8月17日
Rif. Lago Della Vacchia 1851m 6:00出発
Colle Delle Vecchia 2184m 7:00
Col Marmontana 2348m
Lago di Vargna 1716m
Rif Coda2252m 19:30
本当にありがとう
腕時計の目覚ましで、4時55分ごろに目を覚ます。とうとう、とうとう今日である。今日が勝負の日である。何カ月も前に、バルマという場所の山小屋がまだ営業していないことを知り、少々無茶な計画を立てた。というよりも、バルマの山小屋が開いてないということは、これしか方法がないのである。
5時に食堂に下りていくとヴァエラも下りてきた。あーーー、本当に申し訳ないのである。こんなわがまま外国人のために、こんな時間に合わせてくれるなんて。
朝は、彼女のスマホの翻訳機能が大活躍。彼女がイタリア語で、スマホに向かって話すと、スマホが英語に翻訳してくれるのである。
ものすごいテクノロジーである。これさえあれば、旅行ぐらいの会話なら全く問題がない。もう指さし会話帳とか、必要ない。イタリア語から英語からだったからかもしれないが、かなり正確に、わかりやすく翻訳されるのである。それも文字と音声両方で。
すごい世の中になったものである。
朝は、他の山小屋同様に、巨大カップで、カフェオレをいただく。こんな時間に温かいものをいただくことができ、本当にありがたい。ありがとう。
それから、パンとバターと甘いジャムたち。とにかく、食べなくてはならない。もしかしたら今日は、16時間とか歩く羽目になるかもしれない。可能な限りのエネルギーを蓄えておく必要がある。バターとジャム、チョコなどをたっぷりパンに塗り、半分無理やり詰め込んだ。
そして、この前のハーフマラソンの時にも、おそらく活躍したアミノバイタルも一人1本づつ飲んでみたのである。もうとにかく、何にでもすがりたい状態である。
とうとう出発である!今日は本当に小屋に到着することができるのであろうか?去年の薬師岳小屋から五色が原小屋まで行く時のような緊張感である。
そして、なんとヴァエリラも、上の峠まで来てくれるということである。しかしながら、さすがにそこまでしてもらうのは、真剣に申し訳ないと思い、大丈夫だよと何度も言うが、結局一緒に来てもらうこととなる。
これが、本当にありがたかった。というのも昨日私たちは、変な道に迷い込んでいたために、まともな道がどこだかいまいちよくわかっていないのだ。ここから峠までは、結構な登りで、きついことはわかっているが、すっきりさっぱり登り切り、その後の長い道のりに力を注がなくてはならないのだ。当然昨日のように迷っている時間も余裕も全くない。ここら辺を熟知している彼女が峠まで来てくれるのは、願ってもないことなのだ。
なんだかんだして出発は、6時ぐらいになる。そして、出発して3分ぐらいしてから、ヴァエリラが、
”Oh No ! サンドイッチ!”
と叫んで、血相を変えて、山小屋に戻り始めた。
そうだ!サンドイッチ!!!今日の私たちのエネルギー!
