昨年の全日本を思い出していました。
NHK杯からの3連戦という超過酷なスケジュールで臨んだ昨年の全日本。完璧なショートで110.72点という高得点を叩き出した結弦くんのフリーは、予想外の結末に・・・。
「何ですかね、イメージとすごく......何か、全部言いわけに聞こえるから嫌ですね。しゃべりたくないというのが本音です」
結弦くんは言い訳など決してしない人ですが、フリーの崩れ方には連戦で拭いきれなかった結弦くんの疲労が滲み出ていました。見ていたファンも辛かったですが、一番辛かったのは結弦くんですよね・・・。
「6分間練習まではよかったですし、感覚がそんなに悪かったわけではないので。何か、自分の精神状態と肉体の状態とイメージが、全部バラバラと乖離していった感じです」
「弱いなって思いますね。本当に弱っちいって。ループもトーループも跳べないようじゃ話にならないし、アクセルも跳べないようじゃ本当に話しにならない。悔しいしかないです。次へ向けて頑張ります。強くなります」
年が明けて今年の2月、フジTV S-Parkでその時の全日本を振り返った結弦くんの独占インタビューがありました。
「本当に悔しくて情けなくて、本当に自分が。ここまでぼろぼろになったのはノービス以来だな、って思うぐらい結構ボロボロで。久しぶりにスケート、立つの怖いなって思っていましたけれども。皆さんの前で演技するのも怖いなあ、って思いましたけど」
「一人の羽生結弦っていう存在に戻った時に、立ち上がれなくなってしまうんじゃないかなっていう怖さもあって」
「『君はレジェンドだから、もういいいんだよ』って、すごい言われるんですよ。『やっていることに意味があるんだよ』って言われるんですけど、それを言われるのもまた悔しいんですよね。それって過去の栄光でしかなくて、確かに滑ってて自分では”すごい“とは全く思えないので。
それを言われたところで、くぅーってなるしかなかったんですけど、自分は。でも、『レジェンドだよ』って言ってもらえるからこそ、こんなんじゃダメだって、ここで化石になっちゃダメだなって思っているんで。石になりそうだけど、今、もがいています」
あの時の結弦くん、思い出すだけでも胸が痛くなります。本当に苦しかったんだろうなと思います。
あれから1年経ちました。四大陸でのスーパースラムという偉業の達成もありましたが、新型コロナウィルスの感染拡大により世界選手権は中止、立派な卒論を仕上げることはできたもののウィルスのせいで満足に練習できない日々が続き、試合にも出られない日々・・・。3Aも跳べなくなるほどどん底に落ち込んだ辛い日々を乗り越えて・・・。
今も感染拡大は続いていますが、そんな中、今季初戦が全日本という大一番を迎え、ようやく結弦くんが望む圧倒的な演技での完全勝利を収める瞬間がやってきました。
「僕はちょっと震災と絡んでしまうかもしれないんですけど、またあらためて、スケートできることが当たり前じゃないってことを痛感しました。
あの、先程言ったこととちょっとかぶってしまうかもしれないんですが、やはり、僕らよりも絶対苦しんでいる方はいらっしゃいますし。うん、最期に会えない方々だっていらっしゃいますし、そういう方々だったり、いまほんとに先が見えない労働を強いられて、ほんとに目の前が真っ暗になるような方々もいらっしゃると思います。
そういう方々にとっては、僕が僕らがこうやってスケートをしているのは、ある意味、その人たちからしたら、これも仕事って言われるのかもしれないですけど。僕にとっては、震災を経験した僕にとっては、やっぱりスケートは自分が好きなことにしかなってないので。やっぱそれをさせてもらって、こうやって競技の場として設けてもらって、まあ、それを最後まで闘い抜かせていただいて、まあ申し訳ないっていうか、罪悪感もちょっと、ちょっとあるといえばあるんですけど。
ただ、自分が出場したことで、先程言ったようにちょっとでも何かの活力になれば、なんかの気持ちの変わるきっかけになればという風に思いました、はい」
未曽有の大震災から立ち上がって強くなったのも、こうしてコロナ禍の中で立ち上がり、今回の全日本のような圧倒的な強さと成長を見せてくれたのも・・・。
どこか、似ていますよね・・・。
スケートで多くの人々を励ますことができるという自分の特別な力を、もう一度見つめ直してくれたのかな。
結弦くんが、戦い続けることに見出した意味が、結弦くんをまた成長させ、強くしてくれたのかもしれませんね。
誰かのために何かができた、ということほど、結弦くんを強くするものはないのだろうと思います。
そして自分らしさを追い求めている時、羽生結弦は最高の羽生結弦になるのだろうと思いました。
昨年の全日本のエキシビションでSEIMEIを演じ、そこから四大陸でバラ1とSEIMEIにプログラムを戻したことは、「自分らしくあれ」というスケートの神様からのメッセージだったのか、そこから結弦くんの他の誰でもない、理想の自分を求める旅が再開し、今季の素晴らしい二つのプログラムへとつながっていったのでしょうか。
三田アナ:
「御自身も振り付けを大部分考えられて、羽生選手が特にこだわった部分というのはどのあたりなんでしょうか?」
結弦くん:
「『羽生結弦らしさ』ですかね。他の人から見てる視点で見た時に、楽しいなって、ああ、羽生結弦っぽいなって、羽生結弦じゃないとこれ、できないなって思うようなものにしたかったっていうのが一番ですね」
2020.12.28 Mr.サンデーより
こんなに応援しがいのあるアスリートって、私にとっては結弦くん以外いません。辛そうな結弦くんは見ていても胸が痛みますが、心のどこかで、きっとここから成長した姿を見せてくれるという期待があります。
本当にたくさんの不安やリスクを乗り越えて全日本に出場することを決意してくれて、皆に見せてくれたあの演技は、この暗闇の中にある世界に一条の光を届けてくれました。
ありがとう、結弦くん。
おそらく他スポーツで実施されているような、試合後のPCR検査実施によるフォローは全日本では行われないのかもしれないですね・・・。そうしたフォローがあった方が選手のためには良いと思いますが・・・。
どうか結弦くん、来月あたり、一回ぐらいは何かメッセージを皆に届けてくれないかな。世界中のファンがホッとすると思います。
今日は今年最後の満月の日です。
空をご覧ください。
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) December 30, 2020
東に今年最後の満月が昇りました。
こちらでは強い風の中、雲に見え隠れする月がとても明るいです。(今撮影) pic.twitter.com/3gc8M3uhCV
緊迫の年末年始です。感染症対策の観点からは、まだ全日本については安心することはできない期間が続きます。すべての方が健康で年末年始を過ごされますように、心からお祈りいたします。
明日も結弦くんと皆さんの健康と幸せが守られますように。
結弦くん、試合も終わったし、一息ついて読んでくれるとよいですね!
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