園・保育園・在宅等児童の割合は、
かつての「1:1:1」から、現在は「1:3:1」へと大きく変化しています。

在宅等児童の割合は、変わりませんが、無償化によって、特に0歳児の保育料は他の年齢に比べて高額で、それが無償となったことは、預けようと考えるきっかけになったものと考えられます。

 

  1・2歳児需要の高止まりと「前倒し入園」

 

育児休業制度の拡充により、育休を長く取る家庭が増えた一方、
制度上、2歳を過ぎると育休延長ができないため、
2歳児の保育需要はここ数年、常に高水準です。

さらに今回の無償化により、
「2歳まで待たず、早めに預けて働こう」
「1歳で入れないなら、0歳から申し込もう」
という需要の前倒しが起きる可能性も指摘しました。

 

   一年保育は限界に近づいている

 

区はセーフティネットとして「一年保育」を実施してきました。

今年度は1歳児16園、2歳児2園の計18園で実施、

来年度は1歳児・2歳児あわせて22園で実施予定ですが、
保育士確保や実施場所には限界があり、
急増する需要すべてを一年保育で受け止めるのは難しいのが現実です。

 

   民間だけにリスクを押し付けてはいけない

 

低年齢児保育は、配置基準が高く、人材確保も難しい分野です。
少子化が進む中、民間事業者に
「需要増に合わせて整備し、将来は撤退も覚悟する」
というリスクを過度に負わせることは現実的ではありません。

 

  提案:時限的な「公設公営保育」の活用を

 

そこで私は、

  • 需要のピーク期間に限定した

  • 0~2歳児に特化した

  • 時限的な公設公営保育園

という選択肢を、計画見直しの中で検討すべきではないかと提案しました。

公立施設の用途転換での活用が考えられます。

職員の確保については、今年度、区立直営園の運営維持に必要な職員採用が再開されました。

今後も退職等による減少が見込まれることから、区立直営園を維持していくために、職員採用は実施していく状況にあることから、職員採用の前倒しなどを組み合わせれば、
緊急時の受け皿として、公設公営が果たせる役割はあるはずです。

  まとめ

 

練馬区はこれまで12年間で9,400人以上の保育定員増を実現し、
待機児童対策を全国トップクラスで進めてきました。

だからこそ、
第一子保育料無償化という大きな制度変更による急激な需要変化に対しても、
これまでの延長ではなく、踏み込んだ対応が必要
だと考えます。

いま、預けられなくては意味がない。待機児童対策はスピードをもって対応しなくてはならないと思っています。

来年度予定されている計画見直しにおいて、区民が「入りたくても入れない」状況を生まないため、
時限的・公的な対応も含め、速やかな検討を強く求めました。