3月19日、高市総理とトランプ大統領の会談があった。
感想を書こうと思っていて、次々と色んな情報が入ってきて、結局10日以上も経ってしまったが…。
結論を言うと、「具体的なことはあんまり話し合われなかった」という印象しか持たなかった。日本の首相が何千万円もかけてアブナイときにノコノコ訪米してトランプに会っただけの成果は何もなかったんじゃないか、ということである。
確かに「自衛隊を派遣しろ」などという高市さんが困るような要求を会談で直接することを、トランプは避けたようだが、避けられたから却ってはっきりと断ることもできなかった、ということなのではないか。(国会で「何を約束してきたか」と質問を受けても、なにもしゃべらない高市サンなので、私たちはまったく知る由もないのだが…。)
記者やテレビが入っている会談でなにか要求して、日本側から断られることを全世界に見せることを避けたのかもしれないし、「自衛隊の派遣は(憲法がある以上)なかなか難しい」という事前レクチャーがあり、さすがのトランプも高市サンの立場を一応考えて無理難題は直接言わない様にしよう、と思ったのかもしれない。
どっちにせよ、トランプは日本の貢献をあきらめてはいないようだ。なぜなら高市サンが帰国した今、またホルムズ海峡への貢献を口にしているからだ。
しかしつい先ごろ、ファイナンシャルタイムズのインタビューで、「私はイランの石油を狙っている」と、本音を吐いてしまったトランプに、今世界中が呆れているところであり、彼の私腹を肥やすための、正義のない人殺しに、他国に「貢献」させるとは、盗人猛々しいと言わざるを得ない。
トランプ氏「イランの石油奪いたい」、カーグ島占領も=FT | ロイター
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米国のトランプ大統領は20日、事実上封鎖されているホルムズ海峡の対応を巡り、日本の貢献に期待を示した。前日の日米首脳会談で日本から支援の申し出があったかどうかを米FOXニュースのインタビューで問われ、「彼らは海峡に艦船を出すことは憲法上できないが、もし我々が必要とするなら、日本は我々のために尽力してくれるだろう」と述べた。
トランプ氏は20日、自身のSNSで、「ホルムズ海峡は、必要に応じて、利用する国々によって警備・監視される必要がある」と主張した。
投稿に先立ち、ホワイトハウスで記者団に、NATOや日中韓に海峡の安全確保での「関与」を求めた。「海峡は比較的安全だが多くの支援がいる。艦船が必要だ」とし、「米国は海峡を使わず、必要としていないが、欧州や韓国、日本、中国、他の多くの国は海峡を必要としている」と強調。海峡経由のエネルギー輸入に依存する日本や中国を名指しし、「これらの国々が関与するのはすばらしいことだ」と述べた。
確かに日本が艦船をだすことは「憲法上できないが」とトランプに認識させ、そう言わせたことは大きかった。
しかしこれは、言い換えれば高市総理は、「憲法九条」に救われたといってもいいだろう。 国民の8割以上が反対しているイランへの侵略に加担させられるかどうかの瀬戸際で、憲法九条があったから、高市サンは窮地に追い込まれないですんだということだ。世論に逆行してトランプの望むとおりに自衛隊を送るようなことをすれば、高市総理の支持率は暴落しただろう。
会談で明白になったのは、11兆円の日本からアメリカに対する追加投資のことだ。
ところで、欧米で「墓穴を掘った」と言われているのが、トランプの「パールハーバー」発言である。
イランへの侵略戦争について、「なぜ同盟国に事前に相談がなかったか」と日本の記者に問われ、「サプライズのためだ。奇襲攻撃については、日本の方が良く知っているだろう。パールハーバーでは我々に知らせずに攻撃しただろ?」と言い放ったのである。
これを聞いている時の高市氏の表情は、一見の価値があるので、下の動画をご覧ください。
合わせて、アメリカのメディアは、権力者の言動に対して「批判的分析」をするだけ、まだジャーナリズムが健全さを保っているところもご覧ください…。
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ハフポスト誌より:
トランプの「真珠湾」発言に米ニュース司会者が絶句。頭を抱え「この国が恥ずかしい」