私もすっかりさっぱり忘れていた。彼女が思い出してくれて、本当によかったのだ。このまま忘れたままだと、途中で気づき、手持ちのシリアルバーやチョコレートで、なんとかしなくてはならなくなる。
小屋に戻り、邪魔になるかもしれないが、私も手伝うべくキッチンに入った。ほどなくして、彼女が巨大なパンを抱えてキッチンに戻ってきた。ここで焼いたパンという。
そしてハムを機械で薄く切り始めた。私は、ハムをパンにはさみ、ラップで包む作業とした。これで数秒節約されただろう。
昨日はハムとチーズとかいろいろ言っていたが、もうそんなことはどうでもいい。とにかく私たちにはランチがあるだけでそれでいい。そして、りんごもどっからか探してきてくれた。
超特急ピクニックが完成し、ザックに詰め込み出発である。
6時ちょいすぎである。さっきは、暗かったのであいつはヘッドライトをつけていたが、この数分でかなり明るくなり、もうヘッドライトはいらないくらいである。峠とは逆方向の空が本当にきれいである。いつもの私であれば、確実に写真を撮っているが、今日は写真よりも生きて、暗くなる前に山小屋に到着することが第一目標である。この素敵な紫とピンクのグラデーションの空を目に焼き付けて、ヴァエリラの後に続くのである。
彼女はやっぱり湖の方の道を選択していた。他の地図では、私たちの地図に書いてある小屋への近道がきちんと書かれていないのだ。つまり私たちの地図は間違っており、そのために昨日はあんな変な道を歩くはめになったのだ。
彼女が先導し、私たちがひょこひょこと続いていく。
なぜ彼女がここまでしてくれるのか、私にはとてもわかっていた。私たちが、かなり厳しい状況になるのは彼女なりにわかっており、私たちがどうにか無事に今日の小屋に到着するために、彼女ができるベストを尽くしてくれたのだ。私もたまにこういうことをするので、彼女のこの不思議な行動も解明できる。私たちが無事に到着するために、彼女なりの行動なのだ。こんなわけのわからない怪しい外国人にここまでしてくれる彼女。本当に感謝しても感謝しきれない。
登りにつれて、どんどん周りが明るくなってくる。彼女がスマホで、朝日やピンクの花の写真を撮っている。私も撮りたいが、その余裕はない。
しばらく行くと、私の荷物を持ってくれるという。さすがにそこまでお願いするのは気がひけたので、断っているが、何度も持ってくれると言われ、とうとう荷物を持ってもらってしまったである。
彼女は私の荷物を担ぎ、これは重いという。この重さで1週間を歩くのは大変だという。日本だとこれくらいは普通なのだが、ここら辺の人たちは基本ほとんど荷物を持っていない。手ぶらで走っている人たちもいるくらいである。確かに余計なものもかなり入っていたので、荷物を減らすことは、やっぱり私の今後の課題である。あいつは、カメラもないくせに、やっぱりとても重い荷物を担いでいる。変な思いポーチを持ってきていたりするので、あいつの荷物検査も事前にしなくてはならない。今年は、自分が忙しくそんな余裕がなかったのだ。
荷物がなくなると、かなり体が軽くなる。あー、本当にありがたい。荷物を担いでもやはり彼女が先導で、私たちを峠まで導いてくれる。そういえば、途中で何度も一緒に写真を撮った。荷物がなくても、だんだんと上に登るのがつらくなってくる。けれども、やっぱり彼女がずんずんと私たちを引っ張ってくれるので、彼女のペースで登ることができたのである。
そして、とうとう7時には、峠に到着した。実は、今日は7時までにはこの峠に到着したいと思っていたのである。第一の目標を彼女のおかげで達成することができた。私たち二人だけだったら、またどこかで休憩したり、水を飲んだりして、峠まで2時間ぐらいかかっていたかもしれないのだ。
峠でも3人の最高の笑顔で、たくさんの写真を撮った。今日の彼女の行動が、ずーーっと私たちの背中を押してくれたのだ。これが、自分の利益のためではなく、本当に無私無欲なのだ。今考えても、どうやって感謝したらいいかわからないし、何とお礼を言ったらいいかわからない。
ヴァエリラ!本当にありがとう。
運に助けられる午前中
彼女と別れてからは、昨日のAlta Vie1の道の続きである。少々下ってから、また登りが始まる。今日は、登り下りの連続である。峠までは、太陽の光が当たり始めてきたのであるが、峠を越えてからは、ありがたいことに太陽がちょうど山で遮られる場所を歩くことになった。本当にありがたい。少しでも太陽に直接さらされる時間が、少なくなる。
