自身で立ち上げた雑誌社の編集長、25歳のアンナ・オグルヴィは、アンナと雑誌社を共同で経営していた同僚2人が刺殺された現場近くで、ナイフを手にしたまま眠っている状態で発見され、4年間も彼女は眠り続けている。
犯罪心理学者で、睡眠に関する専門家のベンは、アンナを目覚めさせ刑事責任を問えるかどうか見極めるため、治療にあたることになるのだが…。
犯罪心理学者で、睡眠に関する専門家のベンは、アンナを目覚めさせ刑事責任を問えるかどうか見極めるため、治療にあたることになるのだが…。
なんとも企みと謀りに満ちた小説!
前半はアンナも眠っているだけなので、何が描かれているのかよく分からないまま進み、退屈に思える人も多いかも知れません。
けれど、最後まで読んでその企みに震えて欲しい、そう思えるミステリーでありサスペンスです。
2人を殺害した後、眠り続けること4年のアンナの物語。
それを基本的には心療内科医のベンによって描かれていくのですが、そこにベンの別れた妻で刑事のクララ、ベンの上司であるブルーム、それにアンナについての真実を暴こうとするジャーナリストのローラと彼女が読むアンナの日記などが挿入されて構成されています。
それらを断片的につなぎ合わせて読んでいくと、読者は色々と気になったり変に思ったりすることが、いくつも出てくるかと思います。
そして、それらはどうもチグハグというか、整合性が取れていないかのように感じるのではないでしょうか。
【以下、ネタバレあり注意! 未読の方は画像の下からはスルーで】
前半はアンナも眠っているだけなので、何が描かれているのかよく分からないまま進み、退屈に思える人も多いかも知れません。
けれど、最後まで読んでその企みに震えて欲しい、そう思えるミステリーでありサスペンスです。
2人を殺害した後、眠り続けること4年のアンナの物語。
それを基本的には心療内科医のベンによって描かれていくのですが、そこにベンの別れた妻で刑事のクララ、ベンの上司であるブルーム、それにアンナについての真実を暴こうとするジャーナリストのローラと彼女が読むアンナの日記などが挿入されて構成されています。
それらを断片的につなぎ合わせて読んでいくと、読者は色々と気になったり変に思ったりすることが、いくつも出てくるかと思います。
そして、それらはどうもチグハグというか、整合性が取れていないかのように感じるのではないでしょうか。
【以下、ネタバレあり注意! 未読の方は画像の下からはスルーで】
【ここからネタバレ】
けれども、本書の終盤で明らかになるのは、これまで読者が読んできたもの、それは実は、4年間の眠りから目覚めたアンナが真実だと思って書いた本そのもの。
実はメタ小説だったということが判明すると、これまで読んできたその印象はがらりと変わるはずです。
ただ、アンナが書いた物語だという事が明らかになる部分、そこをさらりと読んでしまってそのことに気付かないままで読み終えてしまうと、本書の感想や評価も違ったものになりそうですね。
実際、気付けなかったという読者も意外に多いようですし、先に本書を読み終えていた妻にそのことを話すと「え?そうだったの?!」と驚いていました。
もっとも気付かなくても、読み終えた後にもう一度読んでみたくなるほど面白かったようですが。
さて、アンナが書いた物語だというと、自身で雑誌を作っていたとはいえ、プロの作家ではないアンナなので、いろいろツッコミどころがあるままなのも納得できるものが。
そして著者自身や本国や日本の出版社も公表はしていませんが、実は日本では同時期に刊行された『スパイたちの遺灰』のマシュー・リチャードソンと同じ作家だということもポイントじゃないでしょうか(調べるとすぐに分かってしまうそうです)。
そう、『スパイたちの遺灰』で緻密な物語を描いた著者だけに、アンナが書く物語も、実はわざと少し稚拙に描くことで読者をミスリードさせていたのかな、なんて考えるのはあながち間違いじゃない気がするのですが、どうでしょうか。
とはいえ、最後は真の真犯人であるクララの視点で物語は終わりますが、クララがベンと結婚したのも最初から計画の内だったのだろうか、ブルームは〈患者X〉としての子供の頃のクララに会っているのに、クララを見て気付かないものなのかなどなど、疑問はいくつか残ります。
でも、それってアンナの想像でしか描かれていないからなんですよね。
ただ、アンナが書いた物語だという事が明らかになる部分、そこをさらりと読んでしまってそのことに気付かないままで読み終えてしまうと、本書の感想や評価も違ったものになりそうですね。
実際、気付けなかったという読者も意外に多いようですし、先に本書を読み終えていた妻にそのことを話すと「え?そうだったの?!」と驚いていました。
もっとも気付かなくても、読み終えた後にもう一度読んでみたくなるほど面白かったようですが。
さて、アンナが書いた物語だというと、自身で雑誌を作っていたとはいえ、プロの作家ではないアンナなので、いろいろツッコミどころがあるままなのも納得できるものが。
そして著者自身や本国や日本の出版社も公表はしていませんが、実は日本では同時期に刊行された『スパイたちの遺灰』のマシュー・リチャードソンと同じ作家だということもポイントじゃないでしょうか(調べるとすぐに分かってしまうそうです)。
そう、『スパイたちの遺灰』で緻密な物語を描いた著者だけに、アンナが書く物語も、実はわざと少し稚拙に描くことで読者をミスリードさせていたのかな、なんて考えるのはあながち間違いじゃない気がするのですが、どうでしょうか。
とはいえ、最後は真の真犯人であるクララの視点で物語は終わりますが、クララがベンと結婚したのも最初から計画の内だったのだろうか、ブルームは〈患者X〉としての子供の頃のクララに会っているのに、クララを見て気付かないものなのかなどなど、疑問はいくつか残ります。
でも、それってアンナの想像でしか描かれていないからなんですよね。
クララの語り部分は少ないので、もしかしたらその辺もしっかりとした理由があるのかも知れず、つっこみどころと思わされたところも実は著者の仕掛けなのかも?!
そういった描かれていないような余白部分も含めて、著者による企みと謀りに満ち満ちたミステリだと思うと、めちゃ興奮しません?!
ただ、本書がメタであるということは、本書の面白さを伝えるにあたって一番言えないポイントでありますし、前半は特に動きがほとんどないので、つまらないと思われてしまいそうなのが実に惜しいなぁと思います。
うん、本書を読んで面白かったと思った人に、未読の方にはどうお勧めしたらいいか教えて欲しいかも(笑)。
そういった描かれていないような余白部分も含めて、著者による企みと謀りに満ち満ちたミステリだと思うと、めちゃ興奮しません?!
ただ、本書がメタであるということは、本書の面白さを伝えるにあたって一番言えないポイントでありますし、前半は特に動きがほとんどないので、つまらないと思われてしまいそうなのが実に惜しいなぁと思います。
うん、本書を読んで面白かったと思った人に、未読の方にはどうお勧めしたらいいか教えて欲しいかも(笑)。