トランプ大統領が高市首相との会談で真珠湾攻撃をネタにしたことについて、アメリカのテレビ番組司会者が信じられないといった表情を見せた。
日本が第2次世界大戦でハワイにあるアメリカ海軍基地を攻撃したのは1941年で、高市氏が生まれる20年前だ。トランプ氏の“真珠湾ジョーク”は執務室からまばらな笑いを誘った。
ニュース専門チャンネルMS NOWは20日、朝の番組『モーニング・ジョー』でこの発言を紹介。
司会者のジョー・スカボロー氏は映像を見た後にしばらく言葉を失い、「なんというか……他のどの大統領からも見られないような発言です。大統領は通常、同盟国に対して礼儀正しく振る舞おうとするものです」と驚きを語った。
共同司会者のミカ・ブレジンスキー氏はスカボロー氏がコメントをする間、信じられないという表情で頭を抱え、その後「なんというか……まるで(深夜バラエティ番組の)『サタデー・ナイト・ライブ』か何かを見ているみたいだった」と述べた。
スカボロー氏は、トランプ氏がグリーンランドの領有権を巡ってNATO同盟国に敵対的な態度を取っていたことに言及して「まるで、1カ月ほど前にフランスの指導者を延々と侮辱していた場面の“続編”を見ているような感覚さえあった」と表現。
「本来、今こそ同盟国を味方に引き入れたい時期であることを考えれば興味深い。私はあの嫌味なジョークの話だけをしているわけではありません。ここ1〜2カ月で何が起きているかを見ればわかりますが、同盟国をより密接に結びつけることに関して、この大統領は過去の大統領たちとは正反対のことをしています」と指摘した。
ブレジンスキー氏も「明らかに普通ではないですね」と同意し、「トランプ大統領、私は恥ずかしい……この国のことが恥ずかしいです」とコメントした。
トランプ氏の発言は、アメリカがイランとの戦争をめぐり、同盟国との関係を損ないかねない状況にある中で行われた。しかもその“ジョーク”はアメリカが過去に原子爆弾を投下した国に向けられた。
そういった背景もあり、トランプ氏の「真珠湾発言」は深夜番組やSNSでも厳しく批判された。
Mika Brzezinski Puts Head In Her Hands Over Trump's Pearl Harbor Comments | HuffPost Latest News
トランプの知性もセンスもない軽口を、厳しく批判したニュース番組、あっぱれ! さらに、それを記事にしたハフポストも、あっぱれだ。
すぐに同じような軽口で切り返せなかった高市サンには、色んな評価がつくとおもうが、誰もが胸のすくようなセンスのよい切り返しでなければ、言わない方がマシである。これまでの彼女の失言を見ていると、今回は黙っていて正解だろう。
ところで、質問をした日本人記者を「余計な質問をした」と攻撃している人たちがいるようだが、ジャーナリストとしてあっぱれな質問であり、また「同盟国に対して無断で戦争を始めた上、同盟国だから加担しろ」と要求しているトランプに対して、絶対にするべき重要な質問だったのではないかと思う。
相手が権力者であっても明確にするべきことは、質問する。これこそ、ジャーナリストとしての仕事ではないか。これを批判するようでは、ジャーナリズムの意味がまったく分かっていないと言える。
一方、日本の国内報道は、高市⁻トランプ会談をまるで「大成功」のように報道していたが、本当にそうだろうか?
大失敗は免れたにせよ、世界中に「日本は国際法違反の戦争を始めたトランプの側に立った」と知らしめた罪は大きい。 また、なによりもイランからは、「高市政権は明らかにトランプにすり寄った」とジャッジされたことは大きいだろう。
今の状況の中で、トランプの隣にならんで親指をつきたてたりした写真がホワイトハウスの公式サイトに載ることは、世界中に「日本はトランプのやっていることを肯定しています。日本政府はトランプの側に立ちました」と宣伝していることに他ならない...。
日米首脳会談の夕食会で披露され、波紋を呼んだ高市首相の「踊る写真」。過去に幾度も写真で世論を操ってきたプロパガンダ大国・アメリカが、あえてこの姿を選び世界に晒した背後には、恐るべき外交戦略が隠されていました。トランプ政権が周到に仕掛けた、理由を知るとゾッとする「本当の狙い」とは?