ヴァレリアのエネルギーでかなりの間は、力強い山歩きを続けることができた。今日彼女からもらったものは、本当に計りきれないほどのものであった。
エネルギーがたまっていたせいか、ヴァエリアと別れて少し歩いたところで、なぜか岩につまづき、転んでしまった。あー、転ぶなんて、いったい何年ぶりか。両方の膝小僧が痛いが、こういうのって、なんだか気合でどうにかなるのだ。返って転んだのが、こんなとこでよかったと思うのである。これからこれを教訓に、しっかり地に足をつけて歩かなくては、今日を乗り切ることはできないだろう。
また新たなプチ峠みたいなところを越え、下がったところで、レッドブルタイムとした。これから2358mへの300mの登りである。現在私たちが持っているレッドブルは、2本。今日飲まないでいつ飲むのか。今がまさにレッドブルのパワーも借りたい時である。
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先日飲んだレッドブルは、この前同僚からもらったシュガーレスのだったのだが、今日のレッドブルは、普通バージョンである。やはりシュガーレスタイプとは、味の濃さが違うようである。気のせいってこともあるけど、レッドブルで更にパワーチャージである。
幸いなことに、なんとかまだ直射太陽に晒されない状態で、今日の次の区切りであるCol Marmontanaに辿り着いた。ここには、12時前には到着したいと思っており、予定より30分も早く到着することができたのである。
あいつはCOLで休んでいるが、歩くのが遅い私には休んでいる暇などない。私は亀で、あいつはうさぎである。亀には休み時間が与えられていないのだ。それから今回の道では、なぜか殻が大きいカタツムリをよく見かけ、自分でも重い、でかい荷物を持った自分がかたつむりに見えて仕方なかった。あいつもかたつむりを見かける度に、私みたいだと言い続け、大きい殻のかたつむりと自分がどうしても重なってしまうのだ。
COLを越えてから、あいつがしばらく来なかったが、ずんずん進み、途中で水&アミノバイタル休憩をとったりした。そしてやっとのこのこあいつがやってきた。なんと、ひげを剃ってたという・・・。こんな日にありえないのである。神経がずぶとすぎるのである。
道がわからない 厳しい太陽
COLを越えてからは、牛小屋等が点在する開けた場所になる。ここからしばらく進むと昨日私たちが発見したショートカットルートに入る予定である。このショートカットがうまくいけば、かなりの距離をずることができる。このルートはAlta Vie1から外れるのであるが、そんなことはもうどうでもよくなっている。暗くなる前に、山小屋Codaに到着するのが、今日の最大の目標なのだから。
ここら辺からかなり日差しが強くなり、太陽を遮るものもなくなってくる。
牛小屋や牛の横を通ったりする。例の水くみ場がないかなあと探すが、牛用の水飲み場ぐらいしか見つからない。昨日のお兄ちゃんは、道の途中で水の補給ができると言っていたが、いったいどの水を飲んでいいのかがわからない。
しばらく行くと、今度は車道を歩くことになる。車道を歩いていると左側になんともきれいな水が流れている。あいつは、なんと今度は歯磨きすると言い出す・・・。ということで勝手に歯磨きをさせておき、私は、頭をこのきれいな水でぬらすことにした。頭の先だけでも水でぴたぴたすると気持ちいいのである。
かなり怪しい日本人2人であるが、周りに牛はいるが、誰もいない。
それにしても、きれいな流れであった。
おそらくこの水は飲めるのではないかと思う。日本みたいに、水場って書いてあれば、わかりやすいのになあなんて思ってみる。
ここからはAltaVie1を外れて2Aという道を行く。
2Aの道が見つかり、先を進んでいくのであるが、何かがおかしい。今までのきちんとした道とは、かなり異なるのである。それでも進んでいたが、やはり何かおかしい、まずいと思い、車道を歩くことにした。
こんなところで、迷っている時間はないのである。地図には2Aはきちんとマークのあるハイキングルートと書いてあるが、AltaVie1の道に比べるとわかりにくいし、かなり険しい道のようである。大人しくAlta Vie1の道で遠回りした方が、近かったかもしれない。
