https://www.youtube.com/watch?v=5T4zV1pOhK4
ONE OK ROCK - Be the light [Official Music Video / 日本語 字幕]
ONEOKROCKchannel
梅雨が始まりました。被災地の皆さん、どうお過ごしでしょうか・・・。
「ONE OK ROCK」が2013年にリリースしたアルバム「人生x僕」に収録されている「Be the light」という曲です。東日本大震災後に発表され、社会的なメッセージの強い1曲です。
Just the thought of another day
新しい一日にふと思いを馳せてみる
How did we end up this way
どうしてこんな形で終わるのかな
What did we do wrong?
僕らは何か悪いことでもしたのかい?(続く)
こちらで歌詞をご紹介してくださっている方がいらっしゃるので、感謝してリンクさせていただきます(↓)。
http://daily-english-progress.com/archives/323
きっとご存知の方も多いですよね。私は邦楽には疎くて、特に若いアーティストの方々のことはほとんど知りません。結弦くんが「完全感覚dreamer」を聴いているという話を聞かなければ、こんな素敵なアーティストが日本にいるという事実を知らずにずっと過ごしていただろうなと思います。
いきなり「完全感覚dreamer」を聴くとボーカルのTakaさんの癒しの歌声がちょっとわかり辛いような気がするのですが、切ないバラード「Pierce」は本当に素敵な曲で年齢関係なく?聞けますよ。
ボーカルのTakaさんが作詞作曲した曲の中に「光芒」というタイトルのものがあります。2008年にリリースされた『BEAM OF LIGHT』に収録されています。
「光芒」彗星などのように尾を引いて見えるひと筋の光。「芒」は、細くとがった先端を意味する字だそうです(Wiktionary)。難しくてカッコいい言葉ですよね。
日本語というのは漢字、ひらがな、カタカナの使い分けによって、中国や欧米の言葉の「いいとこ取り」ができる、とても膨らみと広がりのある言語で、これを母国語として生きることの素晴らしさはちょっと言葉では形容できません。
「光芒」にこんな歌詞がありました・・・(抜粋)
ただただ進む 進む以外にない
後ろを見ればもう戻れそうもない
日々誰かのネタのタネにされ自分すら嫌いになりそうで
でも仲間·家族·歌に心救われ!!
もう一度やろうと立ち上がれば
そこには少なからず自分を認めてくれる人がいた
思春期の多感な時期にあまりにもいろいろな出来事に遭遇すると、その柔らかな心で傷ついたり感じたりした事を、「表現」という形で昇華させる才能を持った特別な人がごく稀に現れるような気がします。
結弦くんがまさにその特別な人で、彼がそのまだ若い人生の途上で味わった様々な感情を、氷上で昇華させていく姿に私はどうしようもなく惹きつけられています。
ONE OK ROCK のTakaさんがどのような方なのか、芸能関係の話題には疎い私ですが興味を持ちました。Takaさん(現在は28歳)、本名森内貴寛(もりうちたかひろ)さんは、あの歌手の森進一さんと森昌子さんの長男として生まれた方、私が知っていることといえばぼんやりとその程度でした。
「他の小学校は全部落ちたけど、慶応だけは、親の力で何とか入れた。」とは御本人の言葉のようですが、(実際そんなことはないのでは?と思いますが)慶応幼稚舎へ入学されたところからその足跡を少し辿ってみました。「親の力」という言葉に、有名人と有名人の間に生まれたお子さんとして、もう普通の生活が否応にも送れない状況であったことは容易に察することができます。
2003年、13歳でジャニーズに入り、Takaさんは芸能活動を開始します。今のONE OK ROCKの彼の歌声を聴くと、これはもう満場一致の感想となるかと思いますが、素晴らしいと思います。どこか惹きつけられる響きが感じられます。