あまりのはっちゃけぶりから「AIでつくられたフェイクでは?」という声も上がったほどだが、ホワイトハウス公式ホームページのフォトギャラリーで公開しているものだ。
そんな「踊る高市首相」写真について「トランプに露骨に媚びていて恥ずかしい」「イランで戦争が起きている最中にハメを外しすぎ」などと批判をする人たちがいる。
「台湾有事」発言以降、高市首相を目の敵にしている中国などはもっと辛辣で、香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」などによれば、中国のSNSで「卑屈の極み」などと嘲笑の的になっているそうだ(クーリエ・ジャポン 3月23日)。
……という話を聞くと「こんな恥ずかしい写真を世界に晒すなんて、アメリカは日本のことをバカにしてんじゃないの?」とうがった見方をする人もいるかもしれないが、実はそうとも言い難い。
この先は、下のサイトでどうぞ。
「踊る高市総理」をトランプ政権が晒した「本当の狙い」にゾッとする | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン
また、ホワイトハウスの廊下に貼りだされた歴代大統領のポートレイトで、バイデン大統領の写真だけが、「オートペン」の写真になっている。つまりバイデン氏が耄碌していて直筆で書類にサインができないというトランプの言い草なのだが、まさか現役の大統領が前任者にそのような侮辱を与える写真をホワイトハウスに貼りだしていることも信じがたい。さらに、それを見せられて指差して笑う他国の首相というのも、もっと恥ずかしかったのだ。この動画は、ホワイトハウスの公式SNSに掲載され、世界中に広まったのだ。
高市首相とトランプ氏はニコニコで結構ですが… 公式動画に切り取られた「バイデン氏イジり」に欠けた品格:東京新聞デジタル
日本でもSNSでは高市氏のトランプに対する態度を、「ゲイシャ外交」「売春外交」といった厳しい言葉で批判し、「恥ずかしい」という感想を述べたものが多かったが、なぜか大手新聞では何千万円も税金を費やした今回の訪米を、きちんと分析せず、「一応、成功ではないか」という姿勢で報道するものが多かった。
「ゲイシャ外交」とまでは言わないが、高市さんの言動をみれば、「お世辞外交」に終始したことは間違いないだろう。それでトランプの機嫌を取り、滞在中居心地よく過ごせたことは高市氏にとっては「災難を逃れた」だろうが、果たして日本の国益になっただろうか。
高市首相、トランプ氏は「最強のバディと確信」 夕食会で | 毎日新聞
機嫌だけ取って、言うべきことは言わずに帰って来た。それが今回の訪米であり、会談だったのだろう。 それをもって、「大成功」などと評価している日本のジャーナリストたちは、甘すぎるし、それで騙されている国民も、甘すぎると言えるだろう。
イラン情勢について「我が国は周辺国に対する攻撃、ホルムズ海峡の実質的な閉鎖についても非難をし、イラン外相に対してもそれをやめるように申し入れをしてきた」と日本の立場を説明したというが、イランとの協議の最中に突然イランを武力攻撃したアメリカに対する批判は全くしなかった、ということなのだろう。それでは、同盟国としても情けない態度だと言える。欧州の同盟国たちが取っている、「大義無き戦争には加担しない」という毅然としたものとは全く違う。
さらに、「ドナルドは最強のバディ」、「世界の平和を達成できるのはドナルドだけ」などという歯の浮くようなセリフを、国際法を無視して主権国家を次々と武力攻撃し世界の平和を乱している張本人に向かっていうあたり、お世辞外交も度が過ぎていると世界の国々から評価されるだろう。
ところで、高市氏の訪米後、アメリカのウオルツ国連大使が「ホルムズ海峡の安全確保に関連し、高市首相が自衛隊の派遣・支援を約束したとテレビ番組で主張したが、これはいったいどういうことだろうか。
