夏の海でなつかしいひとを見かけた

ずっと昔、付き合っていたひと



サーフィンが好きで

クラシックなアメ車が好きで

シボレーの水色のノマドを

自分で修理したり磨いたりして乗っていた

バンドでドラムを叩き

そして一方では一生懸命べんきょうして行政書士の試験に受かっちゃうようなひとだった



とても、とても、縁があるひとだった



なんで気づいたんだろうな

あんなに広いビーチで

ていうか、なんでここにいるんだよ!

…と思ったら、このビーチ

昔、サーフィンはこの浜でしてるって言ってたな


すっかり忘れて

わたしは時々ここに来ていた

コロナになってどこにも行けなくなったときも

豆太郎を連れてここに来て、ただ海を見ていた


知らずに彼のテリトリーに来ていたんだ

震災後、ここは遊泳禁止区域になったから

サーファーも泳いでるひともいなくて

わたしはただ、海を見にきて

海に足をつけてアーシングしてた






いつかどこかでばったり会うかな、と思ったときもあったけど、まったく会うことはなく


震災は大丈夫だったのかな?とか心配もしたけど、全然わからなかった


もう縁は切れたんだと思った

だから、すっかり忘れていたのに

忘れたころに会うんだ





男の子と砂浜を歩く彼がこっちを見る


変わってないな

一気にいろんな思い出がよみがえる

もちろん最後は別れたから

今のわたし達がコッチとソッチにいるわけだけど

まったくイヤな感情が出てこなかった


相当悲しい別れだったはずなのに

今、あの頃を思い出して

やさしい気持ちにしかならないなら

彼とはほんとに縁があったし

相性もよかったんだと思う



ねぇ、わたし

あなたと別れたあと

いろんなとこ歩いてきて

今、ココにいるよ


そんなわたしを、あなたはどう思うかな