『検察官の遺言』 紫金陳 | 固ゆで卵で行こう!

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地下鉄の駅で爆弾騒ぎがあり、男が持っていたスーツケースから元検察官の江陽(ジアン・ヤン)の遺体が。

騒ぎを起こしスーツケースを持っていた著名な弁護士の張超(ジャン・チャオ)が逮捕される。
警察の取り調べにも協力的で、教え子だった江陽の殺害を自供していたが、いざ裁判の場では一転し、自分は江陽を殺害しておらずアリバイもあり、自白は強制されたものだと主張。
捜査陣が改めて調査すると実際にアリバイがある事が判明する。
張超はなぜ犯行を自供し、裁判で否定するような真似をしたのか…。



まずは殺害を自供したのに、後にそれを翻した理由とは何か。
その大きな謎には、一気に引き付けられます。

物語は、警察から捜査協力を受けた元警察官の数学教授、厳良(イエン・リアン)が張超(ジャン・チャオ)の元を訪れ、張超から聞いた事柄から捜査を進める現代パートから始まるのですが、メインとなるのは殺された江陽について描かれる過去のパート。

12年前、中国の地方の町で起きた女児に対するある事件を告発しようしたボランティア教員・候貴平(ホウ・グイピン)が死体で見つかるも自殺として処理された件を発端に、事件の闇を暴こうと、江陽だけでなく正義感に熱い刑事の朱偉(ジュ―・ウェイ)や、(元)監察医の陳明章(チャン・ミンジャン)が、圧力に負けずに戦っていた事が明らかになっていきます。

果たして過去の事件の真実とは。
そして張超たちの企みとは。

事件の背後にあるもの、そして権力者による非道な圧力、正義を成すべき立場のものの裏切り行為などには、思わず怒りを覚えます。

それゆえに江陽たちが権力者たちに抗い真実と正義を白日の下にし、冤罪が晴らされんと、巨悪に対してまさに命を賭して戦う様子に、読んでいて思わず力も入り、特に終盤に入ると一気読みでした。

 

 

 

 


なお、本書は厳良を探偵役にした〈推理之王〉シリーズ三部作の三作目で、ドラマ化もされており、そちらも好評だったとか。

また、二作目の『悪童たち』も評判いいんですよね。是非、そちらも読んでみたくなりました。

※シリーズ一作目は未訳との事です。