それぞれの311


昨日は、昼間の時間

たったひとつのチャンネルだけが12年前のことを特番にしていた。


〝そっか、そーだよね〟



あの時、被災した子どもが今は俳優になっていた。

彼とお母さんが乗った車は真っ黒な津波に押し流されて〝たまたま〟小高い山のふもとに流れついた。2人はすぐに車から飛び降りて山に登った。次の瞬間、その車はまた流されていった。



あの時、被災した子供が報道記者になっていた。

彼女はその朝、あんなに仲が良かった母親とケンカした。地震が来て家族4人が車で逃げてるときに津波に飲まれた。目の前で起きたことを回想してる時に彼女は突然、口をパクパクさせた。声が出てこなくなった。彼女は目の前で母親が沈んでいくところをその目で見たのだ。真っ黒で澄んだ目は大きく見開いて、あの日を見ていた。でも声は出そうとしても全然出てこなかった。



震災から12年

あの震災で生き延びたとしても

この12年の間に伯母さんが旅立った。

おばぁも旅立った。

あの震災を一緒に乗り越えて

あのときの思い出にいる人たちが、今はいない。



ひとはいづれ死ぬんだからさ

例え、震災で生き延びたとしても


だったら、どうする?

どう生きたい?


わたしにとっては

それを再確認する日が311だ