名門怪盗一族クエスト家に生まれたロザリンは、普通の女の子として暮らしたいとの願いから家出を決意。
母親と盗みに入った先で、計画していた通り家出するためにひとりで脱出しようとした矢先、母親が捕まってしまう。
母親を自由にする代わりに高額な身代金を要求されたロザリンは、〈怪盗ギャンビット〉と呼ばれるゲームに参加するのだが…。
息もつかせぬ展開にハラハラドキドキ。
若き怪盗たちの競演によって、スリリングな盗みや騙し合いが全編に渡って描かれており、相手の裏をかき、鮮やかな手口でミッションを成功させる様子には爽快感も!
〈怪盗ギャンビット〉とは、その最終勝利者には望むものが与えられるという、とある〈組織〉によるゲーム。
参加者は世界中から集められた、若く才能ある怪盗たちで、その腕を競い、〈組織〉から与えられた課題をクリアしていく事が求められるのですが、その過程で傷を負い退場するものも少くないという…。
そんな危険なゲームに、母親を救うために図らずも参加する事になる17歳の少女、ロザリン・クエスト。
「クエスト家以外は誰も信用してはならない」と、母親から家族の掟を叩き込まれてきたロザリンですが、課題をクリアしていくためには、時には競争相手と協力する事が必要にも。
実は、「家族の掟」である誰も信用してはいけない事を、ロザリン自身が幼い頃に身をもって知っています。
しかしそうも言っていられない状況で、ジレンマに陥りながらも、仲間と共に敵を欺き勝利し、難しい課題をクリアする事に喜びを感じるようにも。
特にロザリンに好意を見せる魅力的な男子デブローに惹かれている事を自覚するようになるにつれて、余計にロザリンの中で変化が生まれる様子がリアルで、思わず「信じていいの?」「信じたい」「でも…」と一緒になって悩み考えてしまいますよね。
そんなロザリンですが、果たして〈怪盗ギャンビット〉で勝利者となれるのでしょうか。
ところで〈怪盗ギャンビット〉に参加する若き怪盗たちはそれぞれ個性的で、読む人それぞれに“推し怪盗”が生まれるかも(笑)。
ロザリンと因縁浅からぬノエリア
ハンサムで話術の得意なデヴロー
完璧主義者なタイヨウ
ギャンブルの得意なマイロ
ITに詳しいギョンソン
軽やかな身のこなしのイェリエル
モデルのようにおしゃれなアドラ
凶暴な雰囲気のルーカス
多くの若き怪盗たちが登場し、ロザリンと協力し合う事になる者、敵対する者など様々ですが、どんなに相手を信頼したり、好意を持ったとしても、ゲームとしては全て競争相手であるというのがやはりポイントとなりますよね。
個人的には同じ日本人である完璧主義者で何を考えているのか分からないタイヨウが気になるところです。
さて、ラストで明かされる、ある事実は予想の範囲内ではありましたが、ロザリンは更なる苦難に、これまでにない程の怒りを抱いて立ち向かう事になるんじゃないでしょうか。
本書は既にハリウッドでの映画化も決まっている児童書のシリーズの1作目となりますが、2作目以降も早く読みたいですね~。