かなり嫌な雰囲気になってくる。それでも歩いていると、近くに別荘のようなお家があり、人が日向ぼっこをしていた。すがれるものは何にでもすがりたい一心で、そのお家まで歩いて行った。
”ボンジョールノ”
といい、迷ったので、下の湖Vargnaまで行く道を教えてほしいと一生懸命に伝えてみた。
彼らは、イタリア語のみ。私たちは、英語で話し続けた。やっとこ今の大体の位置と、2Aの道がかなり険しいこと、そして、Grangeasという目印の建物がどれか判明した。
それにしても、いきなり人の家に行って、道を聞く方も悪いのであるが、この夫婦とは話が全く通じなかったのである。それに、こんなに人がいない場所で、外国人が困って道を聞いているのだから、もう少し助けてくれてもいいんではないかと、ずうずうしくも思ってしまう。通じない人と話をするのは、人種に関係なしに大変なのだ。
けれども、彼らのおかげで、Grangeasの建物がどれだかわかった。それだけでも大感謝しなくてはならないのだ。さもなければ、ここら辺で何時間も迷っていたかもしれないのだから。やはり、あの場所に、あの二人が日向ぼっこしていてくれたこと、なんとか場所を教えてくれたことに感謝しなくてはならない。
ルートの目印がわかってからは、今まできた道を戻り、また車道を歩くことになる。太陽はがんがん元気になってきている。今日の半分ぐらいは歩いたかもしれないが、道に迷い、体力がどんどん奪われている。
やっとこ目印の建物に到着すると2Aのマークを見つけることができた。どうやらここを下りていくとVargnoに到着しそうである。というかどうか到着してくださいと願うのだ。
2Aの道はマーキングされているとはいえ、あまり使われていないらしく、草が茂っていたりする。Alta Vie1に比べるととても分かりずらいのである。下降しだして数分してから、ランチにすることにした。
ヴァレリアが特急で作ってくれたサンドイッチである。しかしながら、なぜか食が進まない。けれども食べなくては、午後の行動に影響する。私たちは、まだまだ歩かなくてはいけないのだ。とにかく、肉を食べ、パンはチョコレートと一緒に無理やりいただいた。とにかくエネルギー補給である。あいつはりんごも食べていたが、私はりんごは午後に残しておきたかった。
ランチ休憩の後は、気を取り直し、2Aの道の下降である。幸いその後の道は、そこそこわかりやすく、次の底のVargnoまで程なくして辿り着いた。
ここからがまた勝負である。
ここら辺を歩いていると、分岐のサインを見るととてもほっとする。自分が正しい道を歩いていたのか、次の自分の道を再確認するためである。
分岐でホッとしたのではあるが、自分がどちらに向かえばいいかわからないのである・・・。あいつと、こっちだと決め少し進んでみることとした。
そうすると、私たちがしばらくおさらばしていたAlta Vie1の三角のマークを発見!こちらの道でよかったようである。車道を少々歩くと湖というかダム湖に辿り着く。その近くには、Rif Codaまで3時間という標識もあったのである!!!標識タイムが3時間ということは、あと5時間ぐらいあれば、私も到着できそうである。最後の一山だと自分を鼓舞して、ここからの登りに備えるのである。
あいつ戦法 & 命の水
今までの私の登り方というのは、先を見て、どこら辺が峠であるかを見ながら登る方法であった。しかしながら、あいつからは、こういう事態だから、先ばっかり見ると余計に辛いと助言をもらう。あいつ戦法とは、先を見ずに、自分の目の前登りだけを見つめ、一歩一歩登っていく戦法である。あまり先を見過ぎてしまうと、目の前のことを見失ってしまうというのだ。そして目の前の一歩を着実に登っていれば、いつの間にかゴールに到着するという。
確かにそうであった。
目の間の一歩、これが重要だったのである。
あいつ戦法で登り始めるが、もう体力の限界だったのか、それともこの樹林帯の独特の湿った空気のせいか、湖からの200mぐらいの登りが、一番苦しかった。あいつ戦法をしなかったら、もっと苦しかったと思われるのだ。
この嫌な登りがなんとか一段落し、ゆるやかな道をしばらく歩くことになる。あーー、本当にありがたい。これくらいの道であれば、楽しく歩けるのである。アップダウンがそれほどないので、地図上もぐんぐん進んでいく。
こんな山の中にもぼつぼつと集落があり、いくつかの集落を通り抜けていく。
そして、すばらしい場所を発見した。
なんと、なんと、あの水くみ場があったのである!
