魔界都市《新宿》の美貌の人捜し屋、秋せつらを主人公にした短編集である〈マン・サーチャー・シリーズ〉18作目。
長編には長編の魅力がありますが、短編は余計な描写が少ないせいもあって簡潔でスッキリした内容のものが多いのが特徴です。
しかしながら本作は、あとがきで著者自身が述べられていますように、今回は「分からない」ものばかり描かれています。
実際、主人公のせつら、それに魔界医師メフィストすら分からないものも。
なので、読み手にその想像を委ねられているような、そんなお話が満載なんですが、これがまた不思議と読み心地が良かったりします。
うん、こういう不思議なお話は魔界都市《新宿》によく合います。
だいたい、魔界都市《新宿》を理解することなんて誰にも出来ないですもんね(笑)。
そうそう、今回はちゃんと「私」の出番も、それもちゃんとしたものがあるのも嬉しいところ。
更に、シリーズでお馴染みの登場人物たちも多く登場するのですが、久しく名前を見ていなかった人物、吸血鬼の夜香の出番があったのも昔からのファンには嬉しいところだったんじゃないでしょうか。