才能のある人が一般家庭の出身であれば・・・、あるいは有名人の家庭出身であっても普通の人であれば・・・、そんなことにはならなかったのでしょうけれど、彼の場合、有名人の息子であり、なおかつ才能があった・・・。この後どんな過酷な運命が待ち受けているか、想像がつきますよね。
有名人の息子であるという話題性もあり、実力もある。そして見た目も良い。それが何をもたらすか・・・。出る杭を打ちたくなるという悲しい人の性をこの美しい国の国民性とは思いたくないのですが、芸能界、スポーツ界、学校、職場・・・あらゆる場所でこの悲劇は起こります。
数えきれないほどたくさんの人々が同じものを目指して頑張っている中で、テレビに映ることができるのはわずか一握りの人々だけ。でも、そうした厳しい競争があるから、スポーツでも芸術でも、全体のレベルが底上げされ、素晴らしいものが世の中に出されていく訳です。
結弦くんも自分の記録は素晴らしいライバルたちがいてくれたおかげだと言っていましたが、厳しいけれど、こうしたことはスポーツや芸術が進化していく過程での現実の仕組みなのかもしれません。
Takaさんの歌唱力は恐らく当時のジャニーズの少年たちの中でも際立っていたでしょう。しかし、たとえ本人に実力があっても、それを羨ましい、妬ましいと思う心無い人々の中では「親の七光り」に擦りかえられてしまう・・・。そして何が起きるか・・・。
ジャニーズ時代は過酷な日々を過ごしたようです。観客の中には彼が歌う場面だけ「見ない」とか「席を立つ」とか、そんなことをしていた方々もいらしたとか・・・。Takaさんの多感な少年時代に受けた心の傷には、少し結弦くんと重なるものがあるような気がします・・・。
Takaさんはそのうち不良少年のようになってしまい、ジャニーズも離れていくことになります。
「だって本当に嫌われてたんですよ、昔の俺は。急にポンっと入って、前に出てきた、っていうのもあるんでしょうけど。」
「俺の何をわかって、俺と話してるんだ?って、ずっと思ってました。自分の名前よりも先に『森さんの息子さん』って紹介されて悔しいとか、見た目だけで判断してほしくないっていう気持ちが常にあって。いつかはそれをひっくり返してやりたくて、バンドを始めたんです。」
森進一さんはお父様としても愛情あふれる反面、とても厳格な方だったようです。2005年は大きな転機でした。慶應義塾湘南藤沢高等部を1年で退学。ご両親の離婚。家出をしてアルバイトをしながら音楽学校に通い、ONE OK ROCKへ参加・・・。
2010年、ONE OK ROCK結成5年目に行われた武道館公演に、父の森進一さんと母の森昌子さんを招待したそうです。「Nobody’s Home」は両親への謝罪と感謝の気持ちを歌った曲だとか。
How are you doing?(元気にしてる?)
そんなふうに言えるのにも時間がかかったね・・・
いつだってここだけは温もりや優しさが
僕を包んでくれてた場所で・・・
(中略)
本当に迷惑ばかりかけてきたから
いつか必ず越えて必ず
僕の見せたい景色を見せるから
(続きはこちらへどうぞ)
http://www.uta-net.com/song/96189/
2012年横浜アリーナでこの曲を歌った時に、Takaさんは目頭を押さえ、突然歌えなくなったそうです。その理由についてこんなことが語られていました。
「あの曲は家族に向けて書いたものなんで、僕の中では武道館で歌ったときとはまた違う感覚があったんですよ……。特定の人に向けた曲が、あの瞬間にすごくみんなの歌になった気がして。“あっ、この曲を普通にみんなが歌ってる!”と思ったときに歌詞が飛んじゃって、そういうシーンですね(笑)。」
「気持ち的には、あれだけ多くの人が自分たちの曲を歌ってくれているんだなと。ましてや、ファンのためではなく、自分の家族に向けて作った曲を歌ってくれてると思うと、なんだか感慨深い気持ちになって。」
そういえば結弦くんもソチ・オリンピックの後、こんなことを言っていました。
「好きなスケートを一生懸命やっているだけなのに、それを支えて応援してくれる人がいる。」
そしてTakaさん。