米国連大使、日本が自衛隊支援を「約束」と主張 木原官房長官は否定(朝日新聞) - Yahoo!ニュース
これに対し日本政府は木原官房長官や茂木外相らが「具体的な約束をした事実はない」と否定し、法律の範囲内で対応する姿勢を示しているというが、日米の間の理解に、大きな隔たりがあるのではないか。 どちらかが嘘をついているのか。
自衛隊による支援、約束したことはない=米国連大使発言で高市首相 | ロイター
それとも、高市総理は私たちに秘密で、勝手になにかトランプと約束をしてきていて、それを国民に知らせないようにしているのだろうか。何しろ国会で「何を約束してきたのか」と野党議員に質問されても、答えようとしない高市氏である。我々国民だって、何を約束してきたのか知る権利があると思うのだが。
「改憲して、憲法9条を取り去ってしまえば、自衛隊の派遣は自由になります」などという口約束をしてきているのではないか。 だから、「改憲は喫緊の課題」などと話しているのではないか。
冗談ではない。
今回も、憲法9条があるから自衛隊員の命を危険にさらさずに済んでいるのだ。
トランプが勝手に始めた大義無い戦争に、なぜ日本人の若者の命を散らさなくてはならないのか。
欧州諸国は、すでにトランプには、「協力しない」と明言している。彼らだって、アメリカの同盟国でありNATOのメンバーだが、そこはキッチリと断って、国益と国民の命を守っているのだ。
なぜ日本にそれができないのだろうか。
また、イランはこれまで親日であり、日本もイランとは良い関係を続けてきている。だから、「憲法9条を守り、アメリカに加担しない日本には、ホルムズ海峡を船が通れるようにしたい」とイランから申し出があるのに、高市政権はイランと正式に外交をしようとしない。日本の国民がどれほど困っても、トランプの機嫌だけを取りたいんだろうか…。
国会で野党から質問されても、答えようとしない日本の総理。 そして総理に対する質問も他の人に答えさせようとする議長。 選挙前のテレビの討論もドタキャンし、記者会見を開こうとしない総理。 具体的なことは何一つ説明せず、閉じられたドアの中で、イエスマンだけ集めて勝手に決めてしまう総理なんて、国民に対する説明責任をまったく果たしていない。
「改憲が喫緊の課題。私にやらせてください!」というけれど、なぜ、どうして「改憲が喫緊の課題」なのか、国民にはまったくわからない。また、改憲されることで、私たちが失ってしまうものは何なのか、それすら知らない国民がほとんどだろう。 何をするつもりかよくわからないアブナイ政治家にすべてを任せて無関心でいるというのは、あまりにも無責任すぎる。
ワンフレーズポリティクスという言葉を最近聞くが、強い短い言葉で政治や政策を語る政治家や政党がもてはやされる時代だ。トランプのアメリカ・ファーストが良い例だが、その短いワンフレーズが、いったいどんな内容を意味しているのか、私たち有権者は政治家からしっかり聞き出さないといけない。
強い、かっこいい言葉の感覚だけで投票行動をとってしまえば、権威主義、利己主義のとんでもない人物が、重大な権力を持ってしまう。
自分たちの生活や幸せ、命を預けるのだから、しっかり自分たちも勉強し、政治に責任を持たなければいけない。心からそう思うのだ。
また政治家には、「説明責任」があるということを、しっかり政治家に認識させなくてはいけない。 国民は愚かだから何も説明しなくても良いと考えているとしたら、傲慢に過ぎる…。
そして、日本のジャーナリストは今のような怠惰で権力追随の態度をとっていてはいけない。こんなことでは、国が滅びるだろう。
【石破前首相、ワンフレーズポリティクスを危惧「伝えるべきものは伝えてほしい。感覚ではなく論理で理解していかないと、世の中を律することはできなくなっている」】… https://t.co/jgIa4NBnbs pic.twitter.com/7z3CQPxgtv
— 再登板 (@4nti_Populism) March 18, 2026