飲んでいいのかわからないが、水はじゃんじゃか出ているし、冷たくて最高の水である。あいつが既に到着し、ちゃっかり水をいただいている。
今、まさに私の体が欲しているもの。それがこの冷たい水であった。
水くみ場には、コップも置いてあるので、この水は飲める水ということであろう。コップがなくても、このタイプの水くみ場の水は飲むことができるとわかるのだ。
ついさっきペットボトルの水を入れ替えたばかりなのであるが、テルモスからまたペットボトルにガス入りの水を戻し、テルモスにこの冷たい水をじゃんじゃか汲ませていただいた。そうして、ごぐごくごくと、おそらく1リットルぐらいは飲んだのではないだろうか。頭の先から体が蘇る感じである。涙が出るくらいおいしい水であった。
さてはて、テルモスにはこの冷たい水を満タンにいただき、他のペットボトルにもいただいた。これで、荷物は重くなるが、この後もこのお水のおかげで前に進むことができたのである。
Goullasの水。私にとっては、まさに命の水であった。この水なしでは、山小屋CODAに辿り着くことはできなかったと言っても全く過言ではない。
たぶん私の一生の中で、1、2位を争うほどおいしい水だったと思う。この水でその後助けられたことを考えると、1位の水かもしれない。
本当においしかった。そして、この日の命の水であったのだ!あいつもあいつで、水をおいしくいただいていたようだ。
水でかなりのパワーをもらい、とうとう急な登りの前の最後の集落に到着した。こんな山奥で住んでいる人もいるのである。もしかしたら、夏だけの別荘かもしれないが、ここまで歩いてくるだけでものすごい労力が必要な場所である。少々傾いた太陽の日差しががんがん当たる集落で、子供の声が聞こえたりする。
もうかれこれ5時は過ぎているだろう。まだ目的地に着いていないので、まだ太陽が高い位置にいるのはありがたい。(まず夏の日の長さを感謝しなくてはならない。)けれども、5時なのに、全然日差しが弱まらないのである。そして、最後の登りは、ほとんど太陽に晒された状態で、本当にところところの木陰があるのみであった。こういう時こそ、あいつ戦法をを着実に遂行するのがよいのである。そして、さきほどテルモスに補給したまだ冷たい水をありがたくいただくのである。
何度もしつこいが、この水がなかったら、この登りは無理だった。
へろへろしながら、小屋に向かっていると、上から人が下りてきた。今日はほとんど人と会っていないので、なぜか人と出会うとうれしくなる。彼らは、Codaから下りてきたという。そしてCodaはあと1時間ぐらいという。そうか、そうすると私はあと1時間半ぐらいか・・・。
とにかく、Codaから来た人と会うということは、Codaという小屋が実際に存在するのである。そんなことはわかってはいるのだが、多少の励みとして、更に一歩一歩進むのみである。
まだ峠ではないが、急な登りが落ち着き、湖や小さな牛小屋がある比較的なだらかなエリアとなった。はっきり言って、めっちゃきれいな場所である。こんな状態でなければ、シャッター切りまくりの場所である。しかしながら、もう写真どころではない。写真よりも何よりも、少しでも先に進み、小屋に到着したかった。
そうして、進んでみた先に、またかなりの急登が私たちを待ち構えていた。
あーーーーー、
これを登るのか。。。。地図からなんとなく最後は、きつい登りが待っていることはわかっていたのだが、結構な登りであった。ここでもあいつ戦法で、とにかく一歩一歩登るしかないのである。
時々座り込み、ありがたい冷たい水をいただく。この冷たい水のおかげで、次の一歩を踏み出すことができる。
あいつは、私よりも30-40m上方を登っている。先に人がいると、見えない糸で引っ張ってくれるようである。
本当にすばらしい景色である。とてもカメラを出す余裕がないので、目にこの景色を焼き付けようとする。
さすがにこの登りが最後であろう・・・。
あいつは、どうやらもう峠に到着しているようだ。あいつに大声で、
”小屋見えるーーーー?”
