私はピアノ以外のこと(ほかの楽器やダンス、乗馬などさまざまなこと)も教えることがあります。
自分がやったことがないことも、できないことも教えるんです。
それって何を?どうやって?
って思いますよね。
私は解剖学を学び、そのカラダの動きの観察ができるようになったから
教えられるんです。
例えば
「◯◯がうまくできないんです」
「◯◯やると痛くなるんです」
みたいなお悩みがあって、レッスンに来られるので、
それがうまくできる方法を一緒にみつけていきます。
まず
いつものようにやってみてもらう
すると、
あれ?と観察していると、なにか違和感を感じる動きがあるんですね。
それって、解剖学的には不自然な動きだよね・・・
自然な動きで同じことができないかなぁ???と考えてみて
そのアイデアを提案して、もう一度それをやってもらうと
あ!できた!
痛くない!
のような結果になるんです。
これが、みなさんが「魔法のようだ」といわれることなんですけれど
時々
「でも、(その楽器やダンスなどの)先生にはこうやりなさいって言われるんです」
とか
「ここはこうじゃなきゃいけないんです」
と言われることがあります。
ピアノにあてはめると
「手首はあまり動いちゃいけないんです」
みたいなことです。
こういう場合は、そういわれている根拠を調べてみる必要があります。
大抵は、
「先生がそう言ったから」
とか
「みんなそうやっているから」
とか
「そういうもんなんです」
とか・・・
根拠は曖昧だったりします。
ピアノの「手首はあまり動かさないで弾く」については
ピアノ教育が広まっていく時代に、ある有名な先生がおっしゃったことを
未だにやり続けているというだけのことです。
(そのことが書かれている論文もあります)
解剖学的には、手首を動かさずに指だけ動かすと、いずれ腱鞘炎になるかバネ指になるか・・・
どこかを痛めます。
カラダはそのような構造になっていないから。
なので、それを律儀に守ってやっていると
どこかを痛めたり、うまく弾けなくなります。
どこかが痛くなったり、うまく弾けない時に
「こうやりなさいと言われたから、できないのは練習が足りないからだ」
とか
「自分には才能がないからだ」
と思考停止するのではなく
「どうやったらうまく弾けるんだろう?」
「他にやり方はないのだろうか?」
と考えてください。
ここが海外の人と多くの日本人の違いのような気がします。
日本人は、先生の教えを守るのが大事だと思っています。
もちろんそれも大切なことではあります。
しかし、自分のカラダを痛めてまで守ることでしょうか?
自分の夢をあきらめることになるかもしれませんよ。
また、その根拠も知らずに
自分もそう習ったから、自分はうまくいかないけれど、それを教えている
そういう先生も多いと思います。
私も解剖学を勉強するまでは、
なんか矛盾を感じるんだけど、でもこれまでこうやってきているしなぁ・・・
と思いながら、それを正しいことのように10年間くらい教えていました。
でもね、当時はやっぱり曲を弾く前にハノンなどで指ならしをしないと
うまくは弾けなかったんですよ。
トルコ行進曲の中間部、右手の16分音符が続くところなど
指遣いも音もわかっているけれど、何もピアノを触らずに一回目弾くと
なんだか音が揃わない〜〜
美しくない〜〜
でした。
それっておかしいと思いませんか?
海外での演奏旅行では、ちゃんと練習時間が確保できないこともよくあるし
会場のある都市に着いたその日の夜にリサイタルということもありました。
そこの会場でのリハーサルの時間は限られていて
曲を全部通すことができないこともありました。
そんな時でも、ハノンからやるの?
(自分なりに短時間でなんとかする方法はみつけていましたが・・・)
これまで外国人の先生にも20人以上教えていただきましたが、
先生が指ならしをしているのを見たことはないです。
また、先生が「こんな風に」みたいにして弾いてくださる時に
音が揃っていないことなどありませんでした。
練習量ではなくて
何か根本的にやり方(弾き方)が違うんじゃないか・・・
この直感は当たってました。
業界的に?
「これはこうするもの」
ということがあると思います。
それでうまくいくなら、その方法は良いんだと思います。
でも、うまくいかないなら・・・
その定義を疑ってみてください。
そういわれているけれど、それはどうして?
そういわれているけれど、違う方法もあるかも?
そういわれているけれど、私には合わないのかもしれないから
合うやり方でも良いんじゃない?
みたいに
もしかしたら先生はそれでうまくいっているのかもしれないけれど
それは人それぞれカラダの大きさや柔軟性が違うので
たまたまそんなに無理しなくてもできているのかもしれません。
多くの人は観察眼がないので
(私もまだまだですが、少し動きが見えるようになるまでに4〜5年はかかりました)
同じような動きでも、微細な違いがわかりません。
なので、先生がうまくできている見本と
自分のやっていることが同じつもりでいます。
先生はうまくいっていても、自分はうまくできない。
その時には、その定義自体がおかしいのかもしれないし
先生自身がやっていることと言葉で説明されていることが違うこともあります。
また、先生がやっていることや説明していることと
自分がやっていることが違うこともあります。
なので、
その方法は本当に自分にあっているのか?
もっとやりやすい方法はないのか?
ぜひ考えてみてください。
私が弾きやすい方法を見つけた鍵は、
当時は音楽の教育界には無くて
医学界にありました。
20数年間、私は国内、海外のピアニストや名教師といわれる先生方30名以上に師事し
探し求めてきました。
それが、あることがきっかけで、解剖学にめぐりあったこと
もちろんこれだけではピアノは弾けません。
この知識をピアノ演奏に応用すると・・・?
これまでの常識とされてきたことは、とりあえず横に置いて・・・
こうやって何年もかけて見つけてきた方法です。
ピアノを弾く方には、手っ取り早くこの方法をお伝えして
その場で数分で弾けるようになります。
(だって、誰でもできるカラダの使い方だから)
その根拠も、お伝えできます。
他の楽器やダンスなどの方には
うまくいく方法を一緒に考えてできるようにはなっていただきますが
(根拠も説明できますが)
「先生がこうしなさいとおっしゃる」
このことには、どうしてそうなのか?わかりませんし
うまくできれば、それで良いのでは?と私は思うのですが・・・
先生を疑えというのではありません。
ただ、自分のやっているこの方法がうまくいかないのは
何か違うからなのかもしれない
これが進化の鍵だと思いますよ。
