今頃少年はワクワクしているかな・・・。
発売からもう1か月近く経ちますので、少し内容をご紹介したい本があります(↓)。
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フィギュアスケート2018-2019シーズンガイド (ワールド・フィギュアスケート編集)
1,200円
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思いの外小さなハンドブックです。試合観戦に持ち運び可能なサイズで作られているのかもしれませんね。結弦くんは全体の5分の1ぐらいなのですが、「ぼくの本当の幸せ」と題した結弦くんの単独インタビューが掲載されています。
この中で結弦くんは「秋によせて」について聞かれて、
「受け継いでいるところ、リスペクトしているところをたくさん見せたい」
と答えています。「ジョニーから受け継ぎ、リスペクトしている彼のスピンも見せたい」という気持ちを込めて、「ステップ、スピンに力を注いだプログラム」になっていると。
子供の頃から演じたくて仕方のなかったプル様とジョニーのプログラム。五輪二連覇した自分への御褒美として使用許可を御本人たちに取りに行った結弦くん。
五輪二連覇した選手として、フィギュアスケートの「歴史」に光をあてる・・・。
結弦くんは、ただ自分への御褒美だと思っているのかもしれませんが、でも、ある意味斬新で、ある意味古風な、プログラムへのアプローチですよね。そして、とても日本人的な感性だと思います。
そして、ここはファンの皆さんへのメッセージですね。
「皆さんがぼくのスケート人生だったり、その端々に表れているぼくの人生だったり、そういったものを見ながら、いろんなことを感じてくださっているということが、まずすごいことだと思っています。それは全然普通じゃないこと。それ自体が、ぼくにとってはうれしいことだし、ぼくのプログラムやたどってきた道をみなさんが見て、何かを感じてくれることによって、ぼくもみなさんの人生にアプローチできる。いっときだけのうれしさとかヤル気とか、それだけでもいいので、何かを感じてもらえればなと思います。」
結弦くんにとって一番嬉しい事は、自分の演技を見てくれた皆さんが、心から感動し、それを前を向いて歩いていくきっかけのようにしてくれることなのでしょう。私たちは直接、彼と会話したりしている訳ではありませんが、リンクの上で、あるいはテレビやネットを通して、結弦くんと言葉のない会話をしているようなものですね。きっと気持ちは届いているのだと思います。
さらに・・・
この本の単独インタビューの質問はどれも少し文学的なのですが・・・![]()
「自分という物語、自分という作品を、一歩引いて眺めてみたときに、どうやってその作品を形づくってきたなと思いますか?」という質問に対する結弦くんの答えです(↓)。
「無駄な事をいっぱいしてきたなと思っています。遠回りもいっぱいしてきた。ただ、そこには一本の芯があって、ある意味ではレールを敷かれてここまで来たかもしれないんですけど、自分自身でもレールを敷いてきたと思っています。それに対して、もちろん迷いもあったんですけど、逆らおうとは別に思わなかった。自分がそこに行きたいって本気で思っていたからだと思いますし、それが自分の本望だったと思うんですよね。オリンピック二連覇まで、すごくいろんなつらいこともあった。ある意味で、さっき言ったように、レールの上にずっと自分がいて、走らされているような感覚があった時期も実はありました。でもそれが、ぼくの本当の幸せだったんだなと今は思っています。」
結弦くんですら無駄な事も、遠回りもしてきたんですね・・・。これは人生に無駄な事なんて一つもないんだということに通じますね。元気がもらえるインタビューでした。
この本には他の選手の皆さんのインタビューもいろいろ掲載されていて、海外の選手もお写真がたくさん載っているので、本当に選手名鑑として使えます。
面白かったのは・・・ボーヤンが北京で過ごした1年を「軍人みたいな訓練で厳しかった」と語っていたり(軍人みたいな!?という表現が・・・(;^_^A)、メドベちゃんがクリケットに移った時の感想ですね。
「このクリケット・クラブに来た初日、私は呆然とリンクに立ち尽くしました。なぜなら全員でやる基礎スケーティングの練習があるのですが、小さな子供たちが当たり前のようにできることを私は一切できなかったのです。スケーティングという点においては、私は世界選手権で優勝しているとかは関係なく、完全なシロウトでした。衝撃的でしたが、まだまだ自分がやるべきことがたくさんあるのだと思って嬉しかったです。」
って・・・、17歳の結弦くんがクリケットに行った時と同じことを言ってますネ。
ロシアでは「コーチはいつも威厳があって強そうにしていて、生徒とは打ち解けて交流することがない」ので、クリケットでニコニコ笑顔のブライアンに「ハーイ、おはよう。今日はちゃんと朝ご飯食べたかい?」と話しかけられて、最初は「コーチがこんな風に威厳がなくて大丈夫なのかしら?」とメドベちゃんは心配になったそうです。
ザギトワ選手が見開きで2ページしかないのが残念なのですが・・・。メドベちゃんのインタでロシアでのコーチの存在の大きさというものを読むと、ザギちゃんのスケート人生における秋田犬マサルの果たす役割が非常に大きなものなんだなと思ったり・・・(;^_^A。
リーザのトリプルアクセルは「ここ数年に比べてずっとよく跳べている」そうです。またこんなことを語ってくれていました。
「フィギュアスケートというスポーツを盛り上げていきたい。熾烈な競争がある辛い競技としてではなく、芸術として、霊感を与えてくれるスポーツとして、フィギュアスケートを発展させていきたい」
とにかく、今はスケートが楽しいそうです。
この本に掲載されている結弦くんのお写真は写真家の和田八束さん撮影のものです。
表紙はキメポーズの結弦くんですが、中を開けると黒Tのひょっこりはんとか、笑顔のかわいい結弦くんもいます。他はショート、フリー、それからトロントの公開練習時のものです。
和田さんは以前もご紹介したことがありますが、ツール・ド・フランスをずっと撮影されてこられた方です。
こちらに記事があります(↓)。
■ 2018年2月5日(月) NHK SPORTS STORY
後姿も美しい!カメラマンが見たフィギュア
https://www.nhk.or.jp/sports-story/detail/20180223_2173.html
「関わる人たちの思いをくみ取った写真を撮りたいですね。選手の演技はコーチや振付師といった周囲の人たちの支えによって成り立っていると思います。」
「フィギュアでも、きっと1つのスピンにすら、意味やこれまで支えてきた人たちの思いが込められていると思うんです。」
”Q:「立ち姿」がすごい羽生選手&メドベージェワ選手
ーー選手の素顔が見える瞬間は、他にもありますか。
和田カメラマン:羽生結弦選手の撮影で、そういうことがありました。練習拠点としているカナダで行われた去年8月の公開練習で、練習前に『今日は何を滑ればいいですか?』と取材陣に聞くんです。
“翌日の滑走順抽選で読み上げられるライバルの名前に敬意をこめて拍手する羽生選手”
自分の練習だから好きなようにしてくれればいいのにと思うのですが、わざわざ日本から来た報道陣に気を遣ってくれるんです。
常に言葉を選んで、すごく気を使ったコメントをしてくれますし、取材陣の前に出る際にも、まずは一礼をするほどです。そんなアスリートには会ったことがありません。
ーー被写体としての羽生選手は、いかがですか。
もちろん絵になりますし、その理由は立ち姿にあると私は解釈しています。競技レベルが高い選手は真っ直ぐ立てるし、腕をしっかり水平に伸ばせます。それが羽生選手です。
アスリートとしてバランスの良い立ち方をしているのでしょう。グランプリシリーズで表彰台に上るような選手は、たたずまいだけで絵になります。一般的には、それをオーラと呼ぶのかもしれませんね。”
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