と聞いてみる。
”小屋は見えないーーー。”
という。
なんと、小屋はまだ先か。けど、あと一息のはずである。
私も瀕死の状態で、なんとか今日最後(と思われる峠)に到着した。
あーーー!すばらしい景色。(けど写真撮る力が残っていない・・・。)ここの峠の360度ビデオを撮りたいが、とてもスマホの電源を入れて、ビデオを回す余裕はない。
どっこいしょと小屋の方に向かうのである。あと、あと、少しのはずである。
峠を過ぎ、なだらかな道を進んで、5分、10分か。とうとう、山小屋の建物が目に入ってくる。そして、外はまだ暗くない。とうとう日没前に小屋に到着するのである。
下には、どこの町だかわからないが、遠くに町が広がっているのが見える。とてもきれいである。写真を撮りたいのだが、小屋に到着することがまず先である。
遠くからあいつが既に小屋に到着したが見えた。あいつが犬に吠えられている。あいつは小屋の中に入って行った。どうか小屋の人と話をして、私たちが到着することを伝えてほしいのだ。犬が私の方をジーーーっと見ている。もっと近づいたら、吠えられるのだろうか。それにしても、利口そうな犬である。
とうとう、とうとう、小屋に到着だ。犬は私には吠えなかった。
小屋に入ると、あいつがちょこんと座っている。またである。あいつは、私が予約したホテルや宿の人と話すのが嫌なのである。
あーあ、またかと私が小屋のキッチンの方まで行き、到着したことを伝えるのだ。中から優しそうなおばさんとお姉さんの中間ぐらいの人がでてきて、部屋まで案内してくれた。けどその他の案内を全くしてくらなかったので、夕食をまだ食べることができるのかとかが、全然わからない。
とにかく、部屋で荷物をおろして、ふうっと一息だ。今日も私たちだけの個室のようである。部屋から外を見るとあの犬がちょこんとおとなしく座り、沈む夕日を見ているようである。これもやっぱり写真に撮りたかったのだが、パワー切れ。
他のお客さんは、もうディナーをいただいているようである。私たちもディナーをいただくことができるのか、聞きに行った。
どうやらディナーは、すぐ準備できるというので、早速食堂へ行ってみた。
まず今日の到着祝いということで、ワインをいただく。赤を頼んだつもりがなぜか白がでてくる。まあ、いいのである。細かいことは気にしない。
次に出てきたのは、私が夢にまで見たイタリアの野菜&豆たっぷりスープであった!それもものすごい量が鍋に入っている。目がハート状態となり、ものすごい勢いでいただき始めた。
あーー、あーー、本当においしい。
そう!このスープである。あー、本当に幸せである。無事に到着し、イタリアのスープを大量にいただけるなんて。
あいつもものすごい勢いで、スープをいただいている。今日がんばったご褒美である。こんなスープを家でも作ってみたい。(といつもいつも思いつつ、結局作っていない。)
スープだけで幸せなのに、次のお皿も出現した。なんと大きなチキンが二切れもお皿にのっかっている。おいしそうな野菜のソテーも一緒である。
あー、これまた本当においしいのである。
ぼろぼろ、へろへろ、どろどろに疲れた後の、ワイン、スープ、チキン、、、最高であった。しかしながら、どうしてもチキンの量が多く、完食ができなかったので、あいつに渡してみる。
デザートは、缶詰の桜桃のチョコレートかけであった。今、この状態で、一番いただきたかったものであった。あいつはケーキを選び、後悔していたのだった。
外に出ると、素晴らしい夜景であった。小屋の人に、町の名前を聞いたのだが、すっかり忘れてしまった。それにしても、非常に美しい夜景であった。
それにしても、日没前に到着して、本当によかった。これは、本当にヴァレリアが、私たちを導いてくれたからである。
***************
この日は、本当にいい天気で、素晴らしい景色をたくさん見たのだが、とにかく写真がほとんどない。
ヴァエリアと別れて、歩いているとまたモンテローザが見えてきた。朝のきれいな空気の中でほんときれいだった。(この写真の100倍はきれいだった。
どこら辺だろ?
あともう少しで峠ってとこかしら?
雲がきれいだった。けど太陽の日差しがきつい。
やっとこ到着したCODAの小屋。