「いままで自分たちの原動力になっていたものは、悔しい、負けたくない、バカにされたくない、という気持ちで。一見ネガティヴなようで、実はバンドにとってパワーの源になっていたものなんですよ。でも武道館公演ぐらいから、そういう感情が少しずつ違うものになっている気がして。もう、あれだけの人が自分たちのことを受け入れてくれているんだから・・・それは怒りという感情だけでパフォーマンスできる次元ではなくて、むしろ感謝だし、最初にあったネガティヴな気持ちが感謝に変わるって、なかなかないことだと思うんですよ。」
これを読んでふと思い出したのは、2012年のニースの奇跡を起こした後の結弦くんの言葉です。
「被災地のために何かしようという気持ちで滑っていたけれど、逆だった。ぼくは被災地の方々の応援に支えられて、元気をもらっている立場なんだということを、昨夜(ショート終了後)、受け止めることができた。」
歌手もスケーターも表現者はもちろん、自分が得意な分野で好きなことをやっている訳ですが、そこから自分の限界を押し広げてさらにその先へ、観客と一体になるような感覚を得る事ができた時、こうしたTakaさんや結弦くんの言葉のような気持になるのかなと思いました。
Takaさんは他のメンバーに「絶対世界へ連れて行くから」と言っていた通り、今ではONE OK ROCKはアジア、欧米と世界でツアーを開催するようなグループへと成長した訳です。
人って本当に年齢ではないですね。若い人たちに教わることはたくさんあります。Takaさんってとても優しい人なんじゃないかな。
「言い捨てる」とか「捨て台詞」なんて言葉がありますが、言葉は決して捨てられるものではないと思います。言葉はそれを発言する人の分身です。言い換えれば、その人の言葉がそれを発した人そのもののような気がします。
今、たとえば誰かを羨ましいと思って心無い言葉を口にするとします。その心無い言葉は、今のその人を作り上げているパーツです。言葉は社会に向けて旅立つ自分の分身だと思うのです。
美しい人になりたかったら美しい言葉を、優しい人になりたかったら優しい言葉を使いたい。とても、とても、難しいことだけれど、いつもそれができるとは限らないけれど、でもそうなりたい、そうありたいと願う自分に一番近い言葉を使うように心がけていれば、少しずつでも近づいていけるかもしれません。
醜い人になりたい、冷たい人になりたい、嫉妬深い人になりたいと・・・心から願う人がいるでしょうか。それはでも、とても簡単なことです。そうした言葉を発するだけで、今すぐにでも近づくことができるのですから・・・。
Takaさんも結弦くんも少年時代から本当に大変な事を経験して、乗り越えて、夢を実現することができた・・・。
彼らは才能にも恵まれた人々だけれど、そのために味わった苦しみや辛さはちょっと私には想像もつきません。でも、それを乗り越えてきてくれたから、今、私たちに素晴らしいメッセージを演技や歌を通して届けてくれているのだと思います。
苦しさは他人比で生きると倍増するけれど、自分比で生きると半減するのかもしれません。
何か素晴らしいものを世の中に残していくことができる人は、きっとどこまでも自分比で生きているのかなと思います。
「光芒」・・・。どこまでも一途でまっすぐな二人が放つひと筋の光に、今日もどこかでたくさんの人々が救われています。
結弦くんは今頃、どんな音楽を聴いて、何をどのようにスケートに活かしていこうと考えているのでしょうか・・・。被災地の皆さんや、悩める私たちの心に届くプログラムを、きっとまた届けてくれるに違いありません。その日を楽しみにしています。
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E5%86%85%E8%B2%B4%E5%AF%9B
http://gekirock.com/interview/2012/08/one_ok_rock.php
MUSICA 2012年9月号より
http://musica-net.jp/articles/preview/1992/
photo : zimbio, gettyimages


