「自分の命を削るくらいの演技、
たくさんの方々の心に入り込める演技をしたい。」
「スケートをやる時は、僕は死ぬ気でやっています。」
「命を削るような思いで、これからも努力していきます・・・。」
羽生結弦
こうした言葉は決して命を粗末に考えている言葉ではないと思う。軽々しく口にできる言葉ではないだけに、言葉はそれを発する人を選んでいる。
命を大切にするとは、命を輝かせること・・・。燃え尽きる限界まで命を燃焼させること。氷の上で、彼は何度も生と死を味わっているのかもしれない。
リンクに流れる、いわば録音された音楽に・・・結弦くんは瑞々しい息吹を吹き込んでゆく。言葉では説明できないあの圧倒的な光景は、つまり、そういうことなのだと思う。
ショート・プログラム、ショパンの「バラード第1番」の音源と言われているポーランドのピアニスト、クリスチャン・ツィメルマンもまた同じことを言っていた・・・。
「1回1回のステージに命を賭けて臨みます。死ぬ気で演奏する作品でなければ、弾くことはありません。」
素晴らしい芸術家の作品に触れるとき、観客が氷の上で、ステージの上で、目にするのは、燃え尽きるまで限界に挑もうとする表現者の命の輝きである。
自らの命を削るようにして息吹を吹き込まれたプログラムは、観る者の心の中で永遠の命を得ている・・・。
「桜ばな命いっぱいに咲くからに生命をかけて我が眺めたり」
岡本かの子
満開の桜が命がけで咲いているのだから・・・私も、命がけでそれを眺めるのだ。
本当に・・・滅多な事では見られなくなってしまった結弦くんの演技。見に行くことができた時の私の心境は、満開の桜を眺めるかの子の気持ちと変わらない。
結弦くんが命がけで氷に咲かせる花を、私もまた命がけで見つめる思いである。
※ SportyMagsさんのインスタ、更新してくださってます。「ユヅルとユカイな仲間たち」増えました!
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※ 写真家のDavid Carmichaelさんが上海ワールドのお写真を公開してくださっています。撮影されたお写真をCDやDVDにして、次に選手に会う時にプレゼントされているとか・・・。
http://davecskatingphoto.com/photos.html
※photo by Sunao Noto at Madame Tussaud's, Zimbio